ArcGIS Image for ArcGIS Online で利用できます。
多次元ラスターの集約ツールは、既存の多次元変数をディメンションに沿って結合することによって、多次元イメージ レイヤーを生成します。
出力はホスト イメージ レイヤーです。
例
多次元イメージ レイヤーの多くは、多くのディメンションにまたがるデータを持ちますが、解析によっては、データを別のディメンションで整理しなくてはならないことがあります。 たとえば、30 年にわたって毎月収集してきた海面水温のデータを、多次元ラスターの集約ツールを使用して四半期のタイム スライスにまとめることができます。
多次元ラスターの集約ツールを、毎時間のスライスで整理された 1 年分の降水量データに対して使用できます。 しかし、既存の降水量データは毎日のスライスで整理されています。 多次元ラスターの集約ツールを使用して、データを毎日のスライスに集約し、既存の降水量データと比較できます。
使用上の注意
多次元ラスターの集約には、入力レイヤー、集約の設定、結果レイヤーの構成が含まれます。
入力レイヤー
[入力レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [多次元イメージ レイヤー] は、新しい多次元イメージ レイヤーに集約されるイメージ レイヤーを選択するために使用されます。 ツールで選択可能なイメージ レイヤーがない場合、多次元イメージ レイヤーをマップに追加する必要があります。
- [ディメンション] は、イメージ レイヤーで使用できる次元のうち、新しい多次元イメージ レイヤーへの集約に使用するものを示します。 必要なディメンションがドロップダウン メニューにない場合、選択したイメージ レイヤーにディメンションが含まれていない可能性があります。
- [変数] は、選択したディメンションに沿って集約する変数を指定します。 変数を指定しない場合、選択したディメンションですべての変数が集約されます。
集約設定
[集約設定] グループには次のパラメーターがあります。
- [集約方法] は、スライスを集約して新しい多次元イメージ レイヤーを生成するために使用する数学的方法を説明します。 [集約方法] には次のオプションがあります。
- [平均] - 間隔内のすべてのスライスでピクセル値の平均が計算されます。 これがデフォルトです。
- [最大] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの最大値が計算されます。
- [最頻値] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの最頻値が計算されます。
- [最小] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの最小値が計算されます。
- [最少頻値] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの最少頻値が計算されます。
- [中央値] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの中央値が計算されます。
- [パーセンタイル] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの値のパーセンタイルが計算されます。 デフォルトでは 90 番目のパーセンタイルが計算されます。 [パーセンタイル] 値パラメーターを使用して、その他の値 (0 ～ 100) を指定できます。
- [範囲] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの値の範囲が計算されます。
- [標準偏差] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの値の標準偏差が計算されます。
- [合計] - 間隔内のすべてのスライスでピクセル値の合計が計算されます。
- [種類] - 間隔内のすべてのスライスでピクセルの個別値の数が計算されます。
- [カスタム] - カスタム ラスター関数に基づいてピクセル値を計算します。
- [集約定義] は、データを集約するディメンション間隔を定義します。 [集約定義] には次のオプションがあります。
- [すべて] - すべてのスライスでデータが集約されます。 これがデフォルトです。
- [間隔キーワード] - 一般的に知られている間隔を使用して、変数データが集約されます。
- [間隔値] - ユーザーが指定した間隔と単位を使用して、変数データが集約されます。
- [間隔範囲] - 指定した値または日付のペアの間にある変数データが集約されます。
- [間隔キーワード] はディメンションに沿って集約するときに使用するキーワードの間隔を指定します。 このパラメーターは、[集約定義] で [間隔キーワード] が選択された場合に使用でき、次のオプションがあります。
- [毎時間] - データ値が毎時の時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての時間が含まれます。
- [毎日] - データ値が日次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての日が含まれます。
- [毎週] - データ値が週次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての週が含まれます。
- [毎月] - データ値が月次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての月が含まれます。
- [毎四半期] - データ値が毎四半期の時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての四半期が含まれます。
- [毎年] - データ値が年次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての年が含まれます。
- [毎日繰り返し] - データ値が日次時間ステップに集約され、結果にはユリウス通日ごとに 1 つの集約値が含まれます。 出力には、最大で 366 個の日次時間スライスが含まれます。
- [毎週繰り返し] - データ値が週次時間ステップに集約され、結果には週ごとに 1 つの集約値が含まれます。 出力には、最大で 53 個の週次時間スライスが含まれます。
- [毎月繰り返し] - データ値が月次時間ステップに集約され、結果には月ごとに 1 つの集約値が含まれます。 出力には、最大で 12 個の月次時間スライスが含まれます。
- [毎四半期繰り返し] - データ値が四半期時間ステップに集約され、結果には四半期につき 1 つの集約値が含まれます。 出力には、最大で 4 個の四半期時間スライスが含まれます。
- [10 日ごと] - データ値は、各 10 日間の 3 つの期間に集約されます。 最後の期間は、10 日より多くなる場合と少なくなる場合があります。 出力には、各月につき 3 つのスライスが含まれます。
- [5 日ごと] - データ値は、各 5 日間の 6 つの期間に集約されます。 最後の期間は、5 日より多くなる場合と少なくなる場合があります。 出力には、月ごとに 6 つのスライスが表示されます。
- [間隔値] は集約に使用される間隔のサイズを定義します。 このパラメーターは、[集約定義] で [間隔値] が選択された場合に使用できます。
- [間隔単位] は、間隔値で使用される単位を指定します。 このパラメーターは、[ディメンション] が時間フィールドであり、[集約関数] で [間隔値] が選択された場合に使用できます。
- [最小値] は、間隔範囲の最小値を示します。 このパラメーターは、[集約定義] で [間隔範囲] が選択された場合に使用できます。
- [最大値] は、間隔範囲の最大値を示します。 このパラメーターは、[集約定義] で [間隔範囲] が選択された場合に使用できます。
- [NoData を無視] は、解析で欠損値を無視するか、解析の一部として見なすかを示します。
結果レイヤー
[結果レイヤー] グループには次のパラメーターがあります。
- [出力名] は、作成されマップに追加されるレイヤーの名前を決定します。 名前は一意でなければなりません。 組織内に同じ名前のレイヤーがすでに存在する場合、ツールは失敗し、別の名前を指定するよう求められます。
- [出力レイヤー タイプ] は、作成するラスター出力のタイプを指定します。 出力は、タイル イメージ レイヤーまたはダイナミック イメージ レイヤーのいずれかです。
- [フォルダーに保存] は、結果を保存する [マイ コンテンツ] 内のフォルダーの名前を指定します。
環境
解析環境設定は、ツールの結果に影響する追加パラメーターです。 ツールの解析環境設定には、[環境設定] パラメーター グループからアクセスできます。
このツールでは次の解析環境が適用されます。
- 出力座標系
- 処理範囲
注意:
Map Viewer のデフォルトの処理範囲は [全範囲] です。 このデフォルト値は、デフォルトで [現在のマップ範囲を使用] が有効になっている Map Viewer Classic とは異なります。
- スナップ対象ラスター
- セル サイズ
- リサンプリング方法
クレジット
このツールはクレジットを消費します。
このツールの実行に必要なクレジット数を計算するには、[クレジットの推定] を使用します。 詳細については、「空間解析のクレジットの概要」をご参照ください。
出力
出力は、ツールの設定に従って集約され、記述された新しいディメンションを持つ多次元イメージ レイヤーです。
使用法の要件
このツールには、次のライセンスと構成が必要です。
- Creator または GIS Professional ユーザー タイプ
- ArcGIS Image for ArcGIS Online
- 公開者、ファシリテーター、管理者ロール、またはそれと同等のカスタム ロール
リソース
詳細については、次のリソースをご参照ください。
- ArcGIS REST API の多次元ラスターの集約
- ArcGIS API for Python の aggregate_multidimensional_raster
- ArcGIS Pro の多次元ラスターの集約