ドット密度

ドット密度シンボルは、マップ上のポリゴンの属性の量を表す 1 つの方法です。 ドット密度シンボルを使用した場合、シンボル表示しているデータは分類されません。 代わりに、1 つ以上のフィールドの定量的な値が、ポイント シンボル (通常は塗りつぶされた円またはドット) の集合として各ポリゴン内に表示されます。 各ドットは、物または人、あるいは定量化できるその他の現象の定数を表します。 それらのドットは、複数のフィールドがレイヤー内で一緒にシンボル表示された場合でも、同じサイズになります。

自然なデータ分布を模倣するには、完全に透明なポリゴン シンボルとともにドット密度シンボルを使用して、米国の郡などのきめの細かいポリゴン データセットをシンボル表示することを試すことをお勧めします。 次に、このレイヤーを米国の州などのきめの粗いカテゴリ ポリゴン レイヤーにオーバーレイし、単一シンボル シンボルでシンボル表示します。 これによって、人々が実際に住んでいる場所を、代わりにドット密度シンボルがきめの粗い州ポリゴンに適用された場合よりも適切に示します。 次に例を示します。

ドット密度シンボルを使用して描画された米国の郡ごとの 2012 年の人口が米国の州の上に表示されている
ドット密度シンボルを使用してグレーで描画された米国の郡ごとの 2012 年の人口が、薄いオレンジ色で表示された米国の州の上に表示されています。

ドット密度をシーンの 3D カテゴリ内のレイヤーに適用することはできず、ドット密度シンボルを使用して描画されたレイヤーを 3D レイヤー カテゴリにドラッグすることはできません。 そのため、ドットのシンボル サイズに対して実世界の単位を指定することはできません。

ドット密度シンボル表示によるレイヤーの描画

ドット密度シンボル表示でポリゴン フィーチャ レイヤーを描画するには、次の手順に従います。

  1. [コンテンツ] ウィンドウでフィーチャ レイヤーを選択します。
  2. [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで、[シンボル] をクリックして [ドット密度] をクリックします。

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。

  3. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] タブ プライマリ シンボル で、マップ化する 1 つ以上の数値フィールドを選択します。
  4. ドット密度レイヤーの一部として表示されるフィールドごとにドットに色を割り当てる配色を選択します。 必要に応じて、フィールドごとにシンボルをクリックして変更します。

    [ポイント シンボルの書式設定] ウィンドウで設定したシンボルの形状および色のみが適用されます。 サイズは無視されます。 ドット サイズは、[シンボル] ウィンドウ内の [ドット サイズ] プロパティによって決定されます。

    注意:

    デフォルトでは、配色の色がすべてのシンボル クラスに適用されます。 シンボル クラスのサブセットにのみ配色を適用するには、テーブルで強調表示することで対象のクラスを選択します ([ラベル] 列をクリックしながら、ShiftCtrl を押したままシンボル クラスを選択します)。シンボル クラス行を選択した状態で、[シンボル] ウィンドウの上部にあるドロップダウン リストから配色を選択します。

    必要に応じて、[選択の解除] ボタン 選択解除 をクリックしてシンボル クラスの選択を解除します。

  5. 必要に応じて [ドット サイズ] および [ドット値] を変更し、データに適した密度および分布を達成します。
  6. 必要に応じて [背景] シンボルをクリックし、下にあるポリゴン フィーチャの表示に使用されるポリゴン シンボルの表示設定を変更します。

ヒント:

ドット シンボルを直接変更するには、[コンテンツ] ウィンドウでクリックするか、ドット シンボルを右クリックして、その色のみを変更します。 同じ方法で、[コンテンツ] ウィンドウから背景シンボルを直接変更することができます。

ドットの表示設定

ドット密度レイヤーを作成する際は [ドット サイズ][ドット値] を指定します。ドット値とは、1 つのドットが表すフィーチャ数のことです。 最適なパターンを表示するには、サイズと値の組み合わせをいくつか試してみる必要があるでしょう。 通常は、ドットが近すぎてパターンが判別しにくい塗りつぶしエリアになるのを防ぐために、あるいはドットが離れすぎて密度のバリエーションがわかりにくくならないように、値とサイズの組み合わせを選択する必要があります。 大半のケースでは、ドット密度マップを使用して 1 つのフィールドのみをマッピングします。 ただし、異なるタイプの分布を比較する、あるいは 2 つまたは 3 つのフィールドのマッピングが必要になるような特殊なケースもあります。

通常、ドット密度マップは、小さい塗りつぶされた円形のドットを使用します。 これは、ポイントの可視化が、密度および分布を表示することを目的としているためです。 別の形状 (任意のサポートされているポイント シンボル) を選択することができますが、ドットの密度および分布によっては、マップの視認性およびわかりやすさを損なう恐れがあります。 円形以外を形状を選択するための正当な理由があることを確認してください。

他のシンボル表示方法とは異なり、ドット密度シンボル表示におけるシンボルのサイズは、[ドット サイズ] プロパティを使用してドット密度シンボル表示方法によって設定されます。 ドットの色および形状をカスタマイズできますが、[ポイント シンボルの書式設定] ウィンドウで設定したサイズは無視され、ドット密度シンボル表示方法の [シンボル] ウィンドウ内の [ドット サイズ] プロパティによってオーバーライドされます。

シンボルは、ポリゴン フィーチャ内に分散されたポイント シンボルとして描画されます。 ポリゴンは、レイヤーのフィーチャ タイプのままです。 レイヤー内のフィーチャを選択または識別する場合、操作対象はポリゴンです。 個々のドットを選択したり、クエリしたりすることはできません。 ドットもポリゴンも、シンボル レイヤーの描画に含めることはできません。

密度と配置の維持

ドット密度シンボルを適用したときにレイヤーが表示される縮尺が、選択されるデフォルト値に影響を与えます。 これにより、ドットの妥当な密度を確保することができます。 その後、それらの値を変更することができます。 さまざまなドットの値およびドット サイズを試してみて、フィーチャの適切な密度を決定してください。 理想的には、ドットが最も密度の高いエリア以外で癒着しないようにします。 反対に、データ内の空間パターンを識別するのが難しいほどドットが小さくなったり、まばらになったりしないようにする必要があります。 拡大/縮小したときに、ポイントの位置は固定されたままになります。 他のシンボル表示方法と同様に、基準縮尺を使用して、シンボルの縮尺をジオメトリに対して相対的にします。

[ドット値を自動調整して密度を維持] をオンにし、縮尺の変化に伴ってドットの値を動的に変更する方法もあります。 ドット密度が正確になる縮尺を指定します。 その他すべての縮尺では、ドット配置を視覚的に均一に保って相対密度を維持するため、ドット値が動的に変わります。

[ドット配置] 見出しを展開し、シード値を設定または再生成します。 ドットはポリゴン全体にランダムに分布していますが、その場所は固定されています。 別のランダム分布を使用するには、[ドット配置の再生成] ボタン 更新 をクリックし、ランダムな [シード値] を新たに生成します。 同じデータ ソースにアクセスする 2 つのレイヤーまたは 2 つのマップ間で、ドット配置を一致させるには、片方のレイヤーまたはマップの [シード値] をメモして、もう片方のレイヤーまたはマップで同じ値を指定します。

注意:

ドット密度シンボルの効果は、各ポリゴンの相対的な視覚密度に依存しています。 そのため、ドット密度シンボルを含むマップには、等積の座標系を選択することが重要です。 面積を維持する投影法を選択することで、ポリゴン密度の視覚的な比較が有効になります。

背景ポリゴンの表示設定

ドットは、ポリゴン フィーチャ全体にランダムに、ただし均等に分散されます。 ポリゴンのシンボルを指定することもでき、ポリゴンのシンボルは、デフォルトではグレーのアウトラインを持つ中空 (透明) ポリゴンです。

複数のフィールドを指定して、属性間の比較を示すことができます。 下の例では、家を所有している人の数 (グレーで表示) が、家を借りている人の数 (濃いオレンジで表示) と比較されています。

2 つのフィールドによるドット密度シンボル表示
2 つのフィールドによるドット密度シンボルを表示します。 郡ごとの米国の人口が、家を所有している人の数 (グレーで表示) と家を借りている人の数 (濃いオレンジで表示) を比較して示されています。

凡例の表示設定

[シンボル][単位] に特定の単語を入力することで、ドット密度シンボルを定義する表現をカスタマイズできます。

デフォルトでは、[シンボル] は「ドット」として表されますが、「Square」、「Star」、「Cow」など、シンボルを表す用語を指定できます。 シンボル クラス ラベルで明確に示されている場合は、[単位] オプションは空白のまま残しておいてもかまいませんが、「生徒」、「牛」、「石油 1 バレル」など、シンボルが表すものを明示的に指定することもできます。

これらの用語を組み合わせると凡例の表現となり、[コンテンツ] ウィンドウやレイアウト凡例に記されます。たとえば、1 Square = 石油 100 バレルなどです。 なお、[ドット値を自動調整して密度を維持] がオンになっている場合、[プレビュー] に表示される数値と凡例に実際に示される数値が異なる場合もあります。

データの除外とマスキング

[高度なシンボル オプション] タブ 高度なシンボル オプション では、次の操作を実行できます。

  • [データの除外] を展開してクエリを定義し、シンボル スキーマからデータ値を除外し、必要に応じて除外する値の代替シンボルを定義します。
  • [マスク] を展開し、[コントロール レイヤー] の値を選択してドットを制限し、特定の領域のフィーチャをマスク (または特定の領域のフィーチャに制限) します。 たとえば、人口の点密度マップを作成するときに水域をコントロール レイヤーとして設定すると、湖や河川に人口のドットを配置するミスを防ぐことができます。