Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
分類の目的は、分析範囲内の各セルをクラスまたはカテゴリに割り当てることです。 クラスやカテゴリの例として、土地利用タイプ、クマの生息地域、および雪崩が起こりうる地域などがあります。
分類には、教師付きと教師なしの 2 種類があります。 教師付き分類では、フィーチャのサンプルを収集します。 たとえば、分析範囲の北西地域に針葉樹林があることが分かっている場合、その部分をマップ上で (1 つまたは複数の) ポリゴンで囲むことにより特定します。 小麦畑を囲む別のポリゴン、都市の建築物用のポリゴン、水域用のポリゴンを作成します。 クラスを表す十分な数のフィーチャを作成するまでこのプロセスを続行し、データ内のすべてのクラスを特定します。 フィーチャの各グループはクラスと見なされ、クラスを囲むポリゴンがトレーニング サンプルです。 トレーニング サンプルを指定すると、それらの多変量統計情報が計算され、クラス内、およびクラス間の関係が得られます。 統計情報はシグネチャ ファイルに保存されます。
教師なし分類では、指定位置に実際にあるフィーチャが不明です。ただし、個々の位置を指定数のグループまたはクラスターの 1 つに集約します。 各位置をどのクラスまたはクラスターに割り当てるかを決定する要件は、入力バンドで計算される多変量統計情報によって決まります。 各クラスターは、その内部にある各セルの各バンドの値に基づいて、他のクラスターとは統計的に区別されます。 クラスター定義を設定する統計情報は、シグネチャ ファイルに保存されます。
分類を実行するステップは、次の 4 つです。
- 入力データを作成して解析する。
- クラスとクラスターの解析用にシグネチャを作成する。
- 評価を行い、必要に応じてクラスとクラスターを編集する。
- 分類を実行する。
分類では、2 種類の入力タイプがあります。それは、解析を行う入力ラスター バンドと、位置を当てはめるクラスまたはクラスターです。 多変量解析で使用する入力ラスター バンドは、分類のカテゴリに影響する、または分類の根拠となるものである必要があります。 つまり、傾斜角、降雪量、および日射量は雪崩の可能性に影響するファクターになりますが、土壌タイプは影響を与えません。
クラスは、意味のある位置のグループに対応します。 クラスの例として、森林、水域、農業地域、および住宅地などがあります。 クラスターから得られるクラスには、シカの生息地や浸食の可能性などがあります。
各位置は、値のセットまたはベクトルで特性付けられ、各変数、または解析で入力されたバンドについて 1 つの値をとります。 各位置は、多次元属性空間内の 1 ポイントとして視覚化でき、その空間の軸は各入力バンドが表す変数に対応します。 クラスやクラスターは、この多次元属性空間におけるポイントのグループです。 2 つの位置の属性 (バンド値のベクトル) が似ている場合、その 2 つの位置は同じクラスまたはクラスターに属します。 マルチバンド ラスターと個々のシングル バンド ラスターは、多変量統計解析の入力として使用できます。
クラスをその属性値によって分離または区別できる場合は、既知のクラスに対応する位置が属性空間内でクラスターを形成できます。 属性空間内の自然なクラスターに対応する位置は、層の自然発生的なクラスと解釈できます。
多変量統計解析の参考文献
Campbell, James B. 1987. Introduction to Remote Sensing. The Guilford Press.
Jensen, John R. 1986. Introductory Digital Image Processing: A Remote Sensing Perspective. Prentice Hall.
Johnson, Richard A., and Dean W. Wichern. 1988. Applied Multivariate Statistical Analysis. Prentice Hall.
Mosteller, Frederick, and John W. Tukey. 1977. Data Analysis and Regression: A Second Course in Statistics. Addison–Wesley.
Richards, John A. 1986. Remote Sensing Digital Image Analysis: An Introduction. Springer-Verlag.