Geomorphon 地形 (Geomorphon Landforms) (Spatial Analyst)

サマリー

入力サーフェス ラスターの各セルの Geomorphon パターンを計算し、計算された Geomorphon を通常の地形タイプに分類します。

使用法

  • Geomorphon は、ターゲット セルの周囲のエリア内の標高差に基づいて地形を表現したものです。 合計 498 の独特な地形パターンは、平地、山頂、尾根、肩、山脚、斜面、窪地、麓部斜面、谷、くぼみという 10 の一般的な地形タイプに分類できます (Jasiewicz および Stepiski、2012)。

  • 主な出力は [出力地形ラスター] (Python では out_landforms_raster) パラメーター値です。 これは、ルックアップ テーブルを使用して Geomorphon を 10 の地形タイプに分類した結果を表すラスターです。 Geomorphon パターンはオプションの出力であり、[出力 Geomorphon ラスター] (Python では out_geomorphons_raster) パラメーター値を指定することで保存できます。 これは、Geomorphon パターンの一意の識別子を表すラスターです。 このラスターを使用すると、[出力地形ラスター] 値以外の地形に Geomorphon を分類できます。

  • ターゲット セルの周辺エリア (解析エリア) は、[検索距離] (Python では search_distance) および [スキップ距離] (Python では skip_distance) パラメーターによって決定されます。 これらのパラメーターは、ターゲット セルの Geomorphon パターンの計算に使用するエリアの半径を定義します。 [スキップ距離] パラメーターは、解析エリアが始まるターゲット セルからの距離を指定します。 [検索距離] パラメーターは、エリアがどこまで広がるかを指定します。 [スキップ距離] パラメーター値は [検索距離] パラメーター値より小さくなければなりません。

  • [検索距離] パラメーターに大きい値を使用すると、解析エリアが大きくなり、周辺のテレインについてより多くの情報が得られるので、ターゲット セルを大きな地形フィーチャの一部として分類する能力が向上する可能性があります。 同時に、値を大きくすると、小さな地形フィーチャが省略される可能性があります。 たとえば、解析エリアが小さい ([検索距離] の値が小さい) とセルは平地として分類される可能性がありますが、解析エリアが広い ([検索距離] の値が大きい) と谷に分類される可能性があります。 [検索距離] パラメーターの値を小さくすると、解析エリアが小さくなり、大きな地形フィーチャはより小さなフィーチャに分割され、それに応じて分類される可能性があります。

  • [スキップ距離] パラメーターに値を指定すると、ターゲット セルから離れたエリアに焦点が絞られ、より滑らかな分類済み地形ラスターが生成されます。 [スキップ距離] の値を指定しないと、Geomorphon パターンの識別時に解析エリアのすべての隣接セルが考慮されます。

  • [平らなテレインの角度の閾値] (Python では angle_threshold) パラメーターは、表示される周辺エリアが平地であると見なされる見通し線の角度の差を指定します。 [平らなテレインの角度の閾値] パラメーターの値を決定する際は、[入力サーフェス ラスター] パラメーターの値のセル サイズを考慮してください。 たとえば、セル サイズが大きい入力ラスターの場合、1 度の差は数メートルの標高差を意味します。 [平らなテレインの角度の閾値] パラメーターの値が大きいと、平地と識別されるエリアが多くなります。

  • [Z 単位] (Python では z_unit) の値を指定すると、Geomorphon パターンと地形分類の生成に使用される標高差と見通し線の角度が適切に計算されます。

    入力ラスターの鉛直座標系では、Z 単位が使用できる場合は自動的に適用されます。 入力サーフェス ラスターに Z 単位が存在しない場合は、入力ラスターに Z 単位を定義することをお勧めします。 Z 単位の指定には、[投影法の定義 (Define Projection)] ツールを使用できます。 鉛直座標が未定義の場合は、デフォルトでメートルが使用されます。 このツールは、各基本方向の見通し線の角度計算に基づいて、指定された Z 単位が正しくない場合に警告を生成します。 たとえば、DEM 標高値の単位がメートルであるのに [Z 単位] パラメーターにセンチメートルが指定されていると、テレインは平地と見なされ、地形が正しく分類されなくなります。

  • サーフェス ラスターの NoData セルは無視され、これらのセルは、[出力地形ラスター] および [出力 Geomorphon ラスター] パラメーターの値に NoData が割り当てられます。

  • 参考文献:

    • Jasiewicz, J and Stepinski, T. J., Geomorphons - a pattern recognition approach to classification and mapping of landforms, Geomorphology, 182, January 15, 2013: 147-56. https://doi.org/10.1016/j.geomorph.2012.11.005

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力サーフェス ラスター

入力サーフェス ラスター。

Raster Layer
出力 Geomorphon ラスター
(オプション)

各 Geomorphon パターンは一意の識別子を割り当てられ、識別子は出力 Geomorphon ラスターの各セルに格納されます。

出力は整数タイプです。

Raster Dataset
平らなテレインの角度の閾値
(オプション)

ターゲット セルが平地として分類される角度の閾値 (度)。

デフォルト値は 1 度です。 低解像度の DEM の場合は、デフォルトより大きい値を指定することをお勧めします。

Double
距離単位
(オプション)

[検索距離] および [スキップ距離] パラメーターで使用される距離単位を指定します。

距離は、指定された単位またはセル数で計測されます。 デフォルトは [セル] です。

  • セル距離単位はセルになります。
  • メートル距離単位はメートルになります。
  • センチメートル距離単位はセンチメートルになります。
  • キロメートル距離単位はキロメートルになります。
  • インチ距離単位はインチになります。
  • フィート距離単位はフィートになります。
  • ヤード距離単位はヤードになります。
  • マイル距離単位はメートルになります。
String
検索距離
(オプション)

Geomorphon パターンの識別に使用されるエリアの半径を定義する、ターゲット セルからの距離。

デフォルト値は 10 です。 分類する地形のタイプとサイズに一致する検索距離値を使用します。

Double
スキップ距離
(オプション)

解析エリアが始まるターゲット セルからの距離。 この距離内にある隣接セルはスキップされ、Geomorphon パターンの識別には使用されません。

各個別セルの分類は、ターゲット セルの中心からのスキップ距離内の隣接セルを評価することによって決定されます。

Double
Z 単位
(オプション)

鉛直方向の Z 値に使用する距離単位を指定します。

存在する場合は、鉛直座標系によって定義されます。 鉛直座標系が存在しない場合、正しい測地線の計算を実現するために、単位リストを使用して Z 単位を定義します。 デフォルトはメートルです。

  • インチ距離単位はインチになります。
  • フィート距離単位はフィートになります。
  • ヤード距離単位はヤードになります。
  • US マイル距離単位はマイルになります。
  • 海里距離単位は海里になります。
  • ミリメートル距離単位はミリメートルになります。
  • センチメートル距離単位はセンチメートルになります。
  • メートル距離単位はメートルになります。
  • キロメートル距離単位はキロメートルになります。
  • デシメートル距離単位はデシメートルになります。
String

戻り値

ラベル説明データ タイプ
出力地形ラスター

出力される分類済み地形ラスター。

出力は整数タイプです。

各値は特定の地形タイプに対応します。平地 - セル値 1、山頂 - セル値 2、尾根 - セル値 3、肩 - セル値 4、山脚 - セル値 5、斜面 - セル値 6、窪地 - セル値 7 、麓部斜面 - セル値 8、谷 - セル値 9、くぼみ - セル値 10。

Raster

GeomorphonLandforms(in_surface_raster, {out_geomorphons_raster}, {angle_threshold}, {distance_units}, {search_distance}, {skip_distance}, {z_unit})
名前説明データ タイプ
in_surface_raster

入力サーフェス ラスター。

Raster Layer
out_geomorphons_raster
(オプション)

各 Geomorphon パターンは一意の識別子を割り当てられ、識別子は出力 Geomorphon ラスターの各セルに格納されます。

出力は整数タイプです。

Raster Dataset
angle_threshold
(オプション)

ターゲット セルが平地として分類される角度の閾値 (度)。

デフォルト値は 1 度です。 低解像度の DEM の場合は、デフォルトより大きい値を指定することをお勧めします。

Double
distance_units
(オプション)

[検索距離] および [スキップ距離] パラメーターで使用される距離単位を指定します。

距離は、指定された単位またはセル数で計測されます。 デフォルトは [セル] です。

search_distance および skip_distance パラメーターで使用される距離単位を指定します。

距離は、指定された単位またはセル数で計測されます。 デフォルトは、CELLS です。

  • CELLS距離単位はセルになります。
  • METERS距離単位はメートルになります。
  • CENTIMETERS距離単位はセンチメートルになります。
  • KILOMETERS距離単位はキロメートルになります。
  • INCHES距離単位はインチになります。
  • FEET距離単位はフィートになります。
  • YARDS距離単位はヤードになります。
  • MILES距離単位はメートルになります。
String
search_distance
(オプション)

Geomorphon パターンの識別に使用されるエリアの半径を定義する、ターゲット セルからの距離。

デフォルト値は 10 です。 分類する地形のタイプとサイズに一致する検索距離値を使用します。

Double
skip_distance
(オプション)

解析エリアが始まるターゲット セルからの距離。 この距離内にある隣接セルはスキップされ、Geomorphon パターンの識別には使用されません。

各個別セルの分類は、ターゲット セルの中心からのスキップ距離内の隣接セルを評価することによって決定されます。

Double
z_unit
(オプション)

鉛直方向の Z 値に使用する距離単位を指定します。

存在する場合は、鉛直座標系によって定義されます。 鉛直座標系が存在しない場合、正しい測地線の計算を実現するために、単位リストを使用して Z 単位を定義します。 デフォルトはメートルです。

  • INCH距離単位はインチになります。
  • FOOT距離単位はフィートになります。
  • YARD距離単位はヤードになります。
  • MILE_US距離単位はマイルになります。
  • NAUTICAL_MILE距離単位は海里になります。
  • MILLIMETER距離単位はミリメートルになります。
  • CENTIMETER距離単位はセンチメートルになります。
  • METER距離単位はメートルになります。
  • KILOMETER距離単位はキロメートルになります。
  • DECIMETER距離単位はデシメートルになります。
String

戻り値

名前説明データ タイプ
out_landforms_raster

出力される分類済み地形ラスター。

出力は整数タイプです。

各値は特定の地形タイプに対応します。平地 - セル値 1、山頂 - セル値 2、尾根 - セル値 3、肩 - セル値 4、山脚 - セル値 5、斜面 - セル値 6、窪地 - セル値 7 、麓部斜面 - セル値 8、谷 - セル値 9、くぼみ - セル値 10。

Raster

コードのサンプル

GeomorphonLandforms の例 1 (Python ウィンドウ)

次のサンプルは、Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。

この例では、すべてのオプション パラメーターのデフォルト値を使用して、入力サーフェス ラスターから地形ラスターを生成します。

from arcpy.sa import *
outGeomorphonLandforms = GeomorphonLandforms("elevation_1m.tif", "", "", "", "", "", "")
outGeomorphonLandforms.save("C:/sapyexamples/output/outgeorphonlandforms01.tif")
GeomorphonLandforms の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のサンプルは、スタンドアロン Python スクリプトでこのツールを使用する方法を示しています。

この例では、ターゲット セルから 2 メートル以内のセルをスキップして、50 メートルの検索距離で計算された Geomorphon から分類された地形ラスターを生成します。

# Name: GeomorphonLandforms_standalone.py
# Description: Calculates geomorphons over a search distance of 50 meters, skipping cells within 2 meters
# of the target cell. Terrain is considered flat if the difference between elevation angles is less or equal to 2 degrees.
# The calculated geomorphons are classified into landforms and saved as a raster. 
# Requirements: Spatial Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy.sa import *

# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/sapyexamples/data"

# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")

# Set local variables
inRaster = "elevation_1m.tif"
inAngleThreshold = 2
inDistanceUnits = "METERS"
inSearchDistance = 50
inSkipDistance = 2
inZunit = "METER"

# Execute the tool
outGeomorphonLandforms = GeomorphonLandforms(inRaster, "", inAngleThreshold, inDistanceUnits,
                                         inSearchDistance, inSkipDistance, inZunit)

# Save the output 
outGeomorphonLandforms.save("C:/sapyexamples/output/outgeomorphonlandforms02.tif")

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