ArcGIS Mission Server の診断チェック

ArcGIS Mission Server に組み込まれた診断ツールを使用すると、コンピューターが最小システム要件を満たしているかどうか、およびソフトウェアが正常に機能しているかどうかを確認できます。 ツールの実行時に問題が発生した場合、ツールは問題の考えられる原因と解決策を示します。

ソフトウェアのインストールを開始すると、ツールが自動的に実行され、使用しているコンピューターが最小システム要件を満たしていることを確認します。 ツールが指摘した問題に対処してから、インストールを開始します。 インストール後に問題が発生した場合は、ツールをもう一度実行して問題を特定し、診断することができます。

ツールの実行

ArcGIS Mission Server をホストしているコンピューターでコマンド ラインから診断ツールを実行します。

1. ArcGIS Mission Server インストール ディレクトリを所有しているユーザーとしてターミナルを開きます。

   メモ:

   ツールを実行するには、インストールの所有者が、 ArcGIS Mission Server をホストしているコンピューターの /tmp ディレクトリへの読み取りと書き込み権限を持っている必要があります。

2. <ArcGIS Mission Server installation directory>/arcgis/missionserver/tools/ ディレクトリを参照します。
3. missionserverdiag を実行します。

診断結果の解釈

ツールを実行すると、実行されたすべてのサーバー診断チェックの概要を含むレポートが作成されます。 また、チェックで警告が表示されたかどうか、およびチェックが成功したか失敗したか、つまり、システムに適用できたかどうかが示されます。

各チェックは、DIAG<number> でフォーマットされたコードとその後に続く、実行されたチェックのステータスで識別されます。 各診断チェックの説明については、以下の表をご参照ください。 この情報を使用して、 ArcGIS Mission Server をホストしているコンピューターの現在の状態を解析できます。

チェック番号	チェックのタイトル	説明
DIAG001	64 ビット アーキテクチャのチェック	ArcGIS Mission Server は 64 ビット アーキテクチャのみでサポートされています。 コンピューターが 32 ビットの場合、チェックは失敗します。 サポートされているオペレーティング システムについては、「システム要件」をご参照ください。
DIAG002	OS バージョンのチェック	オペレーティング システムが、サポートされている Linux ディストリビューションまたはバージョン以外である場合は、警告が表示されます。 サポートされている Linux プラットフォームと OS バージョンについては、「システム要件」をご参照ください。 オペレーティング システムが、サポートされている Linux ディストリビューションではない場合、他のチェックは実行されません。
DIAG003	ホスト名の無効な文字のチェック	ArcGIS Mission Server コンピューターのホスト名に有効な文字は、RFC 952 仕様で説明されているように英数字 a-z、0-9、マイナス記号 (-)、およびピリオド (.) です。 ホスト名に 1 つ以上の無効な文字が含まれている場合、チェックは失敗します。
DIAG005	システムの制限のチェック	ArcGIS Mission Server が適切に機能するには、インストール ユーザーの最小ファイル ハンドルの制限が 65535 に設定されている必要があり、プロセス数の下限は 25059 に設定されている必要があります。 このチェックでは、/etc/security/limits.conf ファイルでこれらの制限が正しく設定されているかどうかを確認します。 制限の設定が低すぎる場合、このチェックは失敗します。 確認するには、以下のコマンドを実行します。 ulimit -Hn -Hu ulimit -Sn -Su
DIAG008	WebSocket ポートのチェック	ArcGIS Mission Server では、ポート 20300 および 20301 が WebSocket 接続に使用されます。 WebSocket ポートが別のユーザーまたはプロセスによって使用されている場合、このチェックで警告が返され、 ArcGIS Mission Server は正しく動作しません。 この問題を解決するには、ポート 20300 と 20301 が使用可能であることを確認し、 ArcGIS Mission Server を再起動します。
DIAG009	HTTPS ポートのチェック	ArcGIS Mission Server では、ポート 20443 が HTTPS 用に使用されます。 このチェックでは、これらのポートが別のユーザーまたはプロセスによって使用されてるかどうかを特定します。 このチェックで警告が返された場合、 ArcGIS Mission Server は正しく動作しません。 この問題を解決するには、ポート 20443 が使用可能であることを確認し、 ArcGIS Mission Server を再起動します。
DIAG020	ホスト名と IP アドレスの不一致のチェック	/etc/hosts ファイルにコンピューターのホスト名エントリが存在し、それがコンピューターの IP アドレスに一致しない場合、このチェックで警告が返されます。 この場合、 ArcGIS Mission Server は正しく機能しません。 この問題を解決するには、ホスト名を修正し、 ArcGIS Mission Server を再起動します。
DIAG024	/etc/hosts のホスト名エントリのチェック	/etc/hosts ファイル内のコンピューターのホスト名エントリの形式は、<IP> <FQDN> <Machine_name> に従う必要があります。 ホスト名エントリを更新してから、 ArcGIS Mission Server サイトを作成します。
DIAG026	ArcGIS Mission Server コア サービスのプロセスのチェック	このチェックでは、 ArcGIS Mission Server の起動後にすべてのコア サービスが開始されていることを確認します。 1 つ以上のコア サービスが開始されていない場合、警告が返されます。 この問題を解決するには、startmissionserver.sh スクリプトを実行して ArcGIS Mission Server を起動するか、またはすでに動作している場合は ArcGIS Mission Server を再起動します。