このトピックでは、IBM Cognos Business Intelligence が Microsoft IIS (インターネット インフォメーション サービス) 7.x または 8.x と一緒に動作するようにすでに設定されていると想定します。 環境内にある EM4C ゲートウェイの各コンピューター上で、次の手順を完了する必要があります。このとき、IIS コンピューター上の管理者グループの一員であるユーザーとして実行する必要があります。
注意:
このトピックの手順では、IBM Cognos が既定の Web サイトで動作し、IBM Cognos の仮想ディレクトリの名前が ibmcognos であると想定します。構成に合わせて、必要な場合は手順を変更します。
MIME タイプ
MIME (多目的インターネット メール拡張) タイプは、Web サーバーからブラウザーに送信されるコンテンツの種類を識別します。Esri Maps for IBM Cognos では次の MIME タイプが必要ですが、IIS のグローバル MIME タイプのデフォルト リストにすでに設定されています。
- application/octet-stream
- application/pdf
- application/x-javascript
- image/gif
- image/jpeg
- image/png
- image/svg+xml
- text/css
- text/html
- text/plain
- text/xml
アプリケーション プールの構成
Esri Maps for IBM Cognos の EM4C ゲートウェイ モジュールは、IIS 7.x または 8.x のアプリケーション プールのコンテキスト内で実行する必要があります。デフォルトのアプリケーション プールを使用するのが最も便利ですが、アプリケーション プールを追加定義することをお勧めします。
次の手順では、EM4CAppPool というアプリケーション プールを作成します。
- インターネット インフォメーション サービス マネージャーを開きます。
- [スタート] → [すべてのプログラム] → [アクセサリ] → [ファイル名を指定して実行] の順にクリックします。
- [名前] ボックスに「inetmgr」と入力して、[OK] をクリックします。
- <サーバー名> を展開します。
- [アプリケーション プール] を右クリックして、[アプリケーション プールの追加] を選択します。
- [アプリケーション プールの追加] ダイアログ ボックスに必要な詳細情報を入力します。
- [名前]: EM4CAppPool
- [.NET Framework のバージョン]: NET Framework v2.0.50727
- [マネージ パイプライン モード]: Integrated
- [アプリケーション プールを直ちに開始する]: オン
- [OK] をクリックします。
仮想ディレクトリの作成
Microsoft IIS は、仮想ディレクトリ ツリーを公開することで、クライアントにコンテンツを提供します。Esri Maps for IBM Cognos のコンテンツと IBM Cognos のコンテンツは、IBM Cognos の仮想ディレクトリのサブディレクトリとして提供する必要があります。
Esri Maps for IBM Cognos のコンテンツは、IBM Cognos のコンテンツと同じドメイン (およびポート) から提供する必要があります。次の手順は、em4c という仮想ディレクトリの作成方法の概要を示しています。これらのディレクトリ名は変更できません。変更した場合、Esri Maps for IBM Cognos が正常に機能しません。このトピックでは、IBM Cognos が既定の Web サイトで動作し、IBM Cognos の仮想ディレクトリの名前が ibmcognos(例: http://cognosserver/ibmcognos) であると想定します。
- インターネット インフォメーション サービス マネージャーを開きます。
- [スタート] → [すべてのプログラム] → [アクセサリ] → [ファイル名を指定して実行] の順にクリックします。
- [名前] ボックスに「inetmgr」と入力して、[OK] をクリックします。
- IIS マネージャーの左側のエクスプローラー ウィンドウで [サイト] を展開し、[既定の Web サイト] を展開します。
- ibmcognos 仮想ディレクトリを右クリックして、[仮想ディレクトリの追加] を選択します。
- [仮想ディレクトリの追加] ダイアログ ボックスに必要な詳細情報を入力します。
- [エイリアス]: em4c
- [物理パス]: <em4c_location>\webcontent
- [OK] をクリックします。
注意:
環境内で Windows 認証が有効になっている場合は、次の仮想ディレクトリ フォルダーで [匿名認証] が有効になっており、[Windows 認証] が無効になっていることを確認します。
- <em4c virtualdirectory>\emf\3.16\esri\
- <em4c virtualdirectory>\emf\3.16\esri-maps\
- <em4c virtualdirectory>\esrimap\
- <em4c virtualdirectory>\emf\3.16\esriMapsX\
cgi-bin 用アプリケーションの作成
cgi-bin 用の IIS アプリケーションを作成すると、EM4C ゲートウェイ モジュールが、IBM Cognos の Web サイト (既定の Web サイトなど) が動作しているアプリケーション プールにマップされます。
- IIS マネージャーの左側のウィンドウで、仮想ディレクトリが作成した em4c を検索します。
- em4c 仮想ディレクトリを右クリックして、[アプリケーションの追加] を選択します。
- [アプリケーションの追加] ダイアログ ボックスに必要な詳細情報を入力します。
- [エイリアス]: cgi-bin
- [アプリケーション プール]: EM4CAppPool
- [物理パス]: <em4c_location>\cgi-bin または <em4c_location>\cgi-bin-64bit
- [OK] をクリックして変更内容を保存します。
EM4C CGI ゲートウェイ用の IIS の構成
EM4C CGI ゲートウェイが動作するには、次の手順を実行する必要があります。
- IIS が実行をブロックしないように、許可されたエクステンションとして新しいモジュールを追加します (CGI の制限の設定)。
- EM4C CGI モジュールのリクエストを処理するモジュール マップを追加します。
- CGI アプリケーションのプロパティを構成します。
- 必要に応じて、匿名認証情報を設定します。
- ファイル アクセス権限を設定します。
これらの手順の詳細については、以降の各セクションをご参照ください。
CGI の制限の設定
IIS 7.x または 8.x のデフォルトのインストールには、CGI (Common Gateway Interface) の役割が含まれていません。次の手順を完了するには、はじめに CGI の役割サービスをインストールする必要があります。Windows Server 2008 では、これを実行するには、[サーバー マネージャー] → [役割] → [役割サービスの追加] の順に選択します。
- IIS マネージャーの左側の [接続] ウィンドウで、[<Web サーバー名>] を選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウの下側にある [機能ビュー] タブをクリックします。
- [ISAPI および CGI の制限] をダブルクリックします (IIS マネージャーの中央のウィンドウに制限の定義済みリストが表示されます)。
- 右上の [操作] ウィンドウで [追加] をクリックします。
- [ISAPI または CGI の制限の追加] ダイアログ ボックスに必要な詳細情報を入力します。
- [ISAPI または CGI パス]: <em4c_location>\cgi-bin\em4c.cgi または <em4c_location>\cgi-bin-64bit\em4c.cgi
注意:
em4c.cgi を参照する場合、.cgi はデフォルトの接尾辞ではないため、ファイル タイプを [すべてのファイル (*.*)] に変更します。
- [説明]: EM4C-CGI(例)
- [拡張パスの実行を許可する]: オン
- [ISAPI または CGI パス]: <em4c_location>\cgi-bin\em4c.cgi または <em4c_location>\cgi-bin-64bit\em4c.cgi
- [OK] をクリックします。
CGI 用のモジュール マップの追加
- IIS マネージャーの左側の [接続] ウィンドウで、[Default Web Site] → [ibmcognos] → [em4c] → [cgi-bin] の順にクリックします。
- 中央のウィンドウの下側にあるバーから、[機能ビュー] を選択します。
- 中央のウィンドウで [ハンドラー マッピング] をダブルクリックします。
- 右上の [操作] ウィンドウで [モジュール マップの追加] をクリックします。
- [モジュール マップの追加] ダイアログ ボックスに必要な詳細情報を入力します。
- [要求パス]: *.cgi
- [モジュール]: CgiModule(fastCGIModule はサポートされていません)
- [実行可能ファイル](オプション): <空白のまま>
- [名前]: EM4C-CGI
- [OK] をクリックします。
[ハンドラー マッピング] ページで、EM4C-CGI が [有効] として表示されます。
- 新しく作成された EM4C-CGI マッピングを選択して、右上の [操作] ウィンドウで [機能のアクセス許可の編集] をクリックします。
- [機能のアクセス許可の編集] ダイアログ ボックスで、[実行] チェックボックスをオンにして CGI の実行を有効化します。
- [OK] をクリックします。
CGI アプリケーションのプロパティの構成
- IIS マネージャーの左側の [接続] ウィンドウで、[Default Web Site] → [ibmcognos] → [em4c] → [cgi-bin] の順にクリックします。
- 中央のウィンドウの下側にあるバーから、[機能ビュー] を選択します。
- 中央のウィンドウで [CGI] をダブルクリックします。
- [偽装ユーザー] [createProcessAsUser] を [False] に設定します。
- 右上の [操作] ウィンドウで [適用] をクリックします。
- IIS マネージャーの [接続] ウィンドウで、IBM Cognos および Esri Maps for IBM Cognos が動作している Web サイトを選択します (例: [Default Web Site])。
- 右側の [操作] ウィンドウで、[Web サイトの管理] カテゴリにある [再起動] をクリックします。
- IIS マネージャーを閉じます。
匿名認証情報の設定
IIS 8.0 または 8.5 を構成している場合、cgi-bin アプリケーションに匿名認証情報を設定する必要があります。
- IIS マネージャーの左側の [接続] ウィンドウで、[Default Web Site] → [ibmcognos] → [em4c] → [cgi-bin] の順にクリックします。
- 中央のウィンドウの下側にあるバーから、[機能ビュー] を選択します。
- 中央のウィンドウで [認証] をダブルクリックします。
- [匿名認証] を右クリックして、[編集] をクリックします。
- [匿名認証情報の編集] ダイアログ ボックスで、匿名ユーザーの ID として [アプリケーション プール アイデンティティ] オプションを選択します。[OK] をクリックします。
- IIS マネージャーの [接続] ウィンドウで、IBM Cognos および Esri Maps for IBM Cognos が動作している Web サイトを選択します (例: [Default Web Site])。
- 右側の [操作] ウィンドウで、[Web サイトの管理] カテゴリにある [再起動] をクリックします。
- IIS マネージャーを閉じます。
ファイル アクセス権限の設定
EM4C のテクノロジでは、EM4C の temp ディレクトリのコンテンツに対して、読み取りおよび変更のためにアクセスする必要があります。これには、EM4CAppPool を実行している ID に特定のアクセス権限を付与する必要があります。EM4CAppPool が上記のように構成された場合、デフォルトの設定が使用されています。つまり、アプリケーション プールは IIS AppPool\ EM4CAppPool として動作しています。アプリケーション プールがこのアカウントとして動作していない場合 (たとえば、Network Service、Local System、Local Service などの内蔵アカウントを使用している場合や、特定のローカルまたはドメイン ユーザー ID として動作している場合)、必要に応じて次の手順を変更します。
- Windows エクスプローラーで、Esri Maps for IBM Cognos の temp ディレクトリを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
- [temp のプロパティ] ダイアログ ボックスで、[セキュリティ] タブをクリックします。
- [セキュリティ] タブで [編集] をクリックします。
- [temp のアクセス許可] ダイアログ ボックスで、[追加] をクリックします。
- [ユーザーまたはグループの選択] ダイアログ ボックスで [場所] をクリックします。
- [場所] ダイアログ ボックスで、<操作しているローカル サーバー> を選択して、[OK] をクリックします。
- [選択するオブジェクト名を入力してください] に「IIS AppPool\EM4CAppPool」と入力して、[名前の確認] をクリックします。
- [OK] をクリックして [ユーザーまたはグループの選択] ダイアログ ボックスを閉じます。
- [temp のアクセス許可] ダイアログ ボックスの [グループまたはユーザー名] 領域で [EM4CAppPool] を選択し、[アクセス許可: EM4CAppPool] 領域の [変更] の横にある [許可] をオンにします。
- [OK] をクリックして、[temp のアクセス許可] ダイアログ ボックスを閉じます。
- [OK] をクリックして [temp のプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
注意:
Windows 2008 の初期リリースの中には、この手順が説明どおりに実行できないものがあります。お使いの環境がそうである場合でも、アプリケーション プールの ID のアクセス制御リストを操作できます。コマンド プロンプト (cmd.exe) から管理者として次のコマンドを実行できます。temp ディレクトリの場所とアプリケーション プールの名前をお使いの環境に合わせて変更します。
ICACLS "C:\Program Files (x86)\EsriMaps\em4c\temp" /grant "IIS AppPool\EM4CAppPool":F /t