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Wi-Fi ベースの IPS の要件

ArcGIS IPS エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。

Bluetooth ビーコンベースの屋内測位の代わりに、Wi-Fi ベースの屋内測位を構成できます。 屋内環境内で少なくとも 1 つの Wi-Fi ネットワークがすでに利用可能であれば、一般的に、Wi-Fi ベースの屋内測位には追加の Wi-Fi アクセス ポイントなどの専用インフラストラクチャは必要ありません。

注意:

屋内空間の特性と Wi-Fi アクセス ポイントの分布によっては、定義されたすべての屋内測位エリアにおいて望ましい屋内測位パフォーマンスを実現するために、既存の Wi-Fi ネットワークの調整、修正、変更が必要となる場合があります。 ArcGIS IPS エキスパートに相談することをおすすめします。

ArcGIS IPS 測位エンジンでは、屋内の位置を推定するために Wi-Fi 信号を使用します。 青色のドットのインジケーターのパフォーマンスと精度は Bluetooth と Wi-Fi で似ていますが、それぞれの設定と構成のプロセスには大きな違いがあります。 たとえば、ArcGIS IPS ではサーベイなしの Wi-Fi 測位データの生成をサポートしていないため、Bluetooth 信号の代わりに Wi-Fi に依存する場合は ArcGIS IPS を有効にするために無線信号サーベイが必要になります。

各プラットフォームの Wi-Fi 屋内測位の設定と構成プロセスの違いについては、以下のセクションで詳しく説明します。

Android プラットフォームの Wi-Fi 屋内測位

Android プラットフォームでサーベイベースの方法を使用する場合、Bluetooth と Wi-Fi の有効化と設定のプロセスはほぼ同じです。 両方の方法で、サーベイを実施する前に [サーベイ無線タイプ] の設定を調整する必要があります。

注意:

IPS Setup のデフォルト構成では、無線サーベイ フェーズ中に Bluetooth 信号のスキャンが可能です。 Wi-Fi 信号をスキャンする場合は、マップ設定でこの構成を変更してください。

WiFi 設定

Wi-Fi ベースの屋内測位を使用するには、Android でデバイスの構成を変更する必要があります。 デフォルトのオペレーティング システム設定には、[Wi-Fi スキャニングの抑制] の制限が設けられています。これは、デバイスが実行できる Wi-Fi 信号のスキャン数を 120 秒ごとに 4 回に制限するものです。スキャンは連続して行うことも、時間枠の中で均等に分散して行うこともできます。 ArcGIS IPS エンジンは位置の計算を毎秒行うため、この制限によって信号のスキャンが十分に行えず、パフォーマンスの問題が発生します。 Wi-Fi 信号に依存する場合は、Android 開発者オプションを有効にして [Wi-Fi スキャニングの抑制] 設定を無効にし、十分なスキャニングと適切な ArcGIS IPS パフォーマンスを確保する必要があります。

開発者オプションで Wi-Fi スキャニングの抑制が無効になった状態

iOS プラットフォームの Wi-Fi 屋内測位

iOS プラットフォームでサーベイベースの方法を使用する場合、信号サーベイ (参照信号データの収集) に必要な Wi-Fi スキャニング機能を有効にするフェーズには Apple Indoor Survey アプリなどのサードパーティ ツールが必要です。

iOS で Wi-Fi ベースの ArcGIS IPS を有効にするには、ArcGIS IPSApple 屋内測位推定を解釈して Esri マップ上に青色のドットのインジケーターを表示する前に、Apple 屋内マップと対応する Wi-Fi ベースの屋内測位ソリューションを有効にする必要があります。 iOS デバイスで屋内測位を有効にするには、Apple Business Register に組織が存在する必要があります。 登録アカウントを作成したら、位置 (住所) と施設タイプを定義する前に屋内マップで有効にできます。

次に、施設の屋内マップを確認できるよう、IMDF (Indoor Mapping Data Format) データを送信します。 ArcGIS IPS ユーザーは、建物や施設を ArcGIS Indoors Information Modelでマッピングしていることが多いため、データを IMDF に変換する必要があります。 IMDF 形式に変換した ArcGIS Indoors マップ データは、IMDF Sandbox にインポートできます。これは、登録された IMDF の視覚化、アーカイブ検査、編集、実験のほか、重大なエラーの有無を検証するためのツールです。

大規模な公共および民間の屋内空間 (空港、病院、アリーナ、大学、プライベート オフィス空間など) を所有する組織では、組織を Indoors Maps Program に登録し、業界標準のツールを使用して ArcGIS Indoors データ モデルを変換し、IMDF Sandbox で屋内マップを検証し、Apple 屋内測位を有効にして、IPS (屋内測位システム) 対応の ArcGIS 製品やツール (ArcGIS IndoorsArcGIS Field Maps など) で屋内位置の推定を表示できます。

サンドボックスの確認で明らかになったエラーを修正するために数回やり直しをする必要がある場合は、IMDF アーカイブの確認を数回試行したり、反復が必要になる場合があります。 データ チェックは自動的に行われ、基本的な編集機能はサンドボックスで利用できるため、マップ ジオメトリや属性エラーが軽微であればその場で修正でき、データ変換を何度も繰り返すことがなくなります。

IMDF Sandbox によって屋内マップを検証および認証されると (最大で 48 時間かかることがあります。また、自動的に行われます)、信号サーベイのフェーズを開始できます。 信号サーベイを実行するには、Apple Indoor Survey アプリを使用します。 サーベイのワークフローは IPS Setup アプリと Apple Indoor Survey アプリとでは若干異なります。IPS Setup アプリでは、サーベイ パスを有効にするには計画が必要ですが、Apple Indoor Survey アプリでは、測量者がリアルタイムで訪問した場所をマップ上で定義および検証できます。

Apple Indoor Survey が完了すると、データは Indoor Survey アプリから直接アップロードされ、処理はその後に自動的に行われます (通常は最大で 24 時間かかります)。 処理が完了すると、Indoor Survey アプリは屋内測位をテストできることを表示します。 これはアプリ内で直接、または IPS Setup アプリで行えます。Apple 屋内測位は iOS デバイスの ArcGIS IPS 測位エンジンによって自動的に取得されます。