ArcGIS Indoors Spaces エクステンションで利用できます。
Indoor Floor Plan Editor には、出入り口、窓、階段、家具などのフィーチャをフロアプランに配置するためのデフォルト パレットが含まれています。 組織に追加のフィーチャがあるなら、それを Floor Plan Editor に配置するためのカスタム パレットを作成して公開できます。 Indoors のプロダクト データ ファイルに含まれている Palette.gdb のサンプル ジオデータベースを、ArcGIS Pro でカスタム パレット フィーチャを作成するためのテンプレートとして使用できます。 公開されたカスタム パレット フィーチャ サービスのフィーチャについて、独自のフィーチャ テンプレートを保持できます。 Floor Plan Editor のデフォルト パレットは 1984 Web メルカトル (球体補正) 投影法をサポートしていますが、カスタム パレットはカスタムの空間投影法をサポートできます。
カスタム パレットのフィーチャ構造
カスタム パレットは、テンプレート フィーチャを含む ArcGIS Pro のフィーチャ レイヤーを作成して共有することで作られます。 パレット レイヤーのフィーチャは、Floor Plan Editor にフィーチャを配置するため使用されます。 パレットからオブジェクトを配置すると、そのオブジェクトはフロア プランの詳細レイヤーのフィーチャとして挿入されます。 パレット フィーチャには、パレットから Floor Plan Editor にオブジェクトを配置するとき、スナップを支援するため、プライマリおよびセカンダリのアンカー ポイントが含まれています。
次の画像には、プライマリおよびセカンダリ アンカー ポイントについての詳細が含まれています:
要素 | 説明 |
---|---|
プライマリ アンカー ポイントは、Floor Plan Editor にオブジェクトを配置するときフィーチャをスナップするために使用されます。 | |
セカンダリ アンカー ポイントは、Floor Plan Editor にオブジェクトを配置するとき自動回転のため使用されます。 | |
パレット フィーチャ レイヤーのテンプレート フィーチャ このジオメトリは、Floor Plan Editor にオブジェクトを配置するとき、Details レイヤーのフィーチャとして挿入されます。 |
カスタム パレット レイヤーのスキーマ
カスタム パレットは、定義されたスキーマを持つフィーチャ レイヤーとして作成され、フィーチャ サービスとして共有されます。 パレット フィーチャ レイヤーの必須スキーマには、次のフィールドが含まれます。
フィールド名 | タイプ | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|
NAME | テキスト | Yes | パレット フィーチャの名前。 |
DESCRIPTION | テキスト | Yes | パレット フィーチャの短い説明、たとえば家具のブランドや出入口の寸法など。 |
FEATURE_TYPE | テキスト | Yes | パレットのフィーチャのタイプを定義します。 次に示すドメインは、許容される値と、それらが適用されるフィーチャのタイプを定義しています:
FEATURE_TYPE Floor Plan Editor で認識されるには、フィールドの値がドメインと一致している必要があります。 |
DETAIL_USE_TYPE | テキスト | Yes | フィーチャ タイプ値の追加の説明。 この値は、詳細フィーチャ レイヤーの USE_TYPE フィールドにも使用されます。 |
PRIMARY_ANCHOR_X | Double | Yes | パレット フィーチャのメイン アンカー ポイントの X 座標値。 このアンカー ポイントは、パレット フィーチャがはじめて Floor Plan Editor に配置されたときのスナップ ポイントを決定します。 |
PRIMARY_ANCHOR_Y | Double | Yes | パレット フィーチャのメイン アンカー ポイントの Y 座標値。 このアンカー ポイントは、パレット フィーチャがはじめて Floor Plan Editor に配置されたときのスナップ ポイントを決定します。 |
SECONDARY_ANCHOR_X | Double | Yes | パレット フィーチャのセカンダリ アンカー ポイントの X 座標値。 このアンカー ポイントは、パレット フィーチャがはじめて Floor Plan Editor に配置されたときのスナップ ポイントを決定します。 |
SECONDARY_ANCHOR_Y | Double | Yes | パレット フィーチャのセカンダリ アンカー ポイントの Y 座標値。 このアンカー ポイントは、パレット フィーチャがはじめて Floor Plan Editor に配置されたときのスナップ ポイントを決定します。 |
ArcGIS Pro でカスタム パレット フィーチャ レイヤーを作成して共有します。
ArcGIS Pro にカスタム パレットを作成するには、Indoors にインストールされているプロダクト データで提供されているサンプル パレットに、フィーチャを追加します。 カスタム パレットを作成するには、次のような高度な手順を実行します:
- Indoors のプロダクト データの Palette.gdb ジオデータベースから、サンプル パレット レイヤーを開きます。
- プライマリとセカンダリのアンカー ポイント レイヤーを作成します。
- パレット レイヤーに新しいフィーチャを作成し、関連するアンカー ポイントをアンカー ポイント レイヤーに作成します。
- 計算された X および Y 座標の値を、アンカー ポイント レイヤーからパレット レイヤーにコピーします。
- パレット レイヤーをエンタープライズ組織と共有します。
カスタム パレットにフィーチャを作成するときは、次のベスト プラクティスを考慮します。
- 新しいパレット フィーチャは、屋内データに近い地理的位置に作成します。 これにより、投影によるパレット フィーチャの歪みを避けることができます。
- パレット レイヤー内のすべてのパレット フィーチャを互いに近くに配置すると、歪みがさらに軽減されます。
- パレット フィーチャは、パレットに挿入されたときフロア プランに表示させるのと同じサイズで作成します。
- パレットを使用する際にフィーチャを配置しやすくするには、アンカー ポイント フィーチャ シンボルに明るい色を使用します。
次の手順を完了して、ArcGIS Pro にカスタム パレット フィーチャ レイヤーを作成し、Floor Plan Editor で使用できるよう ArcGIS Enterprise ポータルと共有します。
- Indoors のプロダクト データファイルをダウンロードし、SampleData フォルダーにある Palette.gdb ファイルを展開します。
- ArcGIS Pro を起動します。
- 必要に応じて、Enterprise ポータルにサイン インします。
- 新しいマップまたは既存のマップを開きます。
- [カタログ] ウィンドウを使用して、手順 1 で Indoors プロダクト データを展開した元の Palette.gdb ジオデータベースを参照します。
- Palette.gdb ジオデータベースから、WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) 投影法を使用しているフィーチャクラスを追加します。
データが WGS 1984 以外の空間参照の場合は、パレット フィーチャクラスが Web マップの座標系と一致するよう投影する必要があります。
- 必要なら、カスタム パレットで不要なフィーチャをサンプル パレットから削除してもかまいません。
- 必要なら、パレット レイヤーを目的の空間参照に投影します。
注意:
パレット レイヤーを新しい座標系に投影した後で、既存のパレット フィーチャのプライマリおよびセカンダリ アンカー ポイントのジオメトリを再計算する必要があります。
- プライマリ アンカー ポイントについてポイント フィーチャクラスを作成します。
- セカンダリ アンカー ポイントについてポイント フィーチャクラスを作成します。
- Floor Plan Editor でフロア プランに追加する詳細フィーチャを表す追加のパレット フィーチャを作成します。
注意:
最適な結果を得るには、パレット フィーチャを、マップの空間参照の原点に近い正の座標内に配置します。 これにより、パレット レイヤーのフィーチャをフロア プランに配置する際の歪みを避けることができます。
トゥルー カーブがパレット フィーチャに存在する場合、Floor Plan Editor で詳細レイヤーにフィーチャを挿入するときにパレット フィーチャを使用すると、トゥルー カーブ ジオメトリが単純化されます。
- プライマリおよびセカンダリ アンカー ポイント フィーチャクラスを使用して、パレット フィーチャにアンカー ポイントを配置します。
アンカー ポイントをプライマリおよびセカンダリ アンカー ポイント フィーチャクラスに作成し、ポリライン フィーチャクラスのパレット フィーチャに配置します。 パレット フィーチャに要求される対称性と、Floor Plan Editor を使用してパレット フィーチャを配置するときに既存のフィーチャにスナップする方法に基づいて、アンカー ポイントを配置します。
- すべてのアンカーポイントを配置した後で、プライマリおよびセカンダリ アンカー ポイント レイヤーのポイントの X 座標とポイントの Y 座標のジオメトリ属性を計算します。
- プライマリ アンカー ポイント レイヤーから計算された X 座標を、PRIMARY_ANCHOR_XPalette.gdb ジオデータベースから選択したポリライン パレット フィーチャ レイヤーの フィールドにコピーします。
プライマリ アンカー ポイント レイヤーの Y 座標と、セカンダリ アンカー ポイント レイヤーの X および Y 座標についても、この手順を繰り返します。
- 編集内容をパレット レイヤーに保存します。
- フィーチャ サービスとしてパレット レイヤーを共有します。
カスタマイズしたフィーチャ パレット レイヤーを、フィーチャ サービスとして Enterprise ポータルに共有します。 Floor Plan Editor の [アプリの設定] ウィンドウの [パレット] セクションでカスタム パレットを選択し、このパレットを使用して詳細レイヤーに新しいフィーチャを挿入できます。
ユーザーがパレット フィーチャにアクセスできるよう、パレット レイヤーの共有設定がアプリの共有設定と一致している必要があります。 ArcGIS Pro でフィーチャ サービスを編集することで、パレット フィーチャ サービスを公開後に更新できます。