ArcGIS Indoors Spaces エクステンションで利用できます。
Indoor Space Planner を使用すると、入室者を個別のスペースやアクティビティ ベースの作業エリアに割り当て、共用デスクやオフィスでのホテリングにおける作業エリアを定義することができます。 ArcGIS Enterprise を使用し、組織の要件に基づいたフロア対応 Web マップを共有できます。 Enterprise で Space Planner Web マップを共有するには、ブランチ バージョン対応を Enterprise ジオデータベースで設定し、公開時に編集可能な Web レイヤーのバージョン管理を有効にする必要があります。 この操作は、Space Planner アプリがスペース プラン管理をサポートするために必要です。
Space Planner アプリで使用するために、Space Planner マップを準備し ArcGIS 組織と共有する前に、ArcGIS Indoors Information Model に準拠するデータを作成する必要があります。 これには、Indoors データベースの作成と、Indoors ツールボックスのジオプロセシング ツールを使用したデータの読み込みが含まれます。
Indoors ジオデータベース ([Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールを使用して作成) には、Space Planner に必要なフィールド、属性、ドメインが含まれています。 スペース プランニング、ルート検索、ワークスペースの予約をサポートするために、Indoors ジオデータベースを使用して屋内 GIS を維持することをおすすめします。 [Indoor データセットの作成 (Create Indoor Dataset)] ツールを使用して Indoor データセットを作成した場合、Units フィーチャクラスに属性フィールドをさらに追加し、Areas テーブルを作成する必要があります。 Indoors ジオデータベースを使用する場合、それ以上の手順は必要ありません。
必須のレイヤー
Space Planner で使用される Web マップは、Indoors ジオデータベースに格納されている次のフィーチャクラスとスタンドアロン テーブルを持っている必要があります。
- 入室者フィーチャ - Indoors Model の Occupants フィーチャクラスに対応します。 このフィーチャクラスは、ArcGIS Pro 3.0 以降の Indoors データベースの作成ツールで作成され、入室者フィーチャの更新ツールを使用して入力されます。
- ユニット - Indoors Model の Units フィーチャクラスに対応します。
- レベル - Indoors Model の Levels フィーチャクラスに対応します。
- 施設 - Indoors Model の Facilities フィーチャクラスに対応します。
- Areas テーブル - Indoors Model のスタンドアロンの Areas テーブルに対応します。 [Indoor データセットの作成 (Create Indoors Dataset)] ツールを使用して作成された Indoor データセットを使用している場合、Areas テーブルを作成する必要があります。
注意:
Enterprise ポータルに対して共有している場合は、マップへの接続からデータを読み込む前に Enterprise ジオデータベース接続でブランチ バージョニングを有効にします。
オプションのレイヤー
Area Roles テーブルなどの追加のレイヤーをマップに含めて予約管理機能を有効にしたり、フィーチャ レイヤーを含めてアプリに視覚化を追加したりできます。
Area Roles テーブルの追加
Area Roles テーブルを含めた場合、Space Planner でオフィス ホテリングを構成するときに、必要に応じて 1 つ以上の予約担当を割り当てることができます。 予約担当は、Viewer および Indoors モバイルで、他の人のホテリングを予約したり予約を管理したりすることができます。 Occupants レイヤー、Units レイヤー、および Areas テーブルと同じフィーチャ サービスの一部として Area Roles テーブルを共有する必要があります。
Area Roles テーブルは、ArcGIS Pro 3.0 以降の [Indoors データベースの作成 (Create Indoors Database)] ツールで作成します。 ArcGIS Pro 2.9 以前で作成された Indoors ジオデータベースがある場合、空のジオデータベースにツールを実行して、Area Roles テーブルを Indoors ワークスペースにコピーできます。
視覚化のためのレイヤーの追加
必要に応じて、Details レイヤーを Space Planner マップに追加して視覚化をサポートできます。 このレイヤーは施設のリニア アセットのフットプリントを記述し、壁やドア、柱などのフィーチャが含まれています。
Space Planner のフィーチャにレイヤーをさらに追加すると、スペースの視覚化とスペース割り当てに役立ちます。 たとえば、出口、イベント、ゾーン用のレイヤーを追加できます。
注意:
Space Planner に必要なレイヤーから派生したマップ レイヤーを含める場合は注意してください。 たとえば、Units レイヤーのみが ASSIGNMENT_TYPE 属性を含み、Occupants レイヤーのみが AREA_ID 属性を含む必要があります。 Units レイヤーと Occupants レイヤーから派生したレイヤーはこれらの値を含まないことを確認してください。そうでないと Space Planner アプリがマップを正しく読み込めない可能性があります。
アサインメント タイプ フィールド値の計算
必要に応じて、Units レイヤー内のフィーチャの ASSIGNMENT_TYPE フィールド値を事前に計算して、Space Planner アプリで使用できます。これは手動で行うか、ArcGIS Pro で提供されているツールを使用してフィールドを計算することで実行できます。 後からアプリで Units フィーチャのアサインメント タイプを定義することもできます。
たとえば、次のように Units フィーチャの ASSIGNMENT_TYPE フィールド値を設定して、Space Planner アプリでプランニングを迅速にトラックできるようにします。
- Not Assignable - 台所、トイレ、納戸、通路部分など、スペースの割り当てとプランニングに使用すべきでないスペース。
- Hot Desk or Hotel - 短期間のアサインメントに使用できるスペース。 共用デスクまたはホテリングとして定義された Units フィーチャは、Space Planner アプリで [共用デスク] リストおよび [ホテリング] リストに表示されます。
- Office (または適切な別の名称) - 現在従業員に割り当てられている Units フィーチャ。
次に、従業員に割り当てられている Units に [Office] の ASSIGNMENT_TYPE フィールド値を設定するワークフローの例を示します。
- ArcGIS Pro で Space Planner マップを開きます。
- [コンテンツ] ウィンドウで Units レイヤーを右クリックし、[テーブルの結合とリレート] > [テーブル結合 (Add Join)] の順に選択します。
- [入力テーブル] ドロップダウン リストから [Units] を選択します。
- [入力結合フィールド] ドロップダウン リストから UNIT_ID を選択します。
- [結合テーブル] ドロップダウン リストから [Occupants] を選択します。
- [結合テーブル フィールド] ドロップダウン リストから UNIT_ID を選択します。
- [OK] をクリックして、結合を作成します。
- [マップ] タブの [選択] グループで、[属性条件で選択] をクリックします。
[属性条件で選択] ウィンドウが表示されます。
- [入力行] で、Units レイヤーを選択します。
- [選択タイプ] で、[新しい選択] を選択します。
- [新しい式] をクリックしてドロップダウン メニューから値を選択し、「Where occupant.UNIT_ID is not null」句を作成します。
- [OK] をクリックします。
マップ内で入室者が割り当てられているすべてのユニットが選択されます。
- [フィールド演算 (Calculate Field)] ツールを使用して、選択したユニットの ASSIGNMENT_TYPE フィールド値を「"office"」に設定します。
注意:
ツールを実行する前に [ドメインを設定] チェックボックスをオンにして、更新内容がフィールドの関連するコード付きドメインと一致するようにします。 コード付きドメインのいずれかの値とフィールド値が一致しない場合、マップのシンボルとアプリの機能でエラーが発生する場合があります。
これらの Units フィーチャに、Space Planner アプリの情報カード上の Office 名が含まれるようになります。
オプションのレイヤー
必要に応じて、Details レイヤーを Space Planner マップに追加して視覚化をサポートできます。 このレイヤーは施設のリニア アセットのフットプリントを記述し、壁やドア、柱などのフィーチャが含まれています。
Space Planner のフィーチャにレイヤーをさらに追加すると、スペースの視覚化とスペース割り当てに役立ちます。 たとえば、出口、イベント、ゾーン用のレイヤーを追加できます。
注意:
Space Planner に必要なレイヤーから派生したマップ レイヤーを含める場合は注意してください。 たとえば、Units レイヤーのみが ASSIGNMENT_TYPE 属性を含み、Occupants レイヤーのみが AREA_ID 属性を含む必要があります。 Units レイヤーと Occupants レイヤーから派生したレイヤーはこれらの値を含まないことを確認してください。そうでないと Space Planner アプリがマップを正しく読み込めない可能性があります。
Area Roles テーブルの追加
Area Roles テーブルを含めた場合、Space Planner でオフィス ホテリングを構成するときに、必要に応じて 1 つ以上の予約担当を割り当てることができます。 予約担当は、Indoor Viewer および Indoors モバイルで、他の人のホテリングを予約したり予約を管理したりすることができます。 Occupants レイヤー、Units レイヤー、および Areas テーブルと同じホスト フィーチャ レイヤーの一部として Area Roles テーブルを共有する必要があります。
ArcGIS Pro 3.0 より前にデータが作成された場合、Area Roles テーブルを含めるため、および追加の予約管理用に既存の Indoor データベースを更新できます。
Space Planner Web マップの作成
ArcGIS Pro で Enterprise ポータルと共有する Space Planner マップを準備している場合、データベース接続でブランチ バージョニングが有効になっている Enterprise ジオデータベースに ArcGIS Indoors ワークスペースを設定する必要があります。
ArcGIS Pro で、次のデータセットのバージョン対応登録も必要です。
- Occupants
- Units
- エリア
ヒント:
デフォルト バージョンが誤って編集されないよう、バージョン プロパティを変更します。
ArcGIS Pro で Space Planner マップを作成したら、複数の手順で Enterprise ポータルと共有して、Space Planner アプリで使用します。
Space Planner で使用するためのマップの準備
次の手順に従い、Space Planner で使用するための Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーを作成および準備します。
- ArcGIS Pro を起動します。
- 必要に応じて、Enterprise ポータルにサイン インします。
- Indoors ジオデータベースへの接続を含むプロジェクトを開きます。
データベース接続をバージョン対応登録し、ブランチ バージョン対応オプションをオンにしておく必要があります。
- 必要に応じて、[挿入] タブをクリックし、[新規マップ] ボタン
をクリックしてマップを作成します。
- 次のテーブルに挙げられたレイヤーを追加し、対応する推奨表示設定を行います。
Layer 必須 レイヤーの推奨表示設定 Occupants
はい
オン
Units
はい
オン
エリア
はい
適用不可 (スタンドアロン テーブル)
Area Roles
いいえ
適用不可 (スタンドアロン テーブル)
注意:
Areas テーブル、Area Role テーブル、および Occupants フィーチャクラスと Units フィーチャクラスを含むデータセットをブランチ バージョン対応登録する必要があります。
- 次のテーブルに挙げられたレイヤーを追加し、対応する推奨表示設定を行います。
Layer 必須 レイヤーの推奨表示設定 <カテゴリ ソース> レイヤー
いいえ
オフ
Events
いいえ
オフ
詳細
いいえ
オン
Levels
はい
オン
Facilities
はい
オン
注意:
これらのレイヤーのデータベース接続をバージョン対応登録する必要はありません。 Units および Occupants フィーチャクラスに使用したのと同じ接続を使用できますが、これは必須ではありません。
- 必要に応じて、レイヤーの表示縮尺範囲を設定します。
- レイヤーのシンボル プロパティを次のように設定します。
Units レイヤー
USE_TYPE 属性に従って設定します。
Occupants レイヤー
空のポイント シンボル (色やアウトラインがないポイント サイズ 1 のシンボル) を使用します。
Details レイヤー
USE_TYPE 属性に従って設定します。
<カテゴリ ソース> レイヤー
フィーチャ タイプを説明するフィールドに従って設定します。
Events レイヤー
空のポイント シンボル (色やアウトラインがないポイント サイズ 1 のシンボル) を使用します。
- Units レイヤー (NAME 属性)、Occupants レイヤー (KNOWNAS 属性)、および Space Planner アプリでラベリングするその他のフィーチャのラベリングをオンにします。
ラベルを構成して、アプリで使用中のオフィス ユニットには入室者の名前を表示し、使用していないオフィスにはユニット名を表示して、空室になっていてアプリ内で割り当てることができるオフィスを視覚的に識別できます。使用中のオフィスのユニット名ラベルを非表示にするには、次のように Units レイヤーにラベルを構成します。
- [コンテンツ] ウィンドウで Units レイヤーを右クリックし、[ラベリング プロパティ] をクリックします。
[ラベル クラス] ウィンドウが表示されます。
- [SQL クエリ] ボタン
をクリックして、[新しい式] をクリックします。
- 次の式を作成します。
Where Assignment Type is not equal to office
- [適用] をクリックします。
入室者ラベルは、隣接するユニットのラベルと重複することがあり、その結果、アプリ内のラベルが欠落することがあります。ラベルが重複しないようにするには、以下を実行することで Arcade 式を使用して入室者ラベルを改行します。
- [コンテンツ] ウィンドウで Occupants レイヤーを右クリックし、[ラベリング プロパティ] をクリックします。
[ラベル クラス] ウィンドウが表示されます。
- [ラベル式] ボタン
をクリックし、次の Arcade 式を作成します。
Replace($feature.KNOWNAS, ' ', TextFormatting.NewLine)
- [適用] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで Units レイヤーを右クリックし、[ラベリング プロパティ] をクリックします。
- Occupants レイヤーのレイヤー プロパティの表示フィールドを [KNOWNAS]、他のすべてのマップ レイヤーを [NAME] に設定します。
注意:
Space Planner アプリでは、情報カードのタイトルなど、アプリ内の特定のアイテムのラベル付けに表示フィールドの値を使用します。 これを ArcGIS Pro に設定することで、アプリ ユーザーの混乱を避けることができます。
- Occupants レイヤーと Units レイヤー、およびマップ上で識別する追加レイヤーのポップアップを有効にします。
ポップアップを構成することで、Space Planner アプリでフィーチャを操作できるようになります。これらのポップアップは重要で、Occupants フィーチャと Units フィーチャの情報カードに表示される内容を決定します。
- マップに [現在の XY] の座標系 (WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) など) が設定されていることを確認します。
注意:
地理座標系と投影座標系は、Space Planner でサポートされています。
- マップの名前を変更し、すべてのメタデータ フィールドを簡単に識別して入力できるようにします。
- マップの表示範囲を設定し、すべてのマップ データを表示します。
- Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベースマップをマップに追加します。
Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベクター タイル パッケージのベースマップを使用するようにベースマップを構成します。
- すべてのフィーチャ選択を解除します。
これで、Space Planner で使用する Web マップの構成と共有ができるようになりました。 これには、Units および Occupants フィーチャクラスと Areas テーブルを含むブランチ バージョン対応フィーチャ レイヤーを最初に共有し、ArcGIS Pro でマップ内のこれらのアイテムのデータ ソースを更新してから、Space Planner で使用する Web マップを共有することが含まれます。
注意:
Occupants レイヤーに影響するフィルターは、Web マップを共有する前にフィーチャ サービスまたはマップ レベルで適用する必要があります。
ベースマップの構成
ベースマップは屋内マップにおいて重要であり、周辺の背景情報や視点が詰まっています。 使用するベースマップを選択する際は、マップの縮尺に注意してください。 画像タイル ベースマップとは異なり、ベクター タイル ベースマップはサイズが小さく、高い詳細レベルをサポートしています。 次のワークフローでは、Indoors のベースマップを構成するために必要な手順を示します。
Esri がホストするベースマップの使用
ArcGIS Pro で、[マップ] タブの [レイヤー] グループにある [ベースマップ] ギャラリーからベースマップを追加できます。 アクティブなポータルの構成によって、ギャラリーには、デフォルトの Esri ベースマップ、組織のベースマップ ギャラリー グループで共有されたマップ、および ArcGIS Pro のプロジェクトに追加したベースマップを含めることができます。
マップに Esri ベクター ベースマップをさらに追加するには、次の手順に従います。
- 追加するベクター ベースマップの URL をコピーします。
- [レイヤー] グループの [データの追加] ドロップダウン矢印をクリックします。
- [パスからのデータ] オプションを選択します。
[パスからのデータの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。
- URL を貼り付けます。
- [追加] をクリックします。
Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップの使用
Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップを使用するには、次の手順に従います。
- カスタム ベースマップを作成します。
- [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを使用して、ベクター タイル パッケージを作成します。
[ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを実行する際は、以下の調整を行って屋内の詳細レベルをサポートし、タイルを 17 倍に縮小します。
- [ArcGIS Online | Bing Maps | Google マップ] チェックボックスをオフにします。
- [タイル スキーマ] パラメーターには、Indoors シンボル リソースに含まれている VectorBasemapTilingScheme.xml ファイルを選択します。
- Enterprise ポータルにベクター タイル パッケージを共有します。
- ブラウザーで Enterprise ポータルにサイン インし、ホスト レイヤーとしてベクター タイル パッケージを公開します。
- Enterprise ポータルのアイテムを ArcGIS Pro のマップに追加します。
ヒント:
ホスト タイル レイヤーの URL がわかっている場合は、[レイヤー] グループの [データの追加] ドロップダウン矢印をクリックして [パスからのデータ] を選択し、URL を [パスからのデータの追加] ダイアログ ボックスにコピーすることもできます。