Space Planner で使用するためのマップの準備

ArcGIS Enterprise (10.9)    |

Indoors エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。

Indoor Space Planner を使用すると、入室者を個別のスペースやアクティビティ ベースの作業エリアに割り当て、共用デスクやオフィスでのホテリングにおける作業エリアを定義することができます。

EnterpriseSpace Planner Web マップを共有するには、ブランチ バージョン対応Enterprise ジオデータベースで設定し、公開時に編集可能な Web レイヤーのバージョン管理を有効にする必要があります。 この操作は、Space Planner がスペース プラン管理をサポートするために必要です。

Space Planner マップを準備し、ArcGIS 組織で共有して Space Planner アプリで使用する前に、ArcGIS Indoors Information Model に準拠した Indoors データを作成する必要があります。 これには、Indoors データベースの作成、データベースへのデータの読み込み、(必要に応じて) Indoors ツールボックスのジオプロセシング ツールを使用した屋内ルート検索ネットワークの作成が含まれます。

必須のレイヤー

Space Planner Web マップで使用されるデータ レイヤーは、ArcGIS Indoors Information Model に準拠している必要があります。 Space Planner で使用される Web マップは、Indoors ジオデータベースに格納されている次のフィーチャクラスとスタンドアロン テーブルを持っている必要があります。

  • 入室者フィーチャ - Indoors ジオデータベースの Occupants フィーチャクラスに対応します。
  • ユニット - Indoors ジオデータベースの Units フィーチャクラスに対応します。
  • レベル - Indoors ジオデータベースの Levels レベル フィーチャクラスに対応します。
  • 施設 - Indoors ジオデータベースの Facilities フィーチャクラスに対応します。
  • エリア テーブル - Indoors ジオデータベースのスタンドアロン Areas テーブルに対応します。
注意:

  • [入室者フィーチャの生成 (Generate Occupant Features)] ツールを使用して、入室者フィーチャを作成します。
  • 台所、トイレ、納戸、通路部分など、スペースの割り当てとプランニングに使用すべきでないスペースについて、Units フィーチャの ASSIGNMENT_TYPE の値を [not assignable (割り当て不可)] に設定します。
  • Space Planner で使用できるよう、アクティビティに基づく作業割り当てをデータに事前設定して、プランニング タスクを迅速にトラックできるようにします。 たとえば、Units フィーチャを、割り当て可能スペースとしてホテリング オフィス エリアや共用デスク エリアにマッピングすることができます。 また、スペースにすでに割り当てられている入室者について情報を入力することもできます。 これはオプションで、後から Space Planner アプリで行うことができます。
  • ブランチ バージョニングを使用して Enterprise ポータルに対して共有している場合は、マップへの接続からデータを読み込む前に Enterprise ジオデータベースでブランチ バージョニングを有効にします。

Indoors ジオデータベースへのデータ読み込みの詳細

オプション データセット

Space Planner マップに Details レイヤーを追加することをお勧めします。 このレイヤーは、施設のリニア アセットのフットプリントを記述します。

Space Planner で、出口やイベントなどのフィーチャ用の追加レイヤーを含めることができます。 たとえば、出口用のレイヤーを追加するため、Indoors Model の PointsOfInterest フィーチャクラスから出口を抽出することができます。

注意:

これらのレイヤーに、適切なフィルター設定を適用します。 たとえば、[Places + Things] のレイヤーを追加している場合は、CATEGORY_TYPE="Places + Things" へのフィルター設定を更新します。

注意:

Space Planner に必要なレイヤーから派生したマップ レイヤーを含める場合は注意してください。 たとえば、Units レイヤーのみが ASSIGNMENT_TYPE 属性を含み、Occupants レイヤーのみが AREA_ID 属性を含む必要があります。 Units レイヤーと Occupants レイヤーから派生したレイヤーはこれらの値を含まないことを確認してください。そうでないと Space Planner アプリがマップを正しく読み込めない可能性があります。

Space Planner マップにデータセットを追加すると、視覚化とスペース割り当てワークフローにも役立ちます。 たとえば、Zones フィーチャクラスを使用して会社の敷地を追加し、マップ上にそれを表示することができます。

Enterprise バージョン対応フィーチャ レイヤーおよびベース データ

ArcGIS ProEnterprise ポータルと共有する Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーを準備している場合、データベース接続でブランチ バージョニングが有効になっている Enterprise ジオデータベースArcGIS Indoors ワークスペースを設定する必要があります。

ArcGIS Pro で、次のデータセットのバージョン対応登録も必要です。

  • Occupants
  • Units
  • Areas
ヒント:

デフォルト バージョンが誤って編集されないよう、バージョン プロパティを変更します。

データを共有して、Space Planner アプリで必要な Web マップを作成する方法は多数ありますが、次のように ArcGIS Pro で 2 つの Space Planner マップを用意し、Enterprise ポータルに共有して、ポータル上で新しい Web マップに合成する手順をお勧めします。

  • Units、Occupants、および Areas テーブルなどのブランチ バージョン対応フィーチャ レイヤー コンテンツを含む、Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤー マップ。
  • Levels、Facilities、および含めたいフィーチャがある追加レイヤー (Exits や Events など) を含む、残りのマップ レイヤー (「ベース」データ) が含まれる、Space Planner ベース データ マップ。
  • Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーと Space Planner ベース データ Web マップを ArcGIS Pro から Enterprise ポータルに共有した後、ポータルにログ オンし、ポータル マップ ビューアーで Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーと Space Planner ベース データ Web マップを結合し、すぐに使用可能な新しい Space Planner Web マップとして保存します。

EnterpriseSpace Planner Web マップを作成する場合、このプロセスが最も便利かつ直接的な方法です。

Space Planner で使用するバージョン対応フィーチャ レイヤーの準備

次の手順に従い、Space Planner で使用するための Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーを作成および準備します。

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. 必要に応じて、Enterprise ポータルにサイン インします。
  3. Indoors ジオデータベースへの接続を含むプロジェクトを開きます。 データベース接続をバージョン対応登録し、ブランチ バージョン対応オプションをオンにしておく必要があります。
  4. 必要に応じて、[挿入] タブをクリックし、[新規マップ] ボタン 新規マップ をクリックしてマップを作成します。
  5. 次のテーブルに挙げられたレイヤーを追加し、対応する推奨表示設定を行います。

    レイヤー必須レイヤーの推奨表示設定

    Occupants

    はい

    オン

    Units

    はい

    オン

    Areas

    はい

    適用不可 (スタンドアロン テーブル)

  6. 必要に応じて、レイヤーの表示縮尺範囲を設定します。
  7. 以下に従って、レイヤーのシンボル プロパティを設定します。

    Units レイヤー

    USE_TYPE 属性に従って設定します。

    Occupants レイヤー

    空のポイント シンボル (色やアウトラインがないサイズ 1 のシンボル) を使用します。

  8. Units レイヤー (NAME 属性) と Occupants レイヤー (KNOWNAS 属性) のラベリングをオンにします。
  9. Occupants レイヤーのレイヤー プロパティの表示フィールド[KNOWNAS]、他のすべてのマップ レイヤーを [NAME] に設定します。
    注意:

    Space Planner アプリでは、情報カードのタイトルなど、アプリ内の特定のアイテムのラベル付けに表示フィールドの値を使用します。 これを ArcGIS Pro に設定することで、アプリ ユーザーの混乱を避けることができます。

  10. Occupants レイヤーと Units レイヤーのポップアップを有効化します。
    注意:

    ポップアップを構成することで、Space Planner アプリでフィーチャを操作できるようになります。これらのポップアップは重要で、Occupants フィーチャと Units フィーチャの情報カードに表示される内容を決定します。

  11. マップに [現在の XY]座標系 (WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) など) が設定されていることを確認します。
  12. マップの名前を変更し、すべてのメタデータ フィールドを簡単に識別して入力できるようにします。
    注意:

    今後、これは Space Planner バージョン対応フィーチャ マップと呼ばれます。

  13. マップの表示範囲を設定し、すべてのマップ データを表示します。
  14. 有効にした場合は、マップのレンジ スライダーを無効にします。
    注意:

    これは重要な情報です。 レンジ スライダーを有効にすると、データが Indoors Web アプリに共有されるのを防ぐことができます。

  15. Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベースマップをマップに追加します。

    ベースマップを構成し、Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベクター タイル パッケージのベースマップを選択します。

  16. すべてのフィーチャ選択を解除します。

この Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤー マップは公開の準備ができており、Enterprise ポータルに対して Web フィーチャ レイヤーとして共有できます。 これで、Space Planner ベース データ マップを準備し、Space Planner ベース データ Web マップとして Enterprise ポータルに共有し、Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーと結合して Space Planner Web マップを作成する準備が整いました。

注意:

Space Planner マップのブランチ バージョン対応レイヤーを単一の Web レイヤーに結合して、フィーチャ レイヤーを管理することをお勧めします。

Space Planner ベース データ Web マップの準備

次の手順に従い、Space Planner での屋内スペースの視覚化に対応するマップを作成します。 これにより、計画の専門家が最も効率的で有用な空間プランを作成する際に重要な背景情報がが得られます。

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. 必要に応じて、Enterprise ポータルにサイン インします。
  3. Indoors ジオデータベースを含むプロジェクトを開きます。
    注意:

    ArcGIS ProSpace Planner ベース データ マップを作成する際、データベース接続をバージョン対応登録する必要はありません。 必要に応じて Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーと同じ接続を使用しても構いませんが、その必要はありません。

  4. 必要に応じて、[挿入] タブをクリックし、[新規マップ] ボタン 新規マップ をクリックしてマップを作成します。
  5. 次のテーブルに挙げられたレイヤーを追加し、対応する推奨表示設定を行います。

    レイヤー必須レイヤーの推奨表示設定

    <カテゴリ ソース> レイヤー

    いいえ

    オフ

    Events

    いいえ

    オフ

    Details

    いいえ

    オン

    Levels

    はい

    オン

    Facilities

    はい

    オン

  6. 必要に応じて、レイヤーの表示縮尺範囲を設定します。
  7. 以下に従って、レイヤーのシンボル プロパティを設定します。

    Details レイヤー

    USE_TYPE 属性に従って設定します。

    <カテゴリ ソース> レイヤー

    CATEGORY_SUBTYPE 属性に従って設定します。

    Events レイヤー

    空のポイント シンボル (色やアウトラインがないサイズ 1 のシンボル) を使用します。

    密集した範囲を含むカテゴリ レイヤーにシンボルを適用する場合は注意が必要です。 たとえば、オフィスはユニット ポリゴンの色でシンボル表示され、個別のポイント シンボルを含めることはできません。

  8. ラベルを必要とするフィーチャのラベリングをオンにします。
  9. すべてのマップ レイヤーのレイヤー プロパティの表示フィールド[NAME] に設定します。
    注意:

    Space Planner アプリでは、情報カードのタイトルなど、アプリ内の特定のアイテムのラベル付けに表示フィールドの値を使用します。 これを ArcGIS Pro に設定することで、アプリ ユーザーの混乱を避けることができます。

  10. マップ上で識別するレイヤーのポップアップを有効にします。

    ポップアップを構成することで、Space Planner アプリでフィーチャを操作できるようになります。この作業は、Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーでは非常に重要ですが、Space Planner ベース データ マップ レイヤーに対しても構成することができます。

  11. Space Planner ベース データ マップに [現在の XY]座標系 (WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) など) が設定されていることを確認します。
  12. マップの名前を変更し、すべてのメタデータ フィールドを簡単に識別して入力できるようにします。
    注意:

    今後、これは Space Planner ベース データ マップと呼ばれます。

  13. マップの表示範囲を設定し、すべてのマップ データを表示します。
  14. 有効にした場合は、マップのレンジ スライダーを無効にします。
    注意:

    これは重要な情報です。 レンジ スライダーを有効にすると、データが Indoors Web アプリに共有されるのを防ぐことができます。

  15. Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベースマップをマップに追加します。

    ベースマップを構成し、Esri がホストするベースマップまたはカスタム ベクター タイル パッケージのベースマップを選択します。

  16. すべてのフィーチャ選択を解除します。

これで、Space Planner ベース データ マップを Space Planner ベース データ Web マップとして Enterprise ポータルに公開および共有することができます。 ポータル マップ ビューアーで Space Planner Web マップを構成し、結果を新しい Space Planner Web マップとして保存する際、以前に準備した Space Planner バージョン対応フィーチャ レイヤーを、この Web マップに追加します。

ベースマップの構成

ベースマップは屋内マップにおいて重要であり、周辺の背景情報や視点が詰まっています。 大縮尺のためベクター ベースマップをお勧めします。 画像タイル ベースマップとは異なり、ベクター タイル ベースマップはサイズが小さく、高い詳細レベルをサポートしています。

組織のニーズに応じて、Esri がホストするいずれかのオンライン ベースマップ サービスを使用したり、カスタム ベースマップを作成したりできます。 次のセクションでは、Indoors のベースマップを構成するために必要な手順を示します。

Esri がホストするベースマップの使用

ArcGIS Pro で、[マップ] タブの [レイヤー] グループにある [ベースマップ] ギャラリーからベースマップを追加できます。 アクティブなポータルの構成によって、ギャラリーには、デフォルトの Esri ベースマップ、組織のギャラリー グループで共有されたマップ、および ArcGIS Pro のプロジェクトに追加したベースマップを含めることができます。

マップに Esri ベクター ベースマップをさらに追加するには、次の手順に従います。

  1. 追加するベクター ベースマップの URL をコピーします。
  2. [レイヤー] グループの [データの追加] ドロップダウン矢印をクリックします。
  3. [パスからのデータ] オプションを選択します。

    [パスからのデータの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

  4. URL を貼り付けます。
  5. [追加] をクリックします。

Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップの使用

Enterprise ポータルでホストされているカスタム ベースマップを使用するには、次の手順に従います。

  1. カスタム ベースマップを作成します。
  2. [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを使用して、ベクター タイル パッケージを作成します。

    [ベクター タイル パッケージの作成 (Create Vector Tile Package)] ツールを実行する際は、以下の調整を行って屋内の詳細レベルをサポートし、タイルを 17 倍に縮小します。

    1. [ArcGIS Online | Bing Maps | Google マップ] チェックボックスをオフにします。
    2. [タイル スキーマ] パラメーターには、Indoors シンボル リソースに含まれている VectorBasemapTilingScheme.xml ファイルを選択します。
  3. Enterprise ポータルにベクター タイル パッケージを共有します。
  4. ブラウザーで Enterprise ポータルにサイン インし、ホスト レイヤーとしてベクター タイル パッケージを公開します。
  5. Enterprise ポータルのアイテムを ArcGIS Pro のマップに追加します。
    ヒント:

    ホスト タイル レイヤーの URL がわかっている場合は、[レイヤー] グループの [データの追加] ドロップダウン矢印をクリックして [パスからのデータ] を選択し、URL をコピーして [パスからのデータの追加] ダイアログ ボックスに貼り付けることもできます。

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