モデラー

加重オーバーレイは、一種の適合性解析であり、複数の条件を満たした立地条件を解析できます。 加重オーバーレイ解析を使用すると、異なる複数の情報を組み合わせ、これらの情報に重みとランクを付けて視覚化することで、一度に複数のファクターを評価できます。 条件を満たしたエリアを特定して評価することにより、エリアにおける機会、リスク、および制限を検出できます。 加重オーバーレイ解析では、適合性モデルが生成されます。 適合性モデルは、「虫害の危険が最も高いのは、どのエリアですか?」や「商業開発に最適な場所は、どのエリアですか?」などの質問に対する答えを導き出すことができます。 このような質問に対する答えは、入力したデータとそのデータから定義した条件によって異なります。

GeoPlanner の加重オーバーレイでは、加重オーバーレイ サービスと呼ばれる特殊なタイプのイメージ レイヤーが使用されます。 これらのサービスは ArcGIS Server に公開され、ArcGIS Online にアイテムとして追加されます。 Esri が提供している加重オーバーレイ サービスもいくつかあり、ArcGIS Online でパブリックに利用できます。 これには、地球規模の範囲の生態学的データセットと地形学的データセットがあります。 これらのサービスのいくつかは、Esri で保持および更新されているため、常に最新のデータを使用して解析が実行されます。 GeoPlanner の加重オーバーレイ ウィジェットで作成された適合性モデルは、ホストされている ArcGIS Online イメージ サービス レイヤーです。 これらのサービスは加重オーバーレイ モデル サービス (略してモデル) と呼ばれています。

加重オーバーレイの理解

加重オーバーレイには、3 つの概念ステップがあります。 まず、ラスター レイヤーごとに解析での重みが (パーセンテージとして) 割り当てられます。 これにより、解析での各レイヤーの相対的な重要性を強調できるようになります。 次に、各ラスター レイヤー内の値が共通の適合性スケールにマッピングされます。 これにより、各ラスター レイヤー内のさまざまな情報を比較できるようになります。 最後に、解析に含まれるすべてのラスター レイヤーが重ね合わせて表示されます。 各ラスター セルの適合性の値にレイヤーの重みを掛けて求められた結果に、重ね合わせて表示される他のラスター セルの値が加算されます。 この結果は、出力ラスター レイヤーでシンボルとして使用される適合性の値です。

加重オーバーレイの例
上の図で、2 つの入力ラスターは、1 ~ 3 の適合性スケールに再分類されています。 各ラスターは、影響度で重み付けされています。 各セル値に重みを掛けて求められた結果が合計されて、出力ラスターを作成します。 たとえば、左上のセルで、入力されている 2 つの値はそれぞれ、(2 x 0.75) = 1.5 および (3 x 0.25) = 0.75 になります。 1.5 と 0.75 を合計すると、2.25 になります。 出力ラスター レイヤーは整数になるため、最終的な値は 2 に丸められます。

Esri が管理しているサービスを組織サイトに追加

現在、Esri では、パブリックに利用できる 2 つの加重オーバーレイ サービスを管理しています。 組織が ArcGIS Online にアクセスでき、ArcGIS Online 組織サイトを保有している場合は、これらのサービスをアイテムとして組織に追加することができます。 Esri が管理している加重オーバーレイ サービスをアイテムとして組織サイトに追加する詳細な手順を次に示します。

  1. コンテンツを作成できる権限を持つアカウントを使用して、組織サイトにサイン インします。
  2. [マイ コンテンツ] ページを開き、[アイテムの追加] をクリックして [Web 上] を選択します。
  3. [URL] フィールドに「https://utility.arcgis.com/usrsvcs/servers/24b7c7752170431a95719323a9e71a5e/rest/services/WRO_World_Ecophysiographic_Data/ImageServer」と入力します。 [タイトル] フィールドは、WRO_World_Ecophysiographic_Data を使用して自動的に設定されます。
  4. [タグ] フィールドに、「weightedOverlayService」と入力します。
  5. [アイテムの追加] をクリックします。
  6. 該当するアイテムのページで、[共有] をクリックします。
  7. [共有] ダイアログ ボックスで、1 つのグループ、複数のグループ、または組織サイトのチェックボックスをオンにして、そのアイテムを共有します。 [OK] をクリックします。
  8. 手順 2 ~ 7 を繰り返し、URL として http://landscape3.arcgis.com/arcgis/rest/services/Landscape_Modeler/USA_Weighted_Overlay/ImageServer を使用します。
  9. 注意:

    このサービスは、セキュリティで保護された URL です。 有効な ArcGIS Online 認証情報を入力して、アイテムとして組織サイトに追加し、GeoPlanner での解析に使用する必要があります。

GeoPlanner の加重オーバーレイ

GeoPlanner の加重オーバーレイにアクセスするには、[検索] オプションの [モデラー] ツールを使用します。 [モデラー] ツールをクリックすると、ドロップダウン リストが表示されます。 新しいモデルを作成するか、既存の加重オーバーレイ モデルを [コンテンツ] ウィンドウから [モデラー] ウィジェットに読み込むかを選択できます。 新しいモデルを作成する場合は、加重オーバーレイ サービスのブラウザーが表示されます。 このブラウザーには、ArcGIS Online で使用できるすべての加重オーバーレイ サービスのリストが示されています。 これらのサービスに含まれるレイヤーを使用して、加重オーバーレイ解析を実行します。

GeoPlanner の [モデラー] ツール
  1. アプリケーション ツールバーで、[検索] をクリックし、[モデラー] をクリックします。
  2. ドロップダウン メニューで、[新規モデル] を選択します。
  3. [新しい加重オーバーレイ モデル] ウィジェットで、サービスのリストをスクロールします。 加重オーバーレイ解析に使用するサービスで [選択] をクリックします。
  4. レイヤーのリストを下にスクロールして、解析に含めるレイヤーをオンにします。 最大 15 のレイヤーを選択できます。
  5. [モデルの設計] をクリックします。
  6. 各レイヤーに解析での相対的な重要性を割り当てるには、パーセンテージを [%] テキスト ボックスに入力します。

    パーセンテージの合計が 100 になってから、解析を実行する必要があります。

  7. 必要に応じて、各レイヤーを展開して、そのレイヤーのクラス ウェイトを調整します。 クラス ウェイトは、適合性スケールにマッピングされるレイヤー内の値です。 たとえば、水源までの距離のクラス ウェイトが 0 ~ 1609 であり、このレイヤーが適合性の値 9 にマッピングされているとします。 これは、水源までの距離レイヤー内の 0 ~ 1609 の値が解析で 9 (高) と見なされることを意味します。 この解釈は、条件に応じて異なります。 たとえば、洪水の危険性のあるエリアを特定する場合に、洪水の危険性が高いエリアが値 9 で表されるとします。 これにもかかわらず、新興住宅地の開発に適した用地を決める際に、値 9 が適合性の高いエリアを示す場合があります。
  8. 必要に応じて、右上にあるドロップダウン メニューを使用して、設計モデルのカラー ランプを変更します。
  9. [保存] をクリックします。
  10. [モデルの保存] ダイアログ ボックスで、モデルの名前を入力して [保存] をクリックします。

    [モデルの保存] ダイアログ ボックスが閉じます。 該当するモデルが ArcGIS Online で処理され、イメージ レイヤーとしてアプリケーションに返されます。

加重オーバーレイ モデルは、用地の適合性ファクターを視覚化して解析する効果的な手段です。 モデル内の陰影に基づいて、機会のあるエリアとリスクのあるエリアを特定し、この情報を GeoPlanner ダッシュボード チャートへのリアルタイムのフィードバックに使用できます。 これらのチャートは、デザイン レイヤーまたはその他のフィーチャ レイヤーがどのように評価レイヤーと重ね合わせて表示されるかを示します。 この図では、設計と計画における適合性やリスクを把握できます。