ドキュメント モデルの追加 (ベータ版)

新しい [ドキュメント モデルの追加] ツールは、Revit および IFC モデルの簡素化された軽量の 3D 視覚的表現を作成して、Web シーンの高速読み込みを可能にします。 これらの 3D モデルには、同期されたメタデータと、Autodesk Construction Cloud (ACC) および BIM 360 にあるライブ モデルへのリンクが含まれます。

注意:

この機能では、ArcGIS の 3D オブジェクト フィーチャ レイヤー テクノロジーを使用します。 詳細については、「3D オブジェクト フィーチャクラスの概要」をご参照ください。

使用例

このツールは、次のようなさまざまな AEC タスクに対する迅速なソリューションを提供します。

  • 最新の竣工図または最新の設計に基づいた洪水シミュレーション。
  • 建設現場のカメラの見通し線最適化。
  • ArcGIS Field Maps を使用した安全基準違反の特定およびドキュメント化。
  • 生態学的に脆弱なエリア (樹木の根鉢と建設予定の間の対立) での輸送用の退出地点。

ツールの選択

GIS データを操作する場合は、プロジェクトの座標系を慎重に選択する必要があります。 Autodesk Revit および IFC ファイルから簡素化された 3D モデルを作成するには、プロジェクト エリアからベースマップと標高サービスが得られない場合に備えて、World Geodetic System 1984 (WGS84 - EPSG 4326) 座標系を使用して ArcGIS GeoBIM プロジェクトを作成することをおすすめします。 プロジェクトの座標系として WGS84 を選択すると、Esri の World Elevation Service がプロジェクトの Web シーンで使用されます。

  1. [ドキュメント モデルの追加] ツール ドキュメント モデルの追加ツール アイコン を選択します。

    注意:

    [ドキュメント範囲の追加] ツールもデフォルトで実行されます。 2D 範囲は、地表上の正確な位置で 3D モデルをジオリファレンスするための主要な入力です。

    BIM プロジェクト内のモデルの数と複雑さによっては、[ドキュメント モデルの追加] ツールが処理を完了するまでに数時間かかることがあります。

出力

WGS84 座標系を使用して [ドキュメント モデルの追加] ツールを実行すると、次に示す 3 つの追加のアイテムがユーザーのコンテンツに作成されます。

  1. WGS84 緯度経度ホスト 3D オブジェクト フィーチャ レイヤー - ユーザーのシーン レイヤーに関連付けられたフィーチャ レイヤーで、シーン レイヤーの属性データを維持します。 このフィーチャ レイヤーの名前は {ユーザーの GeoBIM プロジェクト名}_3D になります。
  2. WGS84 緯度経度ホスト シーン レイヤー - このシーン レイヤーの名前は {ユーザーの GeoBIM プロジェクト名}_3D になります。 このレイヤーは、レイヤー名の [モデル] としてプロジェクトの Web シーンに追加されます。
  3. Web メルカトル プロジェクト グローバル Web シーン - この Web シーンは、{ユーザーの GeoBIM プロジェクト名} Project Scene という名前で生成されます。 この Web シーンには、すべての ArcGIS GeoBIM 2D プロジェクト レイヤーと上記で作成された 3D シーン レイヤーが含まれます。 プロジェクトの座標系が WGS84 (EPSG 4326) の場合、そのシーンでは Esri の World Elevation Service (テレイン 3D) が使用され、すべてのモデルがその標高に合わせて配置されます。

この構成 (WGS84 データと Web メルカトル グルーバル Web シーン) では、正確なモデルの配置とディメンション間の最適なバランスが実現されると同時に、モデルが地表を基準に正確な標高で表示されるように、使いやすい標高レイヤーが表示されます。

投影座標系 (ローカル UTM、ランベルト正角円錐図法、その他の座標系) の標高レイヤーがある場合は、その投影座標系を使用して ArcGIS GeoBIM プロジェクトを作成し、[ドキュメント モデルの追加] ツールを使用して 3D モデルを作成できます。 これを行うには、Scene Viewer を使用して適切な標高レイヤーをプロジェクトまたはアプリのシーンに追加する必要があります。

注意:

ArcGIS Pro を使用して新しい標高レイヤーを作成する方法の詳細については、「Web 標高レイヤーの共有」をご参照ください。

目的の座標系の標高レイヤーがない場合、[ドキュメント モデルの追加] ツールの使用は避けることをおすすめします。 作成したモデルは、Revit または IFC モデルに従って地表を基準に、指定した標高でフローティング表示されます。

パブリックに使用可能な多数のレイヤーがあり、それらを ArcGIS Online または ArcGIS Living Atlas でベースマップとして使用できます。 ArcGIS GeoBIM でカスタム ベースマップを使用する方法の詳細については、「カスタム ベースマップ ギャラリーの作成」をご参照ください。 すべてのレイヤーにスタイル設定が十分に適用されている場合でも、プロジェクトの Web シーンをカスタマイズできます。 詳細については、「3D オブジェクト レイヤーのスタイル設定」をご参照ください。

3D モデルにおける更新と置換の仕組み

このツールは、モデルの更新が頻繁に実行される初期のプロジェクト段階で特に役立ちます。 以下に、変更がどのようにして検出および適用されるかの概要を示します。

  1. 開始: [ドキュメント モデルの追加] を実行します。
  2. 判断ポイント: これは初めての実行ですか?
    • はい: すべてを同期します。
    • いいえ: 変更が検出されたかどうか確認します。
      • 変更が検出されない: 3D 処理は不要です。
      • 変更が検出された: 変更されたモデルとフォルダーのみを処理します。

変更を検出するための条件:

  • 名前またはバージョンの変更。
  • ACC または BIM 360 での BIM モデルまたはフォルダーの削除。
  • ArcGIS GeoBIM でのフォルダーの新規選択。
  • ArcGIS GeoBIM でのフォルダーの選択解除。

変更されたモデル/フォルダーの処理時のアクションと出力:

  • 新しいバージョンを再処理してもう一度追加。
  • ACC または BIM 360 で削除されたドキュメントまたはフォルダーからモデルを削除。
  • 新しく選択したフォルダーからモデルを追加。
  • 選択解除されたフォルダーからモデルを削除。

制限事項

このツールには、次のようないくつかの制限があります。

  • ArcGIS GeoBIM プロジェクトの Web シーンが Scene Viewer で開かれると、構成が不完全なため、ランタイム エラー (Web シーンがスキーマに対して有効ではありません) が表示されます。 これに対処するには、次の手順を実行します。
    • エラー メッセージを無視して閉じます。 Web シーンをそのまま保存します。 エラー メッセージは次回から表示されません。
  • プロジェクトの Web シーンが ArcGIS GeoBIM アプリに追加された場合、[コピーに保存] オプションのみが利用できます。 これを選択すると、新しい Web シーンが保存されます。 プロジェクトの Web シーンをアプリに追加したときに ArcGIS GeoBIM[保存] オプションを表示するには、次の手順を実行します。
    • Scene ViewerArcGIS GeoBIM プロジェクトの Web シーンを開いて保存します。 これにより、スキーマが修正され、ArcGIS GeoBIM[保存] オプションを使用してプロジェクトの Web シーンを保存できるようになります。
  • 現在サポートされている形式は IFC と RVT のみです。