測地基準系変換の指定

水平オフセットと垂直オフセットは、座標系の測地基準系が異なる Drone2Map プロジェクトを処理する場合に最もよくある問題の 1 つです。 一般に、出力プロダクトが標高サーフェスを基準として大幅に高い位置に表示されている場合、最も考えられる原因としては GPS が不正確であることが挙げられます。 ただし、異なる測地基準系から座標系を定義し、不正確な変換を使用している場合も、同じ問題が発生する可能性があります。

Drone2Map プロジェクトは空中三角測量 (AT) を使用して隣接する画像の位置を合わせて、3 次元空間における画像の位置を決定します。 Drone2Map での AT プロセスは、調整ステップを実行する前に座標系を正しく定義していることを前提としています。 通常、ドローン画像は WGS 84EGM 96 などの非常に一般的な水平座標系と鉛直座標系でキャプチャされ、これは画像座標系です。 調整ステップ中に、AT プロセスから調整画像に対して投影が行われてプロダクトが生成され、これには投影座標系が使用されます。 変換が必要であり、サポートされている変換が見つかった場合、出力プロダクトは定義済みの座標系に自動的に変換されます。

測地基準系間で変換する際、水平座標系と鉛直座標系の両方が考慮される必要があります。 たとえば、水平座標系と鉛直座標系の両方で WGS 84 にキャプチャされた画像から始めて、出力鉛直座標系を代わりに NAVD 88 にする場合、水平座標系も変換する必要があります。 NAVD 88 は北米測地基準系 (NAD) から派生しています。 NAD と WGS は異なる方法で地球を参照するため、特定の座標系に間違った測地基準系を使用した場合、データにオフセットが生じることがあります。 使用したい座標系の派生元の測地基準系を理解しておくことが重要です。 鉛直座標系の機能の詳細については、「鉛直座標系」をご参照ください。

プロジェクト オプションからの変換の適用

プロジェクトで調整ステップがまだ実行されていない間は、使用されている画像や投影座標系を自由に変更したり、プロジェクト オプション ウィンドウから変換を定義したりすることができます。

変換は、変換の精度とデータの場所の適合性によって分類表示されています。 変換が複数の手順で構成される場合は、それぞれの手順が記載されます。 デフォルトでは、データの精度と範囲に基づいた最適な変換がプロジェクト処理オプション ドロップダウンで自動的に選択されていますが、必要に応じて別の変換を指定することもできます。 たとえば、WGS 84 から NAVD 88 にデータを変換する場合、好みに応じて異なるジオイドを選択できます。

プロジェクトで使用される変換を変更するには、次の手順に従います。

  1. [ホーム] タブの処理グループで、[オプション] ボタンをクリックします。
  2. [座標系] タブをクリックします。
  3. [変換の選択] ドロップダウンを使用して新しい変換を選択します。

    変換が不要な場合、「測地基準系変換は必要ありません」というメッセージが表示され、ドロップダウンはロックされます。

    変換が見つからなかった場合、メッセージが表示され、ArcGIS Coordinate System Data をインストールして選択可能な変換オプションを拡張するよう推奨されます。 変換が必要な場合に変換を定義しないで処理しようとすると、処理を確認するダイアログ ボックスが開き、正しい結果が得られない可能性があることが通知されます。

    ArcGIS Coordinate System Data がインストールされていても変換が見つからなかった場合、この旨を通知するメッセージが表示されます。

  4. [OK] をクリックします。

マップへの変換の適用

[マップ プロパティ] ダイアログ ボックスの [変換] タブには、レイヤーの地理座標系および鉛直座標系とマップの現在の地理座標系および鉛直座標系が一覧表示されます。

注意:

マップ変換の変更はリアルタイムで実行され、データが変更されたり出力プロダクトに適用されたりすることはありません。 出力プロダクトを変換する必要がある場合、処理オプションで定義する必要があります。

座標変換方法の下にリストされるパラメーターは、座標変換によって使用される方法に応じて異なります。 [精度][使用するエリア] などの一部の詳細情報は、ArcGIS Drone2Map とともにインストールされた座標変換や、ArcGIS Coordinate System Data でしか使用できません。

適用された変換をマップに表示する、または別の変換を選択するには、次の手順に従います。

  1. [コンテンツ] ウィンドウでマップまたはシーンを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。 [マップ プロパティ] ダイアログ ボックスで、[変換] タブをクリックします。
  2. [レイヤーとマップ] セクションで、テーブルに中央列にある変換の名前をクリックしてメニューを開き、別の変換を選択します。 マップのレイヤーが使用するその他の座標系に対して、必要に応じて、この手順を繰り返します。

    レイヤーとマップの地理座標系が同じ場合、変換は必要ありません。

  3. 必要に応じて [詳細] リンクをクリックすると、[座標変換の詳細] ダイアログ ボックスが開きます。

    座標変換の方向、ソース座標系とターゲット座標系、座標変換の方法など、座標変換の詳細が記されています。 座標変換によっては、追加の情報が記されることもあります。

  4. [OK] をクリックして変換を適用し、[マップ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。