以下に、Drone2Map 2022.1 の注目すべき新機能のいくつかを紹介します。
新しい処理エンジンとプロダクト作成エンジン
nFrames という処理エンジンが Drone2Map 2022.1 ソフトウェアに新しく導入されました。 この新しいエンジンを既存の Esri AT (Aerial Triangulation) フレームワークと組み合わせて使用すると、より大規模なプロジェクトを処理できるようになり、ポイント クラウドの生成が改善されます。 この変更に対応できるように、ユーザー インターフェイスの領域が更新されました。
Drone2Map で生成されるポイント クラウド プロダクトはこれまでのバージョンと比べてはるかに詳細度が上がり、植生フィーチャと人工物フィーチャを定義しやすくなりました。 また、詳細度の向上に伴い、画像をサーフェス上でドレープした際に 3D メッシュ レイヤーがより写実的に表示されるようになりました。
再設計されたマルチスペクトル カメラのサポート
新しいマルチスペクトル プロジェクト テンプレートが Drone2Map 2022.1 に追加されました。 サポートされているマルチスペクトル カメラから画像をインポートすると、このマルチスペクトル テンプレートに自動的に切り替わります。
テンプレートが新しくなっただけでなく、[フライト データ] タブにある [放射量キャリブレーション] ボタンを使用して放射量補正を実行できるようにもなりました。 このプロセスでは、放射量キャリブレーション パネルを使用して、各バンドを調整したり、放射量補正されたオルソモザイクを提供したりすることができます。
© AgEagle Sensor Systems Inc., d/b/a MicaSense. (2021) MicaSense Altum Complete Flight サンプル データ 取得元: https://micasense.com/sample-data-altum/
Radiometric JPEG に対応した熱赤外処理機能
R-JPEG 画像は Drone2Map 2022.1 で処理することができます。 画像を [新しいプロジェクト] ウィンドウに追加すると、このソフトウェアで R-JPEG 形式が自動的に検出され、プロジェクト テンプレートが [熱赤外テンプレート] に設定されます。 熱赤外オルソモザイクの処理が終了した後、カラー ランプが摂氏または華氏のスケールで適用されます。
改善された処理フィードバックの新しい画像ステータス
未キャリブレーションのステータスが [コンテンツ] ウィンドウのイメージ レイヤーに追加されました。 これにより、[画像の調整] 手順の実行が終了した後で、キャリブレーションされている画像とキャリブレーションされていない画像をすばやく簡単に診断することができます。
品質管理のために追加された前処理ツール
処理の前にフライトを調整するためのツールセットが [ホーム] タブに新しく追加されました。
[水域マスク] ツールを使用すると、飛行エリア内の水域を定義するポリゴン エリアを描画またはインポートすることができます。 これにより、マスク内のエリアが処理中に内挿されるので、容易に水域を再構築できます。
[プロジェクト エリア] ツールを使用すると、プロジェクトの処理境界を定義するポリゴン エリアを描画またはインポートすることができます。 このツールは、フライト境界でのカバレッジの信頼度が疑わしい斜め撮影画像やオーバーラップの少ないフライトを操作する場合に特に役立ちます。 結果として生成されるプロダクトは、定義された [プロジェクト エリア] まで処理されます。
[修正フィーチャ] ツールを使用すると、再処理したいエリアまたは再構成の問題を修正したいエリアを定義するポリゴンを描画またはインポートできます。 プロジェクト飛行エリア内の建物とフィーチャは、飛行条件が最適ではない場合、再構成がうまくいかないことがあります。 このツールを使用すると、フィーチャ上にポリゴンを描画して、プロダクトを再処理することにより、これを修正できます。 最終的に、エリアをより明確に再構成できます。 修正フィーチャは、2D または 3D で作成でき、オルソモザイク プロダクトを修正するときに Z 値を適用します。
タイル ベースのワークフローの再処理
Drone2Map のオルソモザイク プロダクトは、デフォルトではタイルとして生成され、ともにモザイク化されます。 これにより、タイルごとに修正を行えます。 オルソモザイク プロダクトを再処理するときは、[水域マスク] ツールと [修正フィーチャ] ツールが適用されます。 つまり、いずれかのツールでオルソモザイクを処理し、品質に問題が無いか確認してからポリゴン フィーチャを定義して、問題があればすばやくこれを修正できます。 ポリゴンをオーバーラップするタイルのみを再処理すると、フィーチャが更新されます。これにより、時間を節約でき、出力の品質をより適切に管理できます。
SLPK クリップがサポートされるようになりました
クリップ ツールセットがシーン レイヤー パッケージで使用できるように機能拡張されました。 クリップ エリアを生成した後、そのクリップ エリアを 3D プロダクトに適用できるようになりました。
SLPK メッシュが投影座標系に対応できるようになりました
シーン レイヤー パッケージ メッシュを Drone2Map でサポートされている座標系のいずれかに投影変換できるようになりました。 プロジェクトが投影座標系の場合、出力 SLPK もその座標系になります。 これにより、これまでのバージョンで実行する必要があった後処理手順のいくつかを省略することができます。
鉛直座標系サポートの拡張
Drone2Map 2022.1 では、ArcGIS Pro でサポートされている座標系と同じ地理座標系および鉛直座標系がすべてサポートされるようになりました。
2D および 3D プロダクトのアニメーションの作成および共有
ArcGIS Pro と同じプロフェッショナルなアニメーションを Drone2Map でも作成できるようになりました。 この機能はどちらのソフトウェア アプリケーションでも同様ですが、デモンストレーションや詳細なオーバービューをすぐに利用できる利便性が加わりました。 アニメーション ツールは 2D マップと 3D シーンのどちらでも動作します。
再設計されたカメラの編集ウィンドウ
このソフトウェアの [カメラの編集] 部分がより効率化なワークフローのために更新され、独自の統合ウィンドウで表示されるようになりました。 カメラ パラメーターを手動で定義したり、サポートされているカメラを既存のデータベースから選択したりすることもできます。
オフライン ドキュメント
Drone2Map の大きな利点の 1 つは、オフラインでフィールドに取り込める点です。 これまで、ソフトウェアの参考資料がすぐに必要な場合やソフトウェアのテストを始めて行うユーザーの場合、インターネットに接続されていない状態でドキュメントを表示する方法はありませんでした。 Esri では、リリースごとに最新の情報が維持される Drone2Map 2022.1 のオフライン ヘルプ インストーラーを用意しました。 また、Esri が現在サポートしている言語の多くにも翻訳されています。