セル統計では、出力ラスターの各位置の値が、その位置のすべての入力からセル値の関数として計算されます。 各統計情報の詳細と例を以下に示します。
平均
- セル単位で入力の平均値を求めます。
- 平均値の出力は常に浮動小数点になります。
- 例:
最頻値
- セル単位で複数の入力ラスターから最頻値を求めます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
- 1 つのセル位置について複数の最頻値がある場合、その位置の出力は NoData になります。
- セル位置のすべての入力値が同じ値の場合、その位置の出力最頻値は入力値と同じになります。
- 合理的に適用するには、3 つ以上の入力を指定する必要があります。 1 つの入力だけが指定された場合、出力は入力の複製になります。
- 入力が 2 つだけの場合、値が異なる位置はすべて、NoData として書き出されます。 選択の対象となる異なる値が 2 つしかないため、最頻値は存在しません。 値が同じ場合は、その値が出力ラスターに書き出されます。
![セル統計 - 最頻値の例 セル統計 - 最頻値の例](GUID-30AA15CB-CC3F-4976-A18B-4F5B2C403961-web.png)
最大
- セル単位で複数の入力ラスターの最大値を求めます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 最大の例 セル統計 - 最大の例](GUID-E024B77C-DE4A-450F-A2AA-C123C426EE1B-web.png)
中央値
- セル単位で入力の中央値を求めます。
- 入力の数が奇数の場合、値をランク付けし、中央の値を選択することで、中央値が計算されます。 入力の数が偶数の場合、値がランク付けされ、中央の 2 つの値の平均値が算出されます。 すべての入力グリッドが整数タイプの場合、この値は整数値に切り捨てられます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 中央値の例 セル統計 - 中央値の例](GUID-A34DACA8-BD61-43F4-9413-C1C3665B3FD2-web.png)
最小
- セル単位で複数の入力ラスターから最小値を求めます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 最小の例 セル統計 - 最小の例](GUID-2F254818-E493-44E5-850D-244F392A4C84-web.png)
最少頻値
- セル単位で複数の入力ラスターから最小頻値を求めます。
- 1 つのセル位置について複数の最小頻値がある場合、その位置の出力は NoData になります。
- セル位置のすべての入力値が同じ値の場合、その位置の出力最小頻値は入力値と同じになります。
- 合理的に適用するには、3 つ以上の入力を指定する必要があります。 1 つの入力だけが指定された場合、出力は入力の複製になります。
- 入力が 2 つだけの場合、値が異なる位置はすべて、NoData として書き出されます。 選択の対象となる異なる値が 2 つしかないため、最少頻値は存在しません。 値が同じ場合は、その値が出力ラスターに書き出されます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 最少頻値の例 セル統計 - 最少頻値の例](GUID-33A9E5DB-C458-4FC7-963F-A151B1AA6842-web.png)
パーセンタイル
- セル単位で入力の値のパーセンタイルを求めます。
- この統計情報の種類の値は、Hyndman および Fan (1996 年) [1] の手法 Q1 を使用して計算されます。 2 つの格納された値がターゲットの中央値に等しく近い場合、2 つの値のうちの小さいが選択されます。
- パーセンタイルを計算するために、式 R = P/100 x (n - 1) +1 を使用してすべてのセルがランク付けされます。P は目的のパーセンタイル、n はセルの数です。
範囲
- セル単位で複数の入力ラスター値の範囲を求めます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 範囲の例 セル統計 - 範囲の例](GUID-E674032B-BE5A-4ED8-A690-92446CA4D91D-web.png)
標準偏差
- セル単位で複数の入力ラスターの標準偏差を求めます。
- 標準偏差の出力は常に浮動小数点になります。
- 標準偏差は、サンプルから推定される (N - 1 法) のではなく、母集団全体で計算されます (N 法)。
![セル統計 - 標準偏差の例 セル統計 - 標準偏差の例](GUID-0229B4CA-649C-42A9-AD8C-DF3C15C17B03-web.png)
合計
- セル単位で複数の入力ラスターの合計値を求めます。
- すべての入力が整数の場合、出力は整数になります。 入力のいずれかが浮動小数点である場合、出力は浮動小数点になります。
![セル統計 - 合計の例 セル統計 - 合計の例](GUID-D8BD897C-B7A2-46A5-93DC-121409FF4C0D-web.png)
種類
- セル単位で複数の入力ラスターから一意の値の数を求めます。
- 出力ラスターのタイプは、必ず整数になります。
![セル統計 - 種類の例 セル統計 - 種類の例](GUID-B1393F9B-2D0A-4E2B-BDF2-F4150DA8D840-web.png)
参考文献
Hyndman, Rob J., and Fan, Yanan. 1996 "Sample Quantiles in Statistical Packages." The American Statistician, Vol. 50, No. 4 (Nov., 1996), pp. 361-365.