拡張 (Expand) および縮小 (Shrink) の使用によるゾーンのジェネラライズ

ArcGIS Image for ArcGIS Online で利用できます。

拡張 および 縮小 ツールを使用し、ラスターをジェネラライズまたは単純化することができます。 [大多数フィルター (Majority Filter)][境界のスムージング (Boundary Clean)] ツールとは異なり、[拡張 (Expand)] および [縮小 (Shrink)] を使用すると、ジェネラライズの対象を特定のゾーンに絞り込むことができます。境界のスムージングとは異なり、拡張および縮小ツールを使用すると、ジェネラライズの対象を特定のゾーンに絞り込むことができます。 使用するツールに応じて、特定のゾーンを拡大または縮小できます。 実行するジェネラライズの度合いを制御することもできます。

いずれのツールも 2 つの方法を選択できます。 1 つ目は数理形態学的なアプローチです。 2 つ目は距離ベースのアプローチです。

拡張と縮小の比較

いずれのツールも、特定のゾーンで他のゾーンのセルを置換できるようにして実行されます。

拡張 (Expand)

[拡張 (Expand)] ツールでは、選択したゾーンを他のゾーンに拡張することでサイズを増やします。 概念的には、選択した [ゾーン値] はフォアグラウンド ゾーン、他の値はバックグラウンド ゾーンと見なされます。 フォアグラウンド ゾーンが、バックグラウンド ゾーンに拡大できます。

縮小 (Shrink)

[縮小 (Shrink)] ツールでは、選択したゾーンに他のゾーンのセルが拡張することにより、ゾーンが拡大または縮小されます。 概念的には、選択した [ゾーン値] はフォアグラウンド ゾーン、残りのゾーン値はバックグラウンド ゾーンと見なされます。 このツールを使用するとフォアグラウンド ゾーンをバックグラウンド ゾーンのセルで置換できます。

ゾーンと境界線を共有しているように見えるゾーン内の細い島も、置換できます。

ジェネラライズの度合い

ジェネラライズの度合いは [セル数] パラメーターで制御できます。 デフォルトでは、この値は 1 です。これは、使用しているツールに応じて、選択したゾーンが 1 つのセル サイズに対応する量だけ拡大または縮小されることを意味します。 ジェネラライズの度合いを上げるには、このパラメーターに大きな値を指定します。 概念的には、直前の実行結果を入力として、指定した数だけツールを繰り返し実行することと同じです。

手法

[拡張 (Expand)] および [縮小 (Shrink)] を使用してラスターをジェネラライズする場合は、距離ベースの手法が使用されます。

距離ベース

距離ベースのアプローチでは、選択した入力ゾーン値のセルがソースになります。 入力ラスター内の各セルは、最も近いソース セルまでの距離と関連して考慮されます。 距離は、入力ラスターのセル解像度の整数倍のユークリッド距離に制限されています。

次の条件を評価して、この距離内の特定のセルの最終的な出力値が決定されます。 説明は [拡張 (Expand)] ツールに関するものですが、同じ原則が [縮小 (Shrink)] ツールにも当てはまります。

  • セルが許容距離の範囲内で 1 つのタイプのゾーン ソース セルしか見つけられない場合、そのセルはそのゾ​​ーン値で拡張されます。
  • セルの許容距離内に複数のタイプのゾーン値が存在する場合、そのセルは最も近いゾーンの値によって拡張されます。
  • セルの許容距離内に複数のタイプのソース セルが存在し、2 つ以上のソース セルが同じ距離である場合 (タイ)、アルゴリズムでは最初に各ソース ゾーンの寄与を計算します。 全体的な寄与が最も高いゾーンがそのセルの出力値として使用されます。
  • それでもタイが残っている場合は、2 つ以上のソース ゾーンの寄与が最も近く等しい寄与であることを意味しています。 この場合、そのセルはセル値が最小のソースによって展開されます。

参考文献

Matheron, G., Elements pour une Theorie del Milieux Poreux, Masson, Paris, 1967

Serra, J. Image Analysis and Mathematical Morphology, Academic Press, London 1982