テキスト シンボルでは、マップおよびレイアウト上のラベル、アノテーション、タイトル、動的テキスト、説明、吹出し、凡例、縮尺記号、経緯線ラベル、テーブル、および他のテキスト情報を描画します。 テキスト シンボルと他の一般的なシンボル タイプ (ポイント シンボル、ライン シンボル、およびポリゴン シンボル) との主な相違点は、テキスト シンボルのシンボル レイヤーが 1 つだけであることです。
テキスト シンボルはテキストの外観を制御し、特定のフィーチャを分類するために使用することができます。 たとえば、都市名ラベルに使用されるテキスト シンボル サイズは、相対的な人口を表すことができます。 テキスト シンボルを設定するにはフォント、サイズ、色を選択しますが、より高度なテキスト シンボル プロパティを操作して、吹出し、引出し (引出し線付きまたはなし)、高速道路標識またはその他のマーカーのテキスト、塗りつぶしテキスト、ハロー、影などの効果を設定することもできます。
ヒント:
テキスト プロパティには、フォント、スタイル、書式、効果を変更するためのオプションが含まれています。 ラベルはテキスト シンボルで描画されますが、フィーチャ属性から作成され、配置と競合検出のためのプロパティがあります。
フォント
テキストのフォントとグラフ表示はさまざまなサイズ、太さ、色、スタイルで構成されています。 各フォント ファミリーには 1 つ以上のフォント スタイルがあります。 フォントによっては、スタイルに通常、太字、斜体、これらのいずれかの組み合わせ、または拡張リストが含まれている場合があります。 スタイルは [フォント名] ドロップダウン リストと [フォント スタイル] ドロップダウン リストにあります。 バリアブル フォントにはフォント スタイルの名前付きインスタンスがあり、カスタマイズすることもできます。
サポートしているフォントは次のとおりです。
- Type 1 フォント
- TrueType フォント
- PostScript OpenType フォント
- TrueType OpenType フォント
- Variable PostScript OpenType フォント
- Variable TrueType OpenType フォント
ArcGIS AllSource は以下からフォントを読み込みます。
- Windows で利用可能なフォント
- 一時的に登録されたフォントを含む (例: Adobe Fonts)
- ArcGIS AllSource リソース (C:\<your install path to ArcGIS AllSource>\Resources\Fonts)
バリアブル フォント
バリアブル フォントは最新のオープン タイプ フォントで、太さや幅、傾きなどのフォント バリエーションをカスタマイズすることができます。 利用できるプリセット スタイル、バリエーションの軸、値の範囲はフォントによって異なります。
バリアブル フォントの一例として Bahnschrift があります。 以下のアニメーションは、スライダーをドラッグすることで太さのバリエーションが変わる様子を示しています。
テキスト フォント サイズ
ArcGIS AllSource では、ソフトウェア スケーラブル フォントを使用してテキストを表示します。 これにより、ラベルとアノテーションを、それぞれの表示プロパティを維持しながら異なるマップ縮尺で表示することができます。 ソフトウェア スケーラブル フォントの例として、Arial (Open Type) が挙げられます。
テキストが表示される場合、テキスト文字の実際の高さはフォントごとに異なります。 タイプ文字は、次の図のように最上部のアセンダ ラインから最下部のディセンダ ラインまでが計測されます。
文字セルは、個々の文字を取り囲むボックスです。 テキスト文字が文字セルの高さ全体を占めていない場合、その文字は指定のポイント サイズより小さく表示されます。
ポイントを使用したテキスト フォント サイズの計測
ポイントは、文字の高さと幅を計測するための標準単位です。 ポイントは、全部または半分のサイズで入力できます。 ポイント サイズの詳細については、次の変換表をご参照ください。
ポイントとインチの変換表
ポイント | インチ |
---|---|
1 | 0.014 |
12 (1 パイカ) | 0.166 |
18 | 0.250 |
24 | 0.332 |
36 | 0.500 |
72 (6 パイカ) | 1.000 |
水平方向と垂直方向の配置
テキストの単一のブロックと複線のブロックのテキスト シンボルに水平方向と垂直方向の配置を設定できます。
注意:
ラベリング時は縦軸方向の配置を設定できません。縦軸方向の配置はラベル エンジンで設定されるためです。 標準ラベル エンジン の使用時は横軸方向の配置を設定できます。Maplex ラベル エンジン の使用時は、これを設定できません。 Maplex ラベル エンジン 使用時は、これは改行のプロパティを使用して構成されます。
水平方向の配置は、複線テキストの配置方法、および単一テキストと複線テキストを編集した際の展開と縮小の方法を制御します。 たとえば、テキストの左揃えの行を横に拡張した場合、テキストの左側の位置はそのままで、右側に拡張します。 同じシナリオで、テキストの中央揃えの行は中心点から拡張します。
水平方向の配置には以下が含まれます。
- 左揃え
- 中央揃え
- 右揃え
- 両端揃え
垂直方向の配置は、ベースライン ジオメトリの周囲のテキストの位置を制御します。
以下の表は、垂直方向の配置のオプションとそれぞれの例を示しています。 この例では、線がテキストのベースラインを表しています。
縦軸方向の配置 | 例 |
---|---|
上揃え | |
中央揃え | |
下揃え | |
英字下揃え |
テキスト吹出し (引出し線付きまたはなし)
吹出しで最も便利なタイプは、吹出しと背景吹出しです。 これらのタイプは、テキストのまわりに描画される外枠線と、テキストからマップ上のポイントに伸びる引出し線の 2 パーツで構成されます。 外枠線は、マップ上の他の情報からテキストを視覚的に分離する役割を果たします。引出し線は、テキストが参照するマップ上のフィーチャまたは領域から離してテキストを配置できるという点で便利です。 吹出しには、常に外枠線と引出し線があります。背景吹出しでは、外枠線、引出し線、およびアクセント バーを表示/非表示にすることができます。
引出し線許容値
引出し線を使用する場合、引出し線許容値が、引出し線が表示される引出し線アンカー位置とテキストの間の最小距離になります。 引出し線アンカー位置とテキストとの距離が引出し線許容値未満の場合、引出し線は表示されません。 この距離を変更するには、ラベル オフセットを編集します。
ダイナミック ラベルを使用している場合、引出し線アンカー位置はラベリングされているフィーチャ上にあります。 ラベリングされているフィーチャの比較的近くのラベルに引出し線を表示したい場合は、引出し線許容値を少なくします。 逆に、ラベリングされているフィーチャから比較的離れたラベルに引出し線を表示したい場合は、引出し線許容値を増やします。
アノテーションがある場合は、テキストをアンカー位置に向けて、またはアンカー位置から離れる方向に移動することができます。 テキストをアンカー位置に近づける場合、引出し線は距離が引出し線許容値未満になると隠れます。 テキストをアンカー点から遠ざける場合、引出し線は距離が引出し線許容値よりも大きくなると現れます。
コンポジット吹出し
コンポジット吹出しは、吹出しシンボルの端部を基準にして、そこからぶら下がる追加のパーツを含む高度な吹出しです。 パーツは「<PART> 書式設定タグを使用して中央のエレメントの周囲にある 9 つの位置に配置され、配置とオフセットが個別に制御されます。 コンポジット吹出しは、垂直モールス符号の使用もサポートしています。 航空図では、一般的にコンポジット吹出しが使用されます。
以下の画像は、パーツが吹出しの内外に含まれているコンポジット吹出しを示しています。
高速道路標識または他のポイント シンボル内のテキスト
テキスト シンボルの背景にポイント シンボルを描画すると、バルーン吹出しや背景吹出しとは異なる効果をもたらします。 ポイント シンボル背景は番号が付与された高速道路のラベリングによく使用されます。シンボルによって高速道路のタイプを分類することができます。 シンボルを必要に応じて拡大縮小して、テキスト文字列のサイズに合わせることができます。 これは、同様のクラスの高速道路が異なる桁数の番号を持っている場合に便利です。