トラディショナル バージョンの管理

Standard または Advancedのライセンスで利用可能。

トラディショナル バージョンの操作および管理を行うには、ArcGIS AllSource のツールを使用します。 [バージョン] ビューには、特定のエンタープライズ ジオデータベース内のすべてのバージョンとそれらのプロパティが表示されます。 [バージョン] タブとショートカット メニューを使用して、バージョンの作成、バージョン プロパティの変更、バージョンの削除、バージョン間での編集内容のリコンサイルとポストを行うことができます。

次の画像は、[バージョン] ビューを示しています。 ANN という名前のユーザーが Manager という名前付きバージョンを作成し、[アクセス] レベルを Public に設定しています。

バージョン アクセス

トラディショナル バージョンを管理するには、データベース接続からジオデータベースにアクセスします。 バージョンへのアクセスは、ユーザーの権限とバージョン自体のアクセス権限の組み合わせによって決まります。

トラディショナル バージョニングの場合、[バージョン] ビューは現在のデータベース ユーザーと、バージョンに対して構成されているアクセス権限に基づいてフィルターされます。 バージョンの所有権とアクセス権は、接続されたデータベース ユーザーによって異なります。

• 接続されたデータベース ユーザーは、自分が所有するトラディショナル バージョンと、ジオデータベースのすべてのパブリック バージョンとプロテクト バージョンを表示できます。
• また、自分が所有するトラディショナル バージョンを管理できます。
• ジオデータベース管理者は、そのジオデータベースのすべてのトラディショナル バージョンの表示と管理を行えます。

アクセス権限 - バージョンのアクセス レベルを設定して、バージョン所有者以外のユーザーによる編集や表示を制限します。 バージョンには、次の権限のいずれかを設定できます。

• プライベート - バージョンの所有者またはジオデータベース管理者のみがバージョンの表示とバージョン対応のデータやバージョン自体を変更できます。
• プロテクト - すべてのユーザーがバージョンを表示できますが、バージョンの所有者またはジオデータベース管理者のみがそのバージョン内のデータセットやバージョン自体を編集できます。
• パブリック - すべてのユーザーがバージョンを表示できます。 すべてのユーザーはそのバージョンを使用して読み取り/書き込み (更新、挿入、削除) の権限が付与されているデータセットを変更できます。

バージョンのアクセス権限を設定する際には、バージョンのワークフローに加えて、そのフレームワークで作業するさまざまなユーザーのニーズを考慮してください。 データへのアクセスを制御するには、バージョン アクセス権限とデータセット権限を併せて使用します。

ジオデータベースのバージョン管理に使用されるユーザー アカウントとデータソースを特定するには、個別のバージョニング タイプを参照します。

[バージョン] ビューを開く

[コンテンツ] ウィンドウを使用して、アクティブなマップのデータを表示するバージョン ビューを開くことができます。 この場合は、[バージョニング] タブを使用します。このタブは、[コンテンツ] ウィンドウの [データ ソース別にリスト] ビューでエンタープライズ ジオデータベースまたはポータル接続を選択すると使用できるようになります。

1. [コンテンツ] ウィンドウの [データ ソース別にリスト] ボタンをクリックします。

   

2. バージョンを管理するエンタープライズ ジオデータベースまたはポータル接続のデータ ソースを選択します。

   [バージョニング] タブが表示されます。

3. [バージョニング] タブをクリックして、[バージョニング] グループにある [バージョンの管理] ボタン をクリックします。

   [バージョン] ビューが表示されます。

[バージョンの管理] ウィンドウでは、次のボタンを使用できます。 グリッド ビューを右クリックしてもこれらのコマンドにアクセスできます。

注意:

コマンドの多くは、グリッド ビューで選択されたバージョンに依存しています。

• 新規 - 名前付きバージョンを作成します。
• 削除 - バージョンを削除します。
• 元に戻す - 保存操作を行う前に、削除したバージョンを元に戻します。
• リコンサイル/ポスト - バージョンをリコンサイルおよびポストします。
• 保存 - 変更内容を保存します。

ヒント:

[コンテンツ] ウィンドウからバージョン ビューにアクセスするには、既存のジオデータベース接続を右クリックして、ショートカット メニューから [管理] を選択するか、[バージョン] を選択します。

[バージョン] ビューには、トラディショナル バージョンについて、次のプロパティが表示されます。

[バージョン] ビューを使用した、トラディショナル バージョンのプロパティ

バージョンのプロパティ	説明
名前	バージョンの名前
Owner	バージョンの所有者
親	現在のバージョンの親
説明	バージョンの説明文
アクセス	バージョンのアクセス権レベル (パブリック、プライベート、プロテクト)。
Created	バージョンを作成した日時 (UTC)。
更新日	バージョンを最後に変更した日時 (UTC)。 新たに作成されたバージョンは、親バージョンの変更日時を継承します。 トラディショナル バージョンでは、これはバージョンが参照する状態の closing_time です。

[バージョン] ビューで表示されているバージョンを検索、フィルター、更新する

エンタープライズ ジオデータベースの特定のバージョンを検索および変更するには、所有者でのバージョンのフィルタリング、特定のバージョン名の検索、またはビューの更新を行います。

[バージョン] ビューに表示されているバージョンを所有者別にフィルタリングするには、[バージョン] タブの [バージョンのフィルター] グループにある [所有者] ドロップダウン矢印をクリックします。 ドロップダウン リストには、バージョンを所有するジオデータベース ユーザーが含まれています。 ドロップダウン リストから目的の所有者名を選択すると、[バージョン] ビューにはそのユーザーが所有しているバージョンのみが表示されます。 フィルターを消去して、すべてのユーザーが所有するバージョンを表示するには、ドロップダウン リストの上部にある空の値を選択します。

バージョン名でバージョンを検索するには、[バージョン] タブの [バージョンのフィルター] グループにある [名前] 検索ボックスを使用します。 テキストを入力すると、[バージョン] ビューには一致するテキストが存在するバージョンのみが表示されます。

[バージョン] タブの [フィルターのバージョン] グループにある [バージョンの更新] をクリックすると、ビューが更新され、エンタープライズ ジオデータベースに存在するすべてのバージョンに関する最新の情報が表示されます。

バージョン プロパティの変更

バージョン所有者またはジオデータベース管理者であれば、[バージョン] ビューを使用して既存バージョンのプロパティを変更できます。

変更できるバージョンのプロパティは次のとおりです。

• 名前
• 説明
• アクセス

既存バージョンのプロパティを変更するには、次の手順に従います。

1. [バージョン] ビューを開きます。
2. 変更したいプロパティの列をダブルクリックし、編集を加えます。

   注意:

   [名前] プロパティを変更するには、バージョンへのアクティブな接続が存在してはなりません。

3. [バージョン] タブの [保存] をクリックします。

デフォルト バージョンを保護する

デフォルト バージョンは、ジオデータベースのその他すべてのバージョンのルートであり、通常はジオデータベースのマスター バージョンを表します。

デフォルト バージョンを直接編集できないようにする場合、ジオデータベース管理者は、デフォルト バージョンのアクセス レベルを [プロテクト] に設定する必要があります。 アクセス権限を [プロテクト] に設定した場合、すべてのユーザーはデフォルト バージョンを表示できますが、バージョンを直接編集したり、他のバージョンから編集内容をポストできるのはジオデータベース管理者のみとなります。

デフォルト バージョンを [プロテクト] に変更するには、ジオデータベース管理者として確立したデータベース接続を使用する必要があります。 上記と同じ手順に従って、バージョン ビューからデフォルト バージョンのプロパティを変更します。 [バージョン プロパティの変更 (Alter Version)] ジオプロセシング ツールも使用できます。