重みの使用

フィーチャの分布を計測するときに重みを使用する必要性

フィーチャのロケーションの特性を計測する必要がある場合は、[ウェイト フィールド] を設定することなく分析を実行します。通常、重み付けのない分析は、特定の場所および時間において発生するインシデントまたはイベントに使用されます。たとえば、犯罪イベントや感染症インシデントの分析がこれに該当します。

重み付けがない場合の中心

一部のフィーチャが他のフィーチャよりも重要である場合は、[ウェイト フィールド] を使用して、これらのフィーチャの相違を反映させることができます。新しいスーパーの倉庫に最適なロケーションを探す必要があるとします。ロケーションは、中心部にあるだけではなく、売上高が最も高いスーパーから最も便利な場所にある必要もあります。この場合、統計計算で売上高を反映する属性 (たとえば、スーパーの収益やスーパーの規模などの売上高と関連性の高い要素) を重みとして使用できます。売上高が高いスーパーは、売上高が低いスーパーよりも強い影響を統計結果におよぼします。次の図では、大きいポイントほど売上高が高いことを表しています。

重み付けがある場合の中心

重み付けのある分析は、一般的に店舗や公害監視施設などの静的なフィーチャの分析に使用されます。インシデントやイベント (犯罪など) とは異なり、静的なフィーチャは一定の理由に基づいてその場所に配置されているため、静的なフィーチャの分布は通常あらかじめ決定されています。したがって、固定されたフィーチャのロケーションのみを対象として重み付けのない分析を実行することは、あまり意味がありません。フィーチャが属性によって重み付けされている場合にその空間的な特性を計測することは、多くの場合、非常に効果的です。たとえば、公害監視施設のロケーションとそれぞれの施設で一定期間に記録されたオゾン測定値を使用して、オゾン濃度が最も高い場所の中心を算出します。

重みの指定

重みは、データセットのフィーチャに関連付けられる数値属性です。数値が高ければ高いほど、そのフィーチャの重みが大きいことを示します。たとえば、金融セクターの労働者を対象とするセミナーを開催するために最もアクセス性の高いロケーションを探す必要がある場合は、金融会社の社員の数を [ウェイト フィールド] として使用して、金融セクターの加重中心を算出できます。また、環境分析者は、監視施設で記録された大気汚染計測値を使用して、複数の異なる汚染物質の加重平均中心を計算できます。この情報は、汚染物質の中心を工場やトラック車庫などの潜在的な汚染源と比較するために役立つ場合があります。