Spatial Analyst の一部のツールは、並列処理の使用によってパフォーマンスが向上しました。 この技術は、処理タスクをより高速に実行するために、最新の計算ハードウェア上のマルチコア プロセッサを活用します。
並列処理を現在サポートしているツールを、ツールセットごとに以下に示します。
- [密度]:
[カーネル密度 (Kernel Density)]、[時空間カーネル密度 (Space Time Kernel Density)]
- 距離:
[距離累積 (Distance Accumulation)]、[距離アロケーション (Distance Allocation)]、[最小コスト コリドー (Least Cost Corridor)]、[最適コリドー接続 (Optimal Corridor Connections)]、[最適領域接続 (Optimal Region Connections)]
- [抽出]:
サンプル (Sample)
- [近傍]:
フォーカル統計 (Focal Statistics)
- [オーバーレイ]:
[加重オーバーレイ (Weighted Overlay)]、[加重合計 (Weighted Sum)]
- [再分類]:
[再分類 (Reclassify)]、[スライス (Slice)]
- 日射量解析
[フィーチャの日射量 (Feature Solar Radiation)]、[ラスターの日射量 (Raster Solar Radiation)]
- [サーフェス]:
[コンター (Contour)]、[測地線可視領域 (Geodesic Viewshed)]、[サーフェス パラメーター (Surface Parameters)]
- [ゾーン]:
[ゾーン統計 (Zonal Statistics)]、[ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)]
並列処理とは
並列処理では、計算タスクがさらに小さい部分に分割され、使用可能な複数の計算コアに送信されて処理されます。 すべての別々の処理結果が、ソフトウェアによって最終的な結果に再び組み立てられます。通常、この処理は、1 つのコアが単独でデータセット全体を処理するのにかかる時間よりも少ない時間で行われます。
最新のコンピューターは、マルチコア CPU を備えています。 マルチコア チップは、コンピューター内の個別の物理 CPU が複数の論理プロセッサを同じシリコン ダイ上に内蔵しているチップです。 マイクロプロセッサは、通常、プロセッサあたり 2 個、4 個、8 個、またはさらに多くのコアを備え、プロセッサあたり 6 個または 12 個のコアを備える場合もあります。 一部のコンピューターは複数の CPU を搭載しているため、システムで使用可能なコアの総数は、CPU あたりのコア数に、メイン ロジック ボード上の CPU 数を掛けた数になります。
環境による並列処理の制御
並列処理をサポートするツールの場合、デフォルトでは、使用可能な処理コアのうちの 50% を使用することが一般的な挙動になります。 ツール間でばらつきがあるため、各ツールの使用上の注意を慎重に確認してください。
処理に適用できるプロセッサ数を制御するために、並列処理ファクター環境を使用できます。
処理対象のデータのサイズに対して、ある程度の依存関係があります。 ほとんどのツールでは、入力ラスターのサイズが 5K 行 x 5K 列を超えると、並列処理が自動的に有効化されます。 入力がこのサイズを下回ると、入力を分割し、並列処理技術を開始するために要する計算コストのために、パフォーマンスに目立った改善が見られなくなる場合があります。 環境の値を指定することによって、この挙動をオーバーライドすることができます。
SSD によるパフォーマンスの最大化
コンピューターで半導体ドライブ (SSD) を利用することによって、パフォーマンスを改善することができます。 通常、最大のパフォーマンスは、入力データ、生成される出力、およびテンポラリ データを物理ハード ディスク ドライブ (HDD) 上に持つことに比べて、それらのデータを SSD 上に持つことによって得られます。 ただし、それらのデバイスは比較的に高価であり、一般に大きい容量を持っていないため、入力データを HDD 上に維持し、TempFolders のみに SSD を使用することによっても、パフォーマンスのメリットのかなりの部分を得ることができます。