最小コスト コリドー (Least Cost Corridor) (Spatial Analyst)

サマリー

パーセンテージまたは累積コストに基づく閾値を適用するオプションを使用して、2 つの累積コスト距離ラスターの合計値を計算します。

コリドーによる場所の接続方法の詳細

使用法

  • 入力ラスターは、[距離累積 (Distance Accumulation)] ツールまたは [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールから出力される距離累積およびバック方向ラスターにする必要があります。

  • 距離累積ラスターのコスト バージョンを使用します。 ラスターの単位は、アプリケーションに応じて、メートルあたりのドル、フィートあたりの優先順位、またはメートルあたりの分などがありますが、これらに限定されません。 これらのコスト単位は、コスト サーフェスから取得します。 詳細については、「コスト サーフェスを使用した到達距離の調整」をご参照ください。

  • コリドーは方向がありません。つまり、最初のソースから 2 番目のソースへの移動のコストは、2 番目のソースから最初のソースへの移動のコストと同じです。 累積コスト距離およびバック方向ラスターを作成する場合は、水平方向ファクター、垂直方向ファクター、移動方向などの方向性に依存するパラメーターに値を指定しないでください。

  • 最初のソースの累積コスト距離とバック方向ラスター、および 2 番目のソースの累積コスト距離とバック方向ラスターを作成する際、[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールで同じパラメーター設定を使用します。

  • すべての入力ラスターは浮動小数点型で、同じセル サイズ、範囲、空間参照を持つ必要があります。

  • 出力コリドーの値は、入力累積コスト距離ラスターと同じ単位の任意の位置に到達するための累積コストの合計値です。

  • 特定の閾値の値が 2 つの距離累積ラスターを合計した場合の最大累積コストより大きい場合、出力コリドー ラスターは、入力累積ラスターと同じ領域を対象に収めます。

  • 特定の閾値がコリドー ラスターの最小値より小さい場合は、警告メッセージが表示され、出力ラスターが空になります。

  • 出力コリドー ラスターには、閾値よりも累積コストが少し大きいセルが含まれる場合があります。 これは、未接続のセルをコリドーに接続するために閾値より少し大きいコストが割り当てられたセルを使用する逆方向ラスターのセルです。 詳細は、「位置とコリドーの接続」をご参照ください。

  • コリドーを生成するために、セル サイズ環境設定が無視され、出力ラスターの計算に入力累積コスト ラスターのセル サイズが使用されます。 入力ラスターのパターンは、出力が別の解像度にリサンプリングされた場合、変化します。

  • 出力ラスターの形式が .crf の場合、このツールはピラミッド ラスター格納環境をサポートします。 デフォルトでは、ピラミッドは出力で作成されます。 その他の出力形式ではこの環境はサポートされず、ピラミッドは作成されません。

  • このツールに適用されるジオプロセシング環境の詳細については、「解析環境と Spatial Analyst」をご参照ください。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力累積コスト距離ラスター 1

最初のソースの累積コスト距離を表す入力ラスター。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからの距離累積出力を使用します。

Raster Layer
入力バック方向ラスター 1

最初のソースから得られる入力バック方向ラスター。 単位は、最初のソースに戻る最小コスト パスに沿った次のセルを識別する度数です。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからのバック方向出力を使用します。 値の範囲は 0 度から 360 度で、0 はソース セル用に予約されています。 真東 (右) は 90 で、値は時計回りに増加します (180 が北、270 が西、360 が北)。

Raster Layer
入力累積コスト距離ラスター 2

2 番目のソースの累積コスト距離を表す入力ラスター。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからの距離累積出力を使用します。

Raster Layer
入力バック方向ラスター 2

2 番目のソースから得られる入力バック方向ラスター。 単位は、2 番目のソースに戻る最小コスト パスに沿った次のセルを識別する度数です。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからのバック方向出力を使用します。 値の範囲は 0 度から 360 度で、0 はソース セル用に予約されています。 真東 (右) は 90 で、値は時計回りに増加します (180 が北、270 が西、360 が北)。

Raster Layer
閾値方法

閾値を定義する方法を指定します。

  • 閾値なし閾値が適用されず、結果として生じるコリドーは、入力ラスターの全範囲を対象に収めます。 これがデフォルトです。
  • 最小コストの割合閾値が合計累積コスト距離ラスターの最小値の割合と定義されます。
  • 累積コスト閾値が累積コスト距離単位で定義されます。
String
閾値

特定のセルが出力コリドー ラスターに含まれるかを判定する累積コスト閾値の割合。

[閾値方法] パラメーターを [最小コストの割合] に設定した場合、指定された値は、合計累積コスト距離ラスターの最小値から適用する割合の増分を示します。 [閾値方法] パラメーターを [累積コスト] に設定した場合、この値は、その値以下の合計累積コストを持つセルがコリドーに含まれることを示します。

このパラメーターは、[閾値方法] パラメーターが [最小コストの割合] または [累積コスト] に設定されている場合のみ有効です。

Double

戻り値

ラベル説明データ タイプ
出力ラスター

累積コスト距離単位の閾値を下回る値を持つセルを含む出力コリドー ラスター。

出力ラスターのタイプは浮動小数点数です。

Raster

LeastCostCorridor(in_accumulative_cost_distance_raster1, in_back_direction_raster1, in_accumulative_cost_distance_raster2, in_back_direction_raster2, threshold_method, threshold)
名前説明データ タイプ
in_accumulative_cost_distance_raster1

最初のソースの累積コスト距離を表す入力ラスター。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからの距離累積出力を使用します。

Raster Layer
in_back_direction_raster1

最初のソースから得られる入力バック方向ラスター。 単位は、最初のソースに戻る最小コスト パスに沿った次のセルを識別する度数です。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからのバック方向出力を使用します。 値の範囲は 0 度から 360 度で、0 はソース セル用に予約されています。 真東 (右) は 90 で、値は時計回りに増加します (180 が北、270 が西、360 が北)。

Raster Layer
in_accumulative_cost_distance_raster2

2 番目のソースの累積コスト距離を表す入力ラスター。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからの距離累積出力を使用します。

Raster Layer
in_back_direction_raster2

2 番目のソースから得られる入力バック方向ラスター。 単位は、2 番目のソースに戻る最小コスト パスに沿った次のセルを識別する度数です。

[距離累積 (Distance Accumulation)] または [距離アロケーション (Distance Allocation)] ツールからのバック方向出力を使用します。 値の範囲は 0 度から 360 度で、0 はソース セル用に予約されています。 真東 (右) は 90 で、値は時計回りに増加します (180 が北、270 が西、360 が北)。

Raster Layer
threshold_method

閾値を定義する方法を指定します。

  • NO_THRESHOLD閾値が適用されず、結果として生じるコリドーは、入力ラスターの全範囲を対象に収めます。 これがデフォルトです。
  • PERCENT_OF_LEAST_COST閾値が合計累積コスト距離ラスターの最小値の割合と定義されます。
  • ACCUMULATIVE_COST閾値が累積コスト距離単位で定義されます。
String
threshold

特定のセルが出力コリドー ラスターに含まれるかを判定する累積コスト閾値の割合。

threshold_method パラメーターを PERCENT_OF_LEAST_COST に設定した場合、指定された値は、合計累積コスト距離ラスターの最小値から適用する割合の増分を示します。 threshold_method パラメーターを ACCUMULATIVE_COST に設定した場合、この値は、その値以下の合計累積コストを持つセルがコリドーに含まれることを示します。

このパラメーターは、threshold_method パラメーターが PERCENT_OF_LEAST_COST または ACCUMULATIVE_COST に設定されている場合のみ有効です。

Double

戻り値

名前説明データ タイプ
out_raster

累積コスト距離単位の閾値を下回る値を持つセルを含む出力コリドー ラスター。

出力ラスターのタイプは浮動小数点数です。

Raster

コードのサンプル

Least Cost Corridor の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、LeastCostCorridor 関数の使用方法を示しています。

import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
env.workspace = "C:/arcpyexamples/data"
out_LCC_raster = LeastCostCorridor("DistAccumRaster1.tif", "BackDirRaster1.tif",
                                   "DistAccumRaster2.tif", "BackDirRaster2.tif") 
out_LCC_raster.save("c:/arcpyexamples/output/corridor.tif")
Least Cost Corridor の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

2 つの領域間のコリドーを計算します。

# Name: LeastCostCorridor_Ex_02.py
# Description: Calculates a potential wildlife corridor between two known 
#               protected areas.
# Requirements: Spatial Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *

# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")

# Set environment settings
env.workspace = "C:/arcpyexamples/data"

# Set local variables
in_accumulative_cost_distance_raster1 = "distaccum_s1.tif"
in_back_direction_raster1 = "backdir_s1.tif"
in_accumulative_cost_distance_raster2 = "distaccum_s2.tif"
in_back_direction_raster2 = "backdir_s2.tif"
threshold_method = "ACCUMULATIVE_COST" 
threshold = 500

# Run Least Cost Corridor
out_LCC_raster = LeastCostCorridor(
    in_accumulative_cost_distance_raster1, in_back_direction_raster1, 
    in_accumulative_cost_distance_raster2, in_back_direction_raster2, 
    "ACCUMULATIVE_COST", "500")

# Save the output 
out_LCC_raster.save("c:/arcpyexamples/output/corridor.tif")