ラスターの分割 (Split Raster) (データ管理)

サマリー

ラスター データセットをタイルまたはポリゴンのフィーチャ別に小さいサイズに分割します。

使用法

  • 出力ファイルは、空間参照、ソース タイプ、ピクセル タイプ、ピクセル深度、セル サイズといった入力ソース ラスターのプロパティの多くを共有します。

  • タイル方法により、出力タイルの大きさと位置を決めるための、どのオプション パラメーターを使用するかが決まります。 どちらの方法でも、対応するソース データがないタイルを埋めるために「NoData」の値が使用されます。 データ形式は、個別の形式の仕様とソース イメージのデータ タイプの制限に依存します。 組み合わせが無効な場合、適切なエラー メッセージが表示されます。

  • タイルがすでに存在する場合 (同じ名前のファイルが存在する場合)、そのタイルは上書きされません。

  • タイルに NoData ピクセル値だけが含まれる場合、そのタイルは作成されません。

  • 標高データ、またはフォーカル関数 ([傾斜角][傾斜方向][陰影起伏] など) を適用する予定のラスター データを操作する場合には、[オーバーラップ] パラメーターを設定することをお勧めします。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力ラスター

分割対象のラスター。

Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Raster Layer
出力フォルダー

新しいラスター データセットの出力先。

Folder
出力ベース名

作成する各ラスター データセットの接頭辞。 各接頭辞には、0 で始まる数字が付記されます。

String
分割方法

ラスター データセットの分割方法を決定します。

  • タイルのサイズタイルの幅と高さを指定します。
  • タイルの数データセットをカラムとロウの数で分割して作成するラスター タイルの数を指定します。
  • ポリゴン フィーチャフィーチャクラスの個々のポリゴン ジオメトリを使用して、ラスターを分割します。
String
出力形式

出力ラスター データセットの形式。

  • Geotiff (*.tif)Tagged Image File Format。 これがデフォルトです。
  • Bitmap (*.bmp)Microsoft ビットマップ。
  • ENVI (*.dat)ENVI DAT。
  • Esri BIL (*.bil)Esri BIL (Band Interleaved by Line)。
  • Esri BIP (*.bip)Esri BIP (Band Interleaved by Pixel)。
  • Esri BSQ (*.bsq)Esri BSQ (Band Sequential)。
  • GIF (*.gif)Graphic Interchange Format。
  • Esri GRIDEsri Grid。
  • ERDAS IMAGINE (*.img)ERDAS IMAGINE。
  • JPEG 2000 (*.jp2)JPEG 2000。
  • JPEG (*.jpeg)Joint Photographic Experts Group。
  • PNG (*.png)Portable Network Graphics。
String
リサンプリング手法
(オプション)

使用しているデータのタイプに基づいて、適切な方法を選択します。

  • 最近隣内挿法最も高速なリサンプリング方法です。ピクセル値の変動を最小化します。 土地被覆のような不連続なデータに適しています。
  • 共一次内挿法周囲 4 ピクセルの値を平均 (距離に対する加重平均) して、各ピクセルの値を計算します。 連続的なデータに適しています。
  • 三次たたみ込み内挿法周囲 16 ピクセルを基準にした滑らかな曲線と一致させて、各ピクセルの値を計算します。 最も滑らかな画像が生成される一方、ソース データの範囲外に値が作成されます。 連続的なデータに適しています。
String
出力ラスターの数
(オプション)

ラスター データセットを分割した後のカラム (x) とロウ (y) の数。 [X 座標] はカラムの数で、[Y 座標] はロウの数です。

Point
出力ラスターのサイズ
(オプション)

出力タイルの X および Y ディメンション。 デフォルトの計測単位はピクセルです。 これは、[出力ラスター サイズとオーバーラップの単位] パラメーターで変更できます。 [X 座標] は、出力タイルの X (水平) 次元で、[Y 座標] は出力タイルの Y (垂直) 次元です。

Point
オーバーラップ
(オプション)

タイルは完全に整列している必要はありません。このパラメーターでタイル間のオーバーラップの量を設定します。 デフォルトの計測単位はピクセルです。 これは、[出力ラスター サイズとオーバーラップの単位] パラメーターで変更できます。

Double
出力ラスター サイズとオーバーラップの単位
(オプション)

[出力ラスターのサイズ] パラメーターおよび [オーバーラップ] パラメーターの計測単位を設定します。

  • ピクセル単位はピクセルです。 これがデフォルトです。
  • メートル単位はメートルです。
  • フィート単位はフィートです。
  • 単位は度 (10 進) です。
  • マイル単位はマイルです。
  • キロメートル単位はキロメートルです。
String
セル サイズ
(オプション)

出力ラスターの空間座標精度。 空白になっている場合、出力セル サイズは入力ラスターと一致します。 セル サイズの値を変更すると、タイル サイズは画像サイズにリセットされ、タイル数は 1 にリセットされます。

Point
左下原点
(オプション)

左下の原点の座標を変更します。ここから、タイル スキーマが開始されます。 空白になっている場合、左下の原点は入力ラスターと同じです。

Point
分割ポリゴン フィーチャクラス
(オプション)

ラスター データセットの分割に使用するフィーチャクラス。

Feature Layer
クリップ タイプ
(オプション)

分割前に、ラスター データセットの範囲を制限します。

  • なし入力ラスター データセットの全範囲を使用します。
  • 範囲クリップ境界として境界四角形を指定します。
  • フィーチャクラス範囲をクリップするフィーチャクラスを指定します。
String
テンプレート範囲
(オプション)

クリップ境界の定義に使用される範囲またはデータセット。 データセットは、ラスターでもフィーチャクラスでもかまいません。

  • [現在の表示範囲] マップ ビュー - 範囲は、アクティブなマップまたはシーンに基づきます。 このオプションは、アクティブなマップが存在する場合にのみ使用できます。
  • [範囲の描画] 直角化して完了 - 範囲は、マップまたはシーンに描画された四角形に基づきます。 このオプションは、プロジェクト ジオデータベースにフィーチャクラスを作成し、レイヤーをマップに追加します。 フィーチャクラスの座標系はマップと同じです。
    注意:

    このオプションは、[環境] ダイアログ ボックスでは使用できません。 範囲データ タイプを使用するツール パラメーターまたはツール ダイアログ ボックスの [環境] タブからのみ使用できます。

    注意:

    編集タブで編集を有効/無効にする編集オプションがオンの場合、範囲を描画するには [編集] リボン タブで編集を有効化する必要があります。

  • [レイヤーの範囲] Layer - 範囲は、アクティブなマップ レイヤーに基づきます。 ドロップダウン リストを使用して使用可能なレイヤーを選択するか、[すべてのレイヤーのデータの範囲] オプションを使用して、ベースマップを除くすべてのアクティブなマップ レイヤーを組み合わせた範囲を取得します。 このオプションは、レイヤーを含むアクティブなマップが存在する場合にのみ使用できます。

    各マップ レイヤーには、次のオプションがあります。

    • [すべてのフィーチャ] すべて選択 - レイヤーのすべてのフィーチャの範囲。
    • [選択フィーチャ]Area from Selected Features - レイヤーの選択フィーチャの範囲。
    • [表示フィーチャ] Extent Indicator - レイヤーの表示フィーチャの範囲。
      注意:

      [選択フィーチャ] Area from Selected Features[表示フィーチャ] Extent Indicator オプションの範囲は、フィーチャ レイヤーでのみ使用できます。

  • [参照] 参照 - 範囲は、既存のデータに基づきます。
  • [クリップボード] 貼り付け - 範囲をクリップボードにコピーしたり、クリップボードから貼り付けたりできます。
    • [範囲をコピー] コピー - 範囲の座標と座標系をクリップボードにコピーします。
    • [範囲を貼り付け] 貼り付け - 範囲の座標と、必要に応じて座標系をクリップボードから貼り付けます。 クリップボードの値に座標系が含まれていない場合、マップの座標系が範囲に使用されます。
    注意:

    範囲の座標は、ArcPy Extent オブジェクトと同じ書式と順序 (x-min、y-min、x-max、y-max、空間参照) を使用して、クリップボードからコピーおよびクリップボードから貼り付けられます。

  • [範囲をリセット] リセット - 範囲はデフォルト値にリセットされます。
  • 手動入力した座標値 - 座標値は数値であり、アクティブなマップの座標系で表示する必要があります。
    注意:

    マップで、入力された座標と異なる表示単位が使用されることがあります。 基本方向 (N、S、E、W) を使用することはできません。 南と西の座標にはマイナス値の記号を使用します。

Extent
NoData 値
(オプション)

指定した値を持つすべてのピクセルが、出力ラスター データセットでは NoData に設定されます。

String

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
更新されたフォルダー

出力フォルダー。

Folder

arcpy.management.SplitRaster(in_raster, out_folder, out_base_name, split_method, format, {resampling_type}, {num_rasters}, {tile_size}, {overlap}, {units}, {cell_size}, {origin}, {split_polygon_feature_class}, {clip_type}, {template_extent}, {nodata_value})
名前説明データ タイプ
in_raster

分割対象のラスター。

Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Raster Layer
out_folder

新しいラスター データセットの出力先。

Folder
out_base_name

作成する各ラスター データセットの接頭辞。 各接頭辞には、0 で始まる数字が付記されます。

String
split_method

ラスター データセットの分割方法を決定します。

  • SIZE_OF_TILEタイルの幅と高さを指定します。
  • NUMBER_OF_TILESデータセットをカラムとロウの数で分割して作成するラスター タイルの数を指定します。
  • POLYGON_FEATURESフィーチャクラスの個々のポリゴン ジオメトリを使用して、ラスターを分割します。
String
format

出力ラスター データセットの形式。

  • TIFFTagged Image File Format。 これがデフォルトです。
  • BMPMicrosoft ビットマップ。
  • ENVIENVI DAT。
  • Esri BILEsri BIL (Band Interleaved by Line)。
  • Esri BIPEsri BIP (Band Interleaved by Pixel)。
  • Esri BSQEsri BSQ (Band Sequential)。
  • GIFGraphic Interchange Format。
  • GRIDEsri Grid。
  • IMAGINE IMAGEERDAS IMAGINE。
  • JP2JPEG 2000。
  • JPEGJoint Photographic Experts Group。
  • PNGPortable Network Graphics。
String
resampling_type
(オプション)

使用しているデータのタイプに基づいて、適切な方法を選択します。

  • NEAREST最も高速なリサンプリング方法です。ピクセル値の変動を最小化します。 土地被覆のような不連続なデータに適しています。
  • BILINEAR周囲 4 ピクセルの値を平均 (距離に対する加重平均) して、各ピクセルの値を計算します。 連続的なデータに適しています。
  • CUBIC周囲 16 ピクセルを基準にした滑らかな曲線と一致させて、各ピクセルの値を計算します。 最も滑らかな画像が生成される一方、ソース データの範囲外に値が作成されます。 連続的なデータに適しています。
String
num_rasters
(オプション)

ラスター データセットを分割した後のカラム (x) とロウ (y) の数。 これは、X 座標と Y 座標がロウとカラムの数を定義するポイントです。 X 座標はカラムの数で、Y 座標はロウの数です。

Point
tile_size
(オプション)

出力タイルの X および Y ディメンション。 デフォルトの計測単位はピクセルです。 これは units パラメーターで変更できます。 これは、X 座標と Y 座標が出力タイルの次元を定義するポイントです。 X 座標は出力の水平次元で、Y 座標は出力の垂直次元です。

Point
overlap
(オプション)

タイルは完全に整列している必要はありません。このパラメーターでタイル間のオーバーラップの量を設定します。 デフォルトの計測単位はピクセルです。 これは units パラメーターで変更できます。

Double
units
(オプション)

tile_size および overlap パラメーターの計測単位を設定します。

  • PIXELS単位はピクセルです。 これがデフォルトです。
  • METERS単位はメートルです。
  • FEET単位はフィートです。
  • DEGREES単位は度 (10 進) です。
  • MILES単位はマイルです。
  • KILOMETERS単位はキロメートルです。
String
cell_size
(オプション)

出力ラスターの空間座標精度。 空白になっている場合、出力セル サイズは入力ラスターと一致します。 セル サイズの値を変更すると、タイル サイズは画像サイズにリセットされ、タイル数は 1 にリセットされます。

Point
origin
(オプション)

左下の原点の座標を変更します。ここから、タイル スキーマが開始されます。 空白になっている場合、左下の原点は入力ラスターと同じです。

Point
split_polygon_feature_class
(オプション)

ラスター データセットの分割に使用するフィーチャクラス。

Feature Layer
clip_type
(オプション)

分割前に、ラスター データセットの範囲を制限します。

  • NONE入力ラスター データセットの全範囲を使用します。
  • EXTENTクリップ境界として境界四角形を指定します。
  • FEATURE_CLASS範囲をクリップするフィーチャクラスを指定します。
String
template_extent
(オプション)

クリップ境界の定義に使用される範囲またはデータセット。 データセットは、ラスターでもフィーチャクラスでもかまいません。

  • MAXOF - すべての入力データの最大範囲が使用されます。
  • MINOF - すべての入力データに共通する最小領域が使用されます。
  • DISPLAY - 範囲は、表示範囲と同じになります。
  • レイヤー名 - 指定したレイヤーの範囲が使用されます。
  • Extent オブジェクト - 指定したオブジェクトの範囲が使用されます。
  • 座標のスペース区切りの文字列 - 指定した文字列の範囲が使用されます。 座標は、x-min、y-min、x-max、y-max の順序で表されます。
Extent
nodata_value
(オプション)

指定した値を持つすべてのピクセルが、出力ラスター データセットでは NoData に設定されます。

String

派生した出力

名前説明データ タイプ
derived_out_folder

出力フォルダー。

Folder

コードのサンプル

SplitRaster の例 1 (Python ウィンドウ)

以下は、SplitRaster 関数を実行する Python サンプルです。

import arcpy
arcpy.SplitRaster_management("c:/source/large.tif", "c:/output/splitras",
                             "ras", "NUMBER_OF_TILES", "TIFF", "NEAREST",
                             "2 2", "#", "10", "PIXELS", "#", "#")
SplitRaster の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

以下は、SplitRaster 関数を実行する Python スクリプトのサンプルです。

##====================================
##Split Raster
##Usage: SplitRaster_management in_raster out_folder out_base_name SIZE_OF_TILE
##                              | NUMBER_OF_TILES | TIFF | BMP | ENVI | ESRI BIL |
##                              ESRI BIP | ESRI BSQ | GIF | GRID | IMAGINE IMAGE | 
##                              JP2 | JPG | PNG {NEAREST | BILINEAR | CUBIC | 
##                              MAJORITY} {num_rasters} {tile_size} {overlap} 
##                              {PIXELS | METERS | FEET | DEGREES | KILOMETERS | 
##                              MILES} {cell_size} {origin}
    
import arcpy
arcpy.env.workspace = r"\\myServer\PrjWorkspace\RasGP"

##Equally split a large TIFF image by number of images
arcpy.SplitRaster_management("large.tif", "splitras", "number", "NUMBER_OF_TILES",\
                             "TIFF", "NEAREST", "2 2", "#", "4", "PIXELS",\
                             "#", "#")

##Equally split a large TIFF image by size of images
arcpy.SplitRaster_management("large.tif", "splitras", "size2", "SIZE_OF_TILE",\
                             "TIFF", "BILINEAR", "#", "3500 3500", "4", "PIXELS",\
                             "#", "-50 60")

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