SQL Server へのログインとユーザーの追加

Microsoft SQL Server では、データベース管理者は、ログインを SQL Server インスタンスに追加し、それらのログインを SQL Server インスタンス上の各データベース内のユーザーにマップします。 テーブルとフィーチャクラスを作成するデータベース ユーザーは、それらのオブジェクトをデータベースに作成するために必要な権限を持つ必要があり、それらのオブジェクトを作成できるスキーマを所有する必要があります。 ArcGIS を使用する場合、そのスキーマの名前は、データベース ユーザー名と同じである必要があります。

[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ジオプロセシング ツール、または management.CreateDatabaseUser ArcPy 関数を呼び出す Python スクリプトを使用して、以下の操作をすべて実行できます。

• ログインを SQL Server インスタンスに作成または追加する。
• 指定したログインにマップされるユーザーを作成する。
• ユーザーに対応するスキーマを、指定したデータベースに作成する。
• 指定したデータベースにテーブル、フィーチャクラス、およびビューを作成する権限をユーザーに付与する。

データを作成できるユーザーの追加

ArcGIS AllSource から [データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ツールを実行するか、Python スクリプトで management.CreateDatabaseUser ArcPy 関数を呼び出して、テーブル、フィーチャクラス、およびビューを作成する権限を持つデータベース ユーザーを作成できます。

[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ツールまたは management.CreateDatabaseUser 関数を実行するには、SQL Server インスタンスに対する sysadmin 権限を持つログインを使用してデータベースに接続している必要があります。

Microsoft Windows ログイン用のデータベース ユーザーを作成するには、ツールまたは関数を実行する前にそのログインが存在している必要があります。

データベース ユーザーの作成 (Create Database User) ツールの使用

[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ツールを使用して SQL Server にデータベース ユーザーを作成するには、次の手順に従います。

1. ArcGIS AllSource を起動します。
2. SQL Server インスタンスでの sysadmin 権限を持つログインを使用してデータベースまたはジオデータベースに接続します。
3. [データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ツールを開きます。

   このツールは、データ管理ツールボックスのジオデータベース管理ツールセットにあります。

4. [入力データベース接続] で、データベース接続を指定します。
5. SQL Server 認証ログインを作成するか、または既存の Windows 認証ログインを使用するかを選択します。
   • SQL Server 認証ログインを作成するには、[オペレーティング システム認証ユーザーの作成] をオフのままにします。 デフォルトでは、SQL Server インスタンスは Windows 認証のみを使用します。 インスタンスが、SQL Server 認証と Windows 認証を使用するように構成されていない場合、データベース認証ログインの作成を選択すると失敗します。
   • 既存の Windows 認証ログインを使用する場合は、[オペレーティング システム認証ユーザーの作成] をオンにします。
6. ツールが作成するデータベース ユーザーの名前を入力します。

   SQL Server 認証ログインを作成する場合、ここで入力した名前はログインにも使用されます。

7. データベース ユーザーのパスワードを入力します。
8. このユーザーを追加するデータベース ロールがすでに存在する場合は、そのロールを指定します。
9. [実行] をクリックします。

Python スクリプトの実行

ユーザーの作成をスクリプト化するには、以下の手順に従います。

1. ArcGIS クライアント コンピューター上でテキスト ファイルを作成し、そのファイルに以下のコード ブロックのいずれかをコピーします。

   自分のサイトに固有の情報を使用するようにコードを変更します。

   これらの例では、SQL Server インスタンスでの sysadmin 権限を持つユーザーとして接続する既存のデータベース コネクション ファイルがあることを前提としています。 コネクション ファイルが存在しない場合は、スクリプトを実行する前にファイルを作成します。

   # Name: createdatabaseuser_exampleW.py
   # Description: Uses existing database connection file
   # on a Windows computer to create a database user in SQL Server.
   
   # Import arcpy module
   import arcpy
    
   # Provide a database connection file for the system administrator user.
   connection = "C:\\ArcGIS\connection_files\<Connection file>.sde"
   
   # Process: Create database user that can create data for an existing operating system login.
   arcpy.CreateDatabaseUser_management(connection, "OPERATING_SYSTEM_USER", "NETWORKNAME\\username")

   # Name: createdatabaseuser_exampleL.py
   # Description: Uses existing database connection file
   # on a Linux computer to create a database user in SQL Server.
   
   # Import arcpy module
   import arcpy
    
   # Provide a database connection file for the system administrator user.
   connection = "<user>/connections/<Connection_file>.sde"
   
   # Process: Create a new database login and user that can create data.
   arcpy.CreateDatabaseUser_management(connection, "DATABASE_USER", "dbuser", "t3mpor@rypL@ceholder1")

2. .py 拡張子を付けてファイルを保存します。
3. ArcGIS AllSource (Standard または Advanced) または ArcGIS Server がインストールされているコンピューターからスクリプトを実行します。

   ArcGIS Server コンピューターからの Python の実行については、「ArcGIS Server および ArcPy」をご参照ください。

これで、テーブルとフィーチャクラスを作成する権限を持つユーザーがデータベースに作成されました。

テーブルとフィーチャクラスを作成した後、データ所有者はデータセットに対する権限を他のユーザーに付与できます。 手順については、「データベースとエンタープライズ ジオデータベースの権限の付与と取り消し」をご参照ください。

SQL Server ツールを使用したログインとユーザーの作成

[データベース ユーザーの作成 (Create Database User)] ツールで付与される権限とは異なる権限を持つユーザー、またはユーザーに直接付与される権限を持たないユーザーを作成する場合、SQL Server ツールを使用して作成できます。 ArcGIS で使用する独自のログインおよびユーザーを作成する場合、以下のような注意事項があります。

• データを作成するすべてのデータベース ユーザーは、データベース内にスキーマを所有している必要があります。 スキーマの名前は、ユーザー名と同じにする必要があります。
• 個々の Windows ログインの代わりに、Windows グループに SQL Server へのアクセス権限を付与すると、ログインの作成と管理が簡単になります。 Windows グループのすべてのメンバーが SQL Server にサイン インできます。 グループに付与されたサーバー権限、データベース権限、およびデータセット権限は、グループのすべてのメンバーに自動的に適用されます。 ただし、スキーマを 1 つだけ作成して、そこにグループの全メンバーが作成したデータを格納することはできません。 ジオデータベース内にデータを作成する、グループの各ユーザーは、データを格納するための独自のスキーマを持つ必要があります。 SQL Server は、グループ メンバーがデータを最初に作成したときに、データベース内にユーザーとスキーマを作成します。 これは自動的に処理されます。スキーマとユーザーを手動で作成しないでください。

SQL Server ツールを使用してログイン、ユーザー、およびスキーマを作成する手順については、Microsoft SQL Server のドキュメントをご参照ください。