ストリーム レイヤー

ストリーム レイヤーとは、ストリーム サービスをデータ ソースとするフィーチャ レイヤーです。 これらのレイヤーでは、観測データがライブのリアルタイム データセットを参照します。 観測データには、位置または属性のいずれか、もしくはその両方に対する変更が含まれていることがあります。 ストリーム レイヤーには、ポイント、ポリライン、またはポリゴン フィーチャを含めることができます。

他のフィーチャ レイヤーでは、データを明示的に呼び出すサービスをデータ ソースとして使用しますが、ストリーム レイヤーでは、ストリーム サービスでブロードキャストされたデータのストリームを受信します。 ブロードキャストされたデータに合わせてストリーム レイヤーで表示が動的に更新されます。 つまり、サブスクリプションの開始前にストリームされたフィーチャを操作したり、表示したりすることはできません。 ほとんどの場合、フィーチャは不定期にブロードキャストされます。

空間ストリーム レイヤーと属性のみストリーム レイヤー

ArcGIS AllSource は、空間ストリーム レイヤーおよび属性のみストリーム レイヤーという 2 種類のストリーム レイヤーに対応しています。 空間ストリーム レイヤーには、位置が変化するフィーチャ (飛行機、ハリケーン、ゼニガタ アザラシなど) が含まれています。 属性のみストリーム レイヤーには、位置は固定されているが、属性が変化するフィーチャ (気象観測所や量水標など) が含まれています。

空間ストリーム レイヤーは、ジオメトリを含むストリーム サービスに関連付けられています。 このストリーム サービスは、位置が変化するフィーチャのソースであり、可変属性が含まれていることもあります。 また、空間ストリーム レイヤーは、個別のフィーチャ サービスに関連付けられている場合があります。 関連フィーチャ サービスには、ストリーミング フィーチャの固定された不変属性が保持されます。 たとえば、航空機のストリーム サービスには、各航空機の位置と変化する速度および高度が含まれます。 関連フィーチャ サービスには、各航空機の機種、航空会社、座席数などの不変属性が保持されます。

属性のみストリーム レイヤーには、関連フィーチャ サービスをフィーチャ ジオメトリの格納場所として含める必要があります。 ストリーミング データの内容はすべて、非空間の可変属性です。 たとえば、量水標のストリーム サービスには、水位、水流、水温の可変データが含まれますが、量水標自体の不変位置は関連フィーチャ サービスに保持されます。 位置が変化しないため、値を使用して、ストリーム フィーチャをラベル付けするか、変化に合わせてシンボルを変更することができます。

ArcGIS AllSource 内でストリーム サービスのタイプを変更することはできません。 このタイプはストリーム サービス定義で設定されています。 [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [ソース] タブで、[データ ソース] 見出しの下にある [ストリーム サービス タイプ] プロパティにストリーム サービス ソースが [空間] または [属性のみ] として表示されます。

関連フィーチャ サービス

ストリーム サービス タイプに関係なく、個別のフィーチャ サービスとのリレーションシップはストリーム サービス定義の一部となります。 ArcGIS AllSource 内でストリーム サービスとのリレーションシップを追加したり変更したりすることはできません。 ストリーム サービスを ArcGIS AllSource に追加して、ストリーム レイヤーを作成すると、リレーションシップが認識され、関連フィーチャ サービスから自動的に情報が取得されます。 たとえば、属性のみ (水位など) をブロードキャストするストリーム サービスを追加し、そのストリーム サービスが量水標の位置のレイヤーに関連付けられている場合、ストリーム レイヤーは位置を取得した後、水位のデータがブロードキャストされるまで待機します。 新しいデータを受信するごとにマップが更新されるため、リアルタイムで継続して水位を観測できます。

[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [ソース] タブで、[サービスのケーパビリティ] 見出しの下にある [関連するサービス ロケーション] プロパティに関連フィーチャ サービスが表示されます。 関連フィーチャ サービスはストリーム サービスごとに 1 つだけです。

マップまたはシーンへのストリーム レイヤーの追加

ストリーム レイヤーの操作とシンボル表示の方法は、標準的なフィーチャ レイヤーとほとんど同じです。 マップまたはシーンにストリーム レイヤーを追加するには、ポータル アイテムを使用するか、サーバー接続ノードから直接行うか、パスを指定します。

ポータル アイテムの指定

ポータル アイテムを指定してマップやシーンにストリーム レイヤーを追加するには、次の手順を実行します。

  1. [カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブで、コンテンツやグループ、ポータル、または Living Atlas of the World からソースとしてストリーム レイヤーを参照するフィーチャ レイヤー アイテムを検索または参照します。
  2. アイテムを右クリックして、マップまたはシーンに追加します。

サーバー接続の指定

サーバーからマップやシーンにストリーム レイヤーを追加するには、次の手順を実行します。

  1. サーバーに接続していることを確認します。
  2. [カタログ] ウィンドウの [プロジェクト] タブで [サーバー] ノードを展開し、接続されたサーバーを展開します。
  3. ストリーム サービス ストリーム サービス を右クリックして、マップまたはシーンに追加します。

パスの指定

ストリーム サービスへのパスを指定してマップやシーンにストリーム レイヤーを追加するには、次の手順を実行します。

  1. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[パスからのデータの追加] パスからのデータ をクリックします。
  2. ストリーム サービスのパスまたは URL を入力します。 例: https://geoeventsample1.esri.com:6443/arcgis/rest/services/LABus/StreamServer
  3. [追加] をクリックし、マップまたはシーンの新規レイヤーとしてストリーム サービスを追加します。

ストリーム レイヤーがトラック対応かどうかの判断

トラック対応のストリーム レイヤーとは、実世界の単一のオブジェクトに相当するストリーム フィーチャを、トラック ID という共通の属性でリンクするレイヤーのことです。 たとえば、航空機を表すストリーム レイヤーは、[トラック ID フィールド] を使用して、単一の航空機のすべての観測データをグループ化し、近隣の航空機の観測データと区別することができます。

ストリーム レイヤーがトラック対応である場合、マップまたはシーン内の観測データの総数ではなく、オブジェクトの有効期限をトラックごとに指定します。 トラックの現在の観測データは、以前の観測データとは別にシンボル表示できるため、区別することができます。 トラック対応のポイント ストリーム レイヤーでは、必要に応じて、トラック ラインを描画して以前の観測データを接続し、フィーチャが移動した経路を表示することができます。 トラック ラインは、フィーチャが経路を横断する傾向がある場合に特に役立ちます。

3 つのストリーミング フィーチャと各フィーチャの 4 つの以前の観測データがトラック ラインで接続された状態の画像
3 つのフィーチャの現在の位置とフィーチャごとの 4 つの以前の観測データがすべてトラック ラインで接続された状態を示すトラック対応のストリーム レイヤー。

トラック対応状態は、ソース ストリーム サービスで指定します。 ソース ストリーム サービスがトラック対応ではない場合、ArcGIS AllSource でストリーム レイヤーをトラック対応にすることはできません。

ストリーム レイヤーがトラック対応であるかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、ストリーム レイヤーを右クリックし、[プロパティ] プロパティ をクリックします。
  2. [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [ソース] タブで [トラック対応] エントリを確認します。 値が [はい] であれば [トラック ID フィールド] エントリも表示されるため、1 つのオブジェクト (航空機など) のすべての観測データを 1 つにグループ化する属性にこのエントリを設定します。

最新のアーカイブされたロケーションの表示

ストリーム サービスには、最新の観測データをアーカイブするフィーチャ サービスへの参照が含まれることがあります。 この機能を持つストリーム サービスが、ストリーム レイヤーとしてマップまたはシーンに追加されると、アーカイブされたフィーチャ サービスの観測データは即座に表示されます。ストリームされた観測データは、ストリーム サービスから受信すると同時に到着します。 このようにしてフィーチャ サービスからアーカイブされたロケーションを表示することは、観測データをめったに受信しないトラック対応のストリーム レイヤーを使用する場合に特に便利です。

最新のアーカイブされたロケーションのフィーチャ サービスは、ソース ストリーム サービスで指定されます。 フィーチャ サービスがソース ストリーム サービスで有効になっていない場合は、ArcGIS AllSource でストリーム レイヤーに追加することはできません。

ストリーム レイヤーがマップまたはシーンに追加されたときに、最新のアーカイブされたロケーションを表示できるかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、ストリーム レイヤーを右クリックし、[プロパティ] プロパティ をクリックします。
  2. [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [ソース] タブで、[サービスのケーパビリティ] 見出しを展開し (ある場合)、[最新のアーカイブされたロケーション] エントリを表示して、アーカイブされた観測データを格納するフィーチャ サービスへのパスを確認します。