コンター関数は、ラスター標高レイヤーの同じ標高のポイントを結合して、コンター ラインを生成します。 コンターは、視覚化のためにラスターとして作成された等値線です。
この関数の性能を高める主要な機能には次のようなものがあります。
- コンターは、World Elevation のような非常に大規模なデータセットに対してすばやく動的に生成されます。
- コンターをスムージングすることで、よりカートグラフィに適した外観を表示すると同時に、コンターの精度を維持できます。
- コンター間隔に対する動的制御が可能です。
- 出力オプションには、コンター ライン、インデックス コンター、塗りつぶしコンターがあります。
備考
マップ上にオーバーレイできるコンターは、下にあるデータを隠すことなくテレインに関する情報を提供できるため、コンター レイヤーをラスター プロダクトとして作成すると、幅広い用途で活用できます。 これらは、エンジニアリング、農業、水管理などの用途で役立ちます。
この関数によって生成されたコンターはラスターであるため、簡単にラベリングできません。 多くの場合、デジタル マップ上でコンター ラベルは必要なく、コンター レイヤーを使用して、基になるマップと画像にテレインの背景を提供することが一般的です。
標高データセットから生成されるコンターは値 1 を持つラスターです。 太字のインデックス コンターは値 2 を保持します。 ソース標高レイヤーに基づいてコンターの標高値を表示するには [個別属性] を使用します。このツールは、マップと画像上のコンター、ポイント、主要フィーチャ、およびスポット標高の標高を返します。
コンター間隔は、静的な値として定義することも、[コンター数] パラメーターとともに動的に変化するように設定する (表示内のテレインの起伏に基づいて自動的に変化する) こともできます。 動的モードでは、表示されるコンターの概数が定義されます。この関数は「1、5、10」などの標準化された間隔を維持しながら、適切なコンター間隔を計算します。 [コンター数] パラメーターを設定すると、[コンター間隔] パラメーターが無効になります。
[コンター タイプ] が [平滑化のみ] に設定されている場合は、アダプティブ フィルターを使用して入力標高レイヤーがスムージングされますが、コンターは生成されません。 この場合、スムージングされた出力レイヤーを [ラスター サーフェス] ツールセット内の各種ツールや ベクター [コンター (Contour)] ツールにエクスポートして入力できます。
関数パラメーターを調整して、特定の結果を得る方法の例として、WGS_84 地理座標系で標高値がメートル単位の入力ラスターに対して、50 フィートをベースに 100 フィートごとにコンター ラインを生成する場合を考えます (つまり、コンターは 50 フィート、150 フィート、250 フィートなどとなります)。 この場合、[コンター間隔] を 100 に、[ベース コンター] を 50 に、[Z 係数] を 3.2808 にそれぞれ設定します。
パラメーター
パラメーター名 | 説明 |
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ラスター | シングルバンド ラスター標高レイヤー。 |
アダプティブ スムージング | コンターラインに適用されるスムージング量。 デフォルト値は 2.5 です。 値を小さくすると、低レベルにスムージングされた、より粒度の高いコンター ラインが生成され、反対に値を大きくすると、高レベルにスムージングされ、ギザギザが目立たないコンター ラインが生成されます。 |
コンター タイプ | 作成されるコンターのタイプ。
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Z ベース | ベース コンター値。 入力ラスターの値の範囲全体をカバーするように、必要に応じてこの値の上下にコンターが生成されます。 デフォルトは 0 です。 一般的に、値 0 は、ソース標高データセットによって異なる平均海面を表します。 |
コンター数 | 表示内に生成されるコンターの数。 この数値を設定すると、「1、5、10」などの標準化された間隔を維持しながら、表示内にテレインが収まるようにコンター間隔が動的に調整されます。 |
コンター間隔 | コンター ライン間の高度差。 相対的に平坦なエリアでは小さなコンター間隔が使用されるのに対して、高度が変動する、つまり山の多いテレインでは大きなコンター間隔が使用されます。 |
太い N 番目の等高線 | 太字のラインで表されるインデックス コンター。 デフォルト値は 5 です。これによると、5 本おきにコンター ラインが太字になります。 |
Z 係数 | コンターを生成するときに使用する単位変換係数。 デフォルト値は 1 です。 コンター ラインは、入力ラスターの Z 値に基づいて生成されます。これは、多くの場合、メートルまたはフィート単位です。 デフォルト値が 1 の場合、コンターは入力ラスターの Z 値と同じ単位になります。 Z 値とは異なる単位のコンターを作成するには、Z 係数に適切な値を設定します。 このツールでは、地表 X、Y 単位とサーフェス Z 単位を一致させる必要はありません。 たとえば、入力ラスターの標高値はフィート単位であるが、コンターはメートル単位で生成したい場合、Z 係数を 0.3048 に設定します (1 フィート = 0.3048 メートルであるため)。 |
コンター関数の追加情報
地図学的にスムージングされたコンター
コンター関数の主な機能は、ギザギザの形状のアーチファクトが削除され、地図学的に改善されたコンターを生成できることです。 高精度/高解像度の標高サーフェスをより簡単に利用できるようになった現在では、これらのソースから生成されるコンターに多数のギザギザのアーチファクトが含まれることが少なくありません。
以下の例はスムージングの効果を示したものです。最初の例はスムージングが適用されていないコンター、2 番目の例は、アダプティブ フィルタリングを使用してスムージングされているコンターを示しています。 スムージングされたコンターは、よりカートグラフィに適した外観になりますが、精度は保たれます。
コンターは、一般的に、カートグラフィック プロダクトの生成時にスムージングされます。 スムージングではできるだけ正確にテレインを表現する必要があります。これは、特に高度が変動するテレインに平坦なエリアと傾斜が大きいエリアが含まれていたり、急激な地形の変化が存在したりする場合に当てはまります。 したがって、テレインに対してただ単にメディアン (中央値) スムージング フィルターを適用することは適切ではありません。 コンター ラインの正確なスムージングは、複雑で時間のかかる処理です。コンター関数は、コンターの生成前にデジタル標高モデル (DEM) に対するアダプティブ スムージング アルゴリズムを使用します。 スムージングは、傾斜角によってサイズが変化するある種のメディアン フィルターと見なすことができます。 傾斜角が急になっても必要な詳細を維持しながら、ギザギザのアーチファクトが平坦なエリアから除去されるように、傾斜が大きいエリアよりも平坦なエリアに対してより高レベルのスムージングが実行されます。 アダプティブ フィルターが適用されると、結果として、河川や稜線、丘の頂上、その他の重要な地形フィーチャが十分に表現された状態を維持できます。
ベクター コンター
スムージングされたベクター コンターがフィーチャクラス形式で必要とされる場合は、次の 2 つのステップで作成できます。 最初に、次の図に示すように [コンターのスムージングのみ] タイプを使用し、結果として生成される DEM を、ディスクに保存されるラスターとしてエクスポートするか、[平滑化のみ] オプションの結果を含むラスター レイヤーを保存します。 次に、ArcGIS Spatial Analyst エクステンション で使用可能なコンター関数を使用し、スムージングされた DEM またはラスター レイヤーを入力として指定してベクター コンターを生成します。 結果のコンターは、ラスター関数によって生成されるコンターと同じ形式になります。 その後、必要に応じてベクター コンターをラベリングできます。
塗りつぶしコンター
この関数には、塗りつぶしコンター領域を生成するオプションもあります。 基本的に、コンター間のスペースが、NoData になるのではなく、量子化された標高値を表す値で塗りつぶされます。 また、塗りつぶしコンターを [ガウス分布のシグマ] アダプティブ スムージング フィルターと組み合わせて使用することもできます。