[線密度 (Line Density)] ツールは、各出力ラスター セルの近傍にあるライン フィーチャの密度を計算します。 密度は、長さ/面積の単位で計算されます。
概念としては、検索範囲を使用して、各ラスター セルの中心の周囲に円が作図されます。 この円内にある各ライン セグメントの長さに、[Population フィールド] の値が乗算されます。 これらの数値が合計され、円の面積で除算されます。 以下の図に、この概念を示します。
上の図は、ラスター セルとその円形の近傍を示しています。 L1 と L2 は、円内にある各ラインの部分の長さです。 対応する Population フィールドの値は V1 と V2 です。 したがって、式は次のようになります。
Density = ((L1 * V1) + (L2 * V2)) / (area_of_circle)
[Population フィールド] で [NONE] 以外の設定を使用する場合、ラインの長さは、実際の長さにそのラインの [Population フィールド] の値を乗算したものになります。
[線密度 (Line Density)] ツールの考えられる用途として、野生生物の生息地に影響する道路の密度、市街地の電線や水道管の密度などの特定があります。 Population フィールドを使用すれば、サイズやクラスに応じて、一部の道路、電線、水道管などを加重することができます。 たとえば、中央分離帯のある高速道路は未舗装の細い道路よりも大きな影響があり、高圧線は通常の電柱よりも大きく影響します。
Units
デフォルトでは、面積の単位は、入力するライン フィーチャの投影法の距離単位に基づいて選択されるか、出力座標系の環境設定で指定されます。 線密度は、面積の単位の係数が指定されている場合、長さと面積の両方の単位を変換します。
たとえば、距離単位がメートルの場合、出力の面積の単位はデフォルトで [平方キロメートル] になり、得られる線密度の単位はキロメートル/平方キロメートルになります。 最終的には、メートルの面積の係数がキロメートルと比較され、1,000 倍異なる密度の値になります。
次に、その他のデフォルトの単位変換について説明します。
デフォルトの単位変換
タイプ | 入力距離単位 | 出力面積単位 |
---|---|---|
メートル法 | ||
メートル | 平方キロメートル | |
キロメートル | 平方キロメートル | |
センチメートル | 平方センチメートル | |
ミリメートル | 平方ミリメートル | |
ヤード・ポンド法 | ||
フィート | 平方マイル | |
マイル | 平方マイル | |
海里 | 平方マイル | |
ヤード | 平方マイル | |
インチ | 平方インチ | |
Spherical | ||
度 (10 進) | 平方マイル |
密度の単位は、手動で適切な係数を選択して制御することもできます。 たとえば、入力フィーチャの単位がメートルの場合、デフォルトの出力はキロメートル/平方キロメートルになります。 密度をメートル/平方メートルにするには、面積の単位を [平方メートル] に設定します。 同様に、出力の密度の単位をマイル/平方マイルにするには、面積の単位を [平方マイル] に設定します。
密度を異なる単位に換算するには、出力密度を適切な係数で乗算する必要があります。 たとえば、密度をメートル/平方メートルからマイル/平方メートルに変換するには、出力の密度を係数 1,609.344 (1 マイルをメートルに換算) で乗算します。
参考文献
Silverman, B. W. Density Estimation for Statistics and Data Analysis. New York: Chapman and Hall, 1986.