地理空間加重回帰分析 (Geographically Weighted Regression (GWR)) (空間統計)

サマリー

空間的に変化する関係をモデリングするときに使用される局所形の線形回帰である、地理空間加重回帰分析を実行します。

注意:

このツールは、[地理空間加重回帰分析 (Geographically Weighted Regression) (GWR)] という廃止された類似のツールの後継として ArcGIS Pro 2.3 に追加されました。 このツールには、過去数年間に開発された方法の改善が含まれ、追加のモデルがサポートされています。

地理空間加重回帰分析 (GWR) の詳細

GWR ツールの図
地理空間加重回帰分析はローカルの回帰モデルです。 係数が空間全体で変化することができます。

使用法

  • このツールは、空間的に変化する関係をモデリングするときに使用される局所形の線形回帰である、地理空間加重回帰分析 (GWR) を実行します。 GWR ツールは、データセット内のあらゆるフィーチャに回帰方程式をあてはめることで、理解または予測しようとしている変数またはプロセスのローカル モデルを作成します。 GWR ツールでは、各ターゲット フィーチャの近傍内に存在するフィーチャの従属変数と説明変数を組み込んで、このような別々の方程式を作成します。 各近傍の形状と範囲は、[近傍タイプ][近傍選択方法] パラメーターに対する入力に基づきますが、これには 1 つの制約があります。近隣のフィーチャ数が 1000 を超えると、各局所方程式には最近隣の 1000 個だけが組み込まれます。

  • 最善の結果となるよう、GWR は数百のフィーチャを持つデータセットに適用してください。 この手法は、小さなデータセットへの使用には適していません。 このツールをマルチポイント データに使用することはできません。

  • [入力フィーチャ] パラメーターは、モデル化している現象 ([従属変数] 値) を表すフィールドと [説明変数] 値を表す 1 つ以上のフィールドとともに使用します。 これらのフィールドは、数値で値の範囲を持つ必要があります。 従属変数または説明変数に欠損値があるフィーチャは、解析から除外されます。ただし、[欠損値の補完 (Fill Missing Values)] ツールを使用して、GWR ツールを実行する前にデータセットを完全なものにすることができます。

  • 注意:

    GWR ツールでは、各種出力を生成できます。 地理空間加重回帰分析モデルのサマリーは、ツールの操作中に [ジオプロセシング] ウィンドウの下部でメッセージとして利用できます。 このメッセージにアクセスするには、[ジオプロセシング] ウィンドウで、進行状況バーにポインターを合わせるか、ポップアップ ボタンをクリックするか、メッセージ セクションを展開します。 ジオプロセシング履歴を介して、以前に実行した GWR ツールのメッセージにアクセスすることもできます。

    また、GWR ツールは、[出力フィーチャ] の値を生成し、ローカルな診断値を報告するフィールドを追加します。 [出力フィーチャ] の値と関連するチャートは、残余をモデリングできるよう、ホット/コールド レンダリング方式が適用された状態で、コンテンツ ウィンドウに自動的に追加されます。 各出力およびチャートの詳細な説明については、「地理空間加重回帰分析の詳細」をご参照ください。

  • 指定する [モデル タイプ] の値は、モデル化しているデータによって異なります。 回帰分析の正確な結果を得るには、解析に正しいモデルを使用することが重要です。

  • 投影データを使用することをお勧めします。 これは、距離が分析の要素になっている場合には、[近傍タイプ] パラメーターに [距離バンド] を指定すると、地理空間加重回帰分析にとっても距離が成分となるため、特に重要です。 データの投影法には、(地理座標系ではなく) 投影座標系を使用することをお勧めします。

  • GWR ツールによる計算の中には、パフォーマンス向上のために複数の CPU を利用するものもあり、この場合は自動的に最大 8 つのスレッド/CPU が処理に使用されます。

  • [GWR] ツールを使用しデータをローカルに調査する前に、一般化線形回帰ツールを使用してデータをグローバルに調査する方法が一般的です。

  • [従属変数] および [説明変数] パラメーター値は、さまざまな値を含む数値フィールドである必要があります。 これらの値には、グローバルおよびローカルなばらつきがあります。 このため、地理空間加重回帰分析モデルでは、別の空間様式を表すダミーの説明変数を使用しないでください (都心外の国勢調査地区に 1 という値を割り当て、それ以外にはすべて 0 という値を割り当てるなど)。 GWR ツールでは、説明変数の係数が異なっていてもよいため、このような空間様式の説明変数が不要です。これを含めてしまうと、局所的な多重共線性の問題が生じます。

  • [一般化線形回帰] のようなグローバル回帰モデルでは、複数の変数が多重共線性を示すと (複数の変数が冗長であるか、同じ「ストーリー」を語るとき)、結果は信頼できません。 GWR ツールでは、データセットの各フィーチャについて、ローカル回帰方程式が構築されます。 特定の説明変数の値が空間的にクラスタリングしている場合は、ローカル多重共線性が問題となっている可能性が高いといえます。 ローカル多重共線性のために不安定な結果になっているかどうかは、出力フィーチャクラスの条件数フィールド (COND) で確認できます。 一般的に、条件数が 30 を上回っている場合、NULL に等しい場合、またはシェープ ファイルの場合であれば -1.7976931348623158e+308 に等しい場合の結果には信頼性がありません。 条件数は、モデル内の説明変数の数を補正するようにスケール調整されます。 これによって、異なる数の説明変数を使用するモデル間で条件数を直接比較できるようにします。

  • 地理空間加重回帰分析モデルに名義またはカテゴリ データを含める場合には、注意してください。 カテゴリが空間的にクラスタリングしているようなときには、ローカル多重共線性の問題が生じるリスクがあります。 ローカル共線性が問題となっているかどうかは、地理空間加重回帰分析出力に含まれている条件数からわかります (条件数が 0 未満、30 超、または NULL に設定されている場合)。 ローカル多重共線性が存在する場合の結果は安定していません。

  • 説明変数の係数にみられる地域的なばらつきについて理解を深めるために、GWR ツールによって作成されるオプションのラスター係数サーフェスを確認します。 これらのラスター サーフェスは、[その他のオプション] の下にある [係数ラスター ワークスペース] を指定していれば、この中に作成されます。 ポリゴン データの場合は、[出力フィーチャ] の値の各係数フィールドにグラデーションの色やコールドからホットまでのレンダリングを使用して、分析範囲全体における変化を確認できます。

  • GWR ツールは、[予測位置] の値のフィーチャクラス (多くの場合、このフィーチャクラスは [入力フィーチャ] の値と同じです) を指定し、説明変数を照合して、[出力予測済みフィーチャ] の値を指定することで、予測を行う場合にも使用できます。 [入力フィーチャ] 値の [照合する説明変数] フィールドが [予測位置からのフィールド] フィールドと一致する場合、それらは自動的に設定されます。 一致しない場合は、正しいフィールドを指定します。

  • 重要な説明変数が欠けていると、回帰モデルは誤って指定されます。 回帰残余の空間的自己相関が統計的に有意である場合や、1 つ以上の説明変数の係数に予期せぬ空間的なばらつきがある場合は、モデルが誤って指定されている可能性が考えられます。 これらの欠けている重要な変数を特定し、これらをモデルに含められるよう、(GLR 残余分析や地理空間加重回帰分析係数差異分析などを通じて) あらゆる努力を行ってください。

  • 説明変数を非定常とすることが理にかなっているかどうかを判断します。 たとえば、ASPECT をはじめとするいくつかの変数を関数として、特定の植物種の密度をモデリングしているとします。 ASPECT 変数の係数が分析範囲全体で変化する場合には、重要な説明変数 (優勢な競合する植物など) が欠けているという事実を示している可能性が高いといえます。 あらゆる努力を行って、回帰モデルにすべての重要な説明変数を含めてください。

  • 計算結果が無限または未定義の場合、シェープファイル以外の結果は NULL に、シェープファイルの結果は -DBL_MAX = -1.7976931348623158e+308 になります。

    注意:

    シェープファイルを使用するときは、NULL 値を格納できないため、注意が必要です。 シェープファイルではない入力からシェープファイルを作成するツールやその他の手順では、結果的に NULL 値がゼロまたは非常に小さな負の値 (-DBL_MAX = -1.7976931348623158e+308) として格納されることがあります。 この場合、予期せぬ結果に至ることがあります。 詳細については、「ジオプロセシングでのシェープファイル出力の注意事項」をご参照ください。

  • [近傍選択方法] パラメーターには、次の 3 つのオプションがあります。 [黄金探索] を選択すると、ツールは黄金分割探索方法を使用して、[距離バンド] または [近傍数] パラメーターに最適な値を見つけます。 [手動間隔] オプションは、距離バンドまたは近傍数を少しずつ増やして、指定された距離間の近傍をテストします。 どちらの場合も、使用される近傍サイズは、赤池情報量基準 (AICc) の値を最小化するサイズです。 しかしながら、どちらの方法も、局所的な多重共線性の問題のために、最適な距離バンドまたは近傍数の解を求めることができません。 エラーが表示されたり深刻なモデル設計上の問題が発生した場合は、[ユーザー定義] オプションを使用して、特定の距離または近傍数を指定してみてください。 次に、出力フィーチャクラスの条件数を確認し、どのフィーチャが局所的な共線性の問題に関係しているのか確認してください。

  • 深刻なモデル設計上の問題や、局所方程式に十分な近傍数が含まれていないことを示すエラーは、多くの場合、グローバルまたは局所的な多重共線性の問題があることを示しています。 どこに問題があるのかを判断するために [一般化線形回帰 (Generalized Linear Regression)] を使用してグローバル モデルを実行し、各説明変数について VIF 値 を確認します。 大きな VIF 値がある場合 (たとえば 7.5 以上)、グローバル多重共線性によって地理空間加重回帰分析では解を導けなくなっています。 しかし、もっと可能性が高いのは、ローカル多重共線性の問題です。 各独立変数の主題図を作成してみてください。 主題図で同一値が空間的にクラスターを形成している場合は、モデルからそのような変数を除外するか、別の独立変数と組み合わせて値のばらつきを増やします。 たとえば、住宅の価値をモデル化していて、寝室と風呂に変数がある場合は、両方を組み合わせて値のばらつきを増やすか、それぞれを風呂と寝室の面積として表します。 地理空間加重回帰分析モデルの構築時には、空間様式のダミー変数、空間クラスターとなっているカテゴリや名義変数、可能性のある値が非常に限られている変数の使用を避けてください。

  • 地理空間加重回帰分析 (GWR) は、[一般化線形回帰 (Generalized Linear Regression)] と同じ要件の適用を受ける線形モデルです。 地理空間加重回帰分析モデルが適切に指定できていることを確認するには、「地理空間加重回帰分析の詳細」で説明されている診断を確認してください。 「回帰分析の基礎」のトピックの「回帰モデルがうまくいかない理由」にも、モデルが正確であることを確認するための情報が記載されています。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力フィーチャ

従属変数と説明変数を格納したフィーチャクラス。

Feature Layer
従属変数

モデル化される観測値を含む数値フィールド。

Field
モデル タイプ

モデル化されるデータのタイプを指定します。

  • 連続 (ガウス)[従属変数] 値は連続敵です。 Gaussian モデルが使用され、ツールは最小二乗法 (Ordinary Least Squares) の回帰分析を実行します。
  • バイナリ (ロジスティック)[従属変数] の値は有無を表します。 これは、従来の 1s および 0s、または閾値に基づいてコード化された連続データを使用できます。 ロジスティック回帰モデルが使用されます。
  • カウント (ポワソン)[従属変数] の値は不連続で、犯罪件数、病気のインシデント、交通事故などのイベントを表します。 ポワソン分布回帰モデルが使用されます。
String
説明変数

回帰モデルの独立説明変数を表すフィールドのリスト。

Field
出力フィーチャ

従属変数の推定値と残差が含まれている新しいフィーチャクラス。

Feature Class
近傍タイプ

使用される近傍を固定距離として構築するか、フィーチャの密度に応じて空間範囲の変化を許容するかを指定します。

  • 近傍数近傍サイズは、各フィーチャの計算に含まれる指定した近傍数の関数です。 フィーチャの密度が高い場合、近傍の空間範囲は小さくなります。フィーチャの密度が低い場合、近傍の空間範囲は大きくなります。
  • 距離バンド近傍サイズは、各フィーチャに対して定数または固定距離です。
String
近傍選択方法

近傍サイズの決定方法を指定します。 [黄金探索] および [手動間隔] オプションを使用して選択された近傍は、AICc の値を最小化する処理に基づきます。

  • 黄金探索ツールは、黄金分割探索方法を使用して、データの特性に基づいて最適な距離または近傍数を識別します。
  • 手動間隔テストされる近傍は、[近傍タイプ] パラメーターとして [近傍数] が選択された場合は [最小近傍数][近傍数の増分] パラメーター、[近傍タイプ] パラメーターとして [距離バンド] が選択された場合は [最小検索距離][検索距離の増分] パラメーター、および [増分数] パラメーターで指定された値によって定義されます。
  • ユーザー定義近傍サイズは、[近傍数] または [距離バンド] パラメーターによって指定されます。
String
最小近傍数
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最小の近傍数。 少なくとも 30 の近傍を使用することをお勧めします。

Long
最大近傍数
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最大の近傍数 (最大 1000)。

Long
最小検索距離
(オプション)

最小近傍検索距離。 各フィーチャに少なくとも 30 の近傍がある距離を使用することをお勧めします。

Linear Unit
最大検索距離
(オプション)

最大近傍検索距離。 フィーチャの近傍が 1000 を超える距離の場合、ツールはターゲット フィーチャの計算に最初の 1000 を使用します。

Linear Unit
近傍数の増分
(オプション)

近傍テストごとに、この近傍数だけ手動間隔が増やされます。

Long
検索距離の増分
(オプション)

傍テストごとに、この距離だけ手動間隔が増やされます。

Linear Unit
増分数
(オプション)

[最小近傍数] または [最小検索距離] パラメーター値から始まる、テストする近傍サイズの数。

Long
近傍数
(オプション)

各フィーチャについて考慮する近隣フィーチャの最も近い数 (最大 1000)。 この数は 2 ~ 1000 の整数の必要があります。

Long
距離バンド
(オプション)

近傍の空間範囲。

Linear Unit
予測位置
(オプション)

推定を計算する場合に、位置を表すフィーチャが格納されるフィーチャクラス。 このデータセット内の各フィーチャには、指定されたすべての説明変数の値が含まれています。 これらのフィーチャの従属変数は、入力フィーチャクラス データに対してキャリブレーションされたモデルを使用して推定されます。 予測を行うには、これらのフィーチャの位置が [入力フィーチャ] の値と同じ分析範囲内か、近く (範囲プラス 15 パーセント内) の必要があります。

Feature Layer
照合する説明変数
(オプション)

[予測位置] パラメーターの説明変数を [入力フィーチャクラス] パラメーターの対応する説明変数と照合します。

Value Table
出力予測済みフィーチャ
(オプション)

[予測位置] 値の従属変数の推定値を受け取る出力フィーチャクラス。

Feature Class
ロバスト予測
(オプション)

予測計算に使用されるフィーチャを指定します。

  • オン - 平均より 3 標準偏差を超える値 (値の外れ値) とウェイトが 0 のフィーチャ (空間的な外れ値) は予測計算から除外されますが、出力フィーチャクラスで予測を受け取ります。 これがデフォルトです。
  • オフ - 予測計算にすべてのフィーチャが使用されます。
Boolean
ローカル加重方式
(オプション)

モデルの空間的な加重を提供するために使用されるカーネル タイプを指定します。 カーネルは、各フィーチャと近傍内にある他のフィーチャとの関連性を定義します。

  • バイスクエア指定された近傍の外部にあるフィーチャには、0 のウェイトが割り当てられます。 これがデフォルトです。
  • ガウスすべてのフィーチャがウェイトを受け取りますが、加重はターゲット フィーチャから遠いほど、指数的に小さくなります。
String
係数ラスター ワークスペース
(オプション)

係数ラスターが作成されることになるワークスペース。 ワークスペースを設けると、インターセプトとすべての説明変数についてラスターが作成されます。 このパラメーターは Desktop Advanced ライセンスでのみ利用可能です。

Workspace
データのスケール
(オプション)

モデルをフィッティングする前に、平均が 0、標準偏差が 1 になるように説明変数と従属変数の値をスケーリングするかどうかを指定します。

  • オン - 変数の値がスケーリングされます。 結果には説明変数係数のスケーリングされたバージョンとスケーリングされていないバージョンが含まれます。
  • オフ - 変数の値がスケーリングされません。 元のデータ ユニットですべての係数がスケーリングされません。

Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
係数ラスター レイヤー

出力係数ラスター。

Raster Layer

arcpy.stats.GWR(in_features, dependent_variable, model_type, explanatory_variables, output_features, neighborhood_type, neighborhood_selection_method, {minimum_number_of_neighbors}, {maximum_number_of_neighbors}, {minimum_search_distance}, {maximum_search_distance}, {number_of_neighbors_increment}, {search_distance_increment}, {number_of_increments}, {number_of_neighbors}, {distance_band}, {prediction_locations}, {explanatory_variables_to_match}, {output_predicted_features}, {robust_prediction}, {local_weighting_scheme}, {coefficient_raster_workspace}, {scale})
名前説明データ タイプ
in_features

従属変数と説明変数を格納したフィーチャクラス。

Feature Layer
dependent_variable

モデル化される観測値を含む数値フィールド。

Field
model_type

モデル化されるデータのタイプを指定します。

  • CONTINUOUSdependent_variable 値は連続的です。 Gaussian モデルが使用され、ツールは最小二乗法 (Ordinary Least Squares) の回帰分析を実行します。
  • BINARYdependent_variable 値は有無を表します。 これは、従来の 1s および 0s、または閾値に基づいてコード化された連続データを使用できます。 ロジスティック回帰モデルが使用されます。
  • COUNTdependent_variable の値は不連続で、犯罪件数、病気のインシデント、交通事故などのイベントを表します。 ポワソン分布回帰モデルが使用されます。
String
explanatory_variables
[explanatory_variables,...]

回帰モデルの独立説明変数を表すフィールドのリスト。

Field
output_features

従属変数の推定値と残差が含まれている新しいフィーチャクラス。

Feature Class
neighborhood_type

使用される近傍を固定距離として構築するか、フィーチャの密度に応じて空間範囲の変化を許容するかを指定します。

  • NUMBER_OF_NEIGHBORS近傍サイズは、各フィーチャの計算に含まれる指定した近傍数の関数です。 フィーチャの密度が高い場合、近傍の空間範囲は小さくなります。フィーチャの密度が低い場合、近傍の空間範囲は大きくなります。
  • DISTANCE_BAND近傍サイズは、各フィーチャに対して定数または固定距離です。
String
neighborhood_selection_method

近傍サイズの決定方法を指定します。 GOLDEN_SEARCH および MANUAL_INTERVALS オプションを使用して選択された近傍は、AICc の値を最小化する処理に基づきます。

  • GOLDEN_SEARCHツールは、黄金分割探索方法を使用して、データの特性に基づいて最適な距離または近傍数を識別します。
  • MANUAL_INTERVALSテストされる近傍は、neighborhood_type パラメーターに NUMBER_OF_NEIGHBORS が選択された場合は minimum_number_of_neighborsnumber_of_neighbors_increment パラメーター、neighborhood_type パラメーターにDISTANCE_BAND が選択された場合は minimum_search_distancesearch_distance_increment パラメーター、および number_of_increments パラメーターで指定された値によって定義されます。
  • USER_DEFINED近傍サイズは、number_of_neighbors または distance_band パラメーターによって指定されます。
String
minimum_number_of_neighbors
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最小の近傍数。 少なくとも 30 の近傍を使用することをお勧めします。

Long
maximum_number_of_neighbors
(オプション)

各フィーチャの計算に含まれる最大の近傍数 (最大 1000)。

Long
minimum_search_distance
(オプション)

最小近傍検索距離。 各フィーチャに少なくとも 30 の近傍がある距離を使用することをお勧めします。

Linear Unit
maximum_search_distance
(オプション)

最大近傍検索距離。 フィーチャの近傍が 1000 を超える距離の場合、ツールはターゲット フィーチャの計算に最初の 1000 を使用します。

Linear Unit
number_of_neighbors_increment
(オプション)

近傍テストごとに、この近傍数だけ手動間隔が増やされます。

Long
search_distance_increment
(オプション)

傍テストごとに、この距離だけ手動間隔が増やされます。

Linear Unit
number_of_increments
(オプション)

minimum_number_of_neighbors または minimum_search_distance パラメーター値から始まる、テストする近傍サイズの数。

Long
number_of_neighbors
(オプション)

各フィーチャについて考慮する近隣フィーチャの最も近い数 (最大 1000)。 この数は 2 ~ 1000 の整数の必要があります。

Long
distance_band
(オプション)

近傍の空間範囲。

Linear Unit
prediction_locations
(オプション)

推定を計算する場合に、位置を表すフィーチャが格納されるフィーチャクラス。 このデータセット内の各フィーチャには、指定されたすべての説明変数の値が含まれています。 これらのフィーチャの従属変数は、入力フィーチャクラス データに対してキャリブレーションされたモデルを使用して推定されます。 予測を行うには、これらのフィーチャの位置が in_features の値と同じ分析範囲内か、近く (範囲プラス 15 パーセント内) の必要があります。

推定を計算する場合に、位置を表すフィーチャが格納されるフィーチャクラス。 このデータセット内の各フィーチャには、指定されたすべての説明変数の値が含まれています。 これらのフィーチャの従属変数は、入力フィーチャクラス データに対してキャリブレーションされたモデルを使用して推定されます。 予測を行うには、これらのフィーチャの位置が [入力フィーチャ] の値と同じ分析範囲内か、近く (範囲プラス 15 パーセント内) の必要があります。

Feature Layer
explanatory_variables_to_match
[explanatory_variables_to_match,...]
(オプション)

prediction_locations パラメーターの説明変数を in_features パラメーターの対応する説明変数と照合します (例: [["LandCover2000", "LandCover2010"], ["Income", "PerCapitaIncome"]])。

Value Table
output_predicted_features
(オプション)

prediction_location 値の従属変数の推定値を受け取る出力フィーチャクラス。

Feature Class
robust_prediction
(オプション)

予測計算に使用されるフィーチャを指定します。

  • ROBUST平均より 3 標準偏差を超える値 (値の外れ値) とウェイトが 0 のフィーチャ (空間的な外れ値) は予測計算から除外されますが、出力フィーチャクラスで予測を受け取ります。 これがデフォルトです。
  • NON_ROBUST予測計算にすべてのフィーチャが使用されます。
Boolean
local_weighting_scheme
(オプション)

モデルの空間的な加重を提供するために使用されるカーネル タイプを指定します。 カーネルは、各フィーチャと近傍内にある他のフィーチャとの関連性を定義します。

  • BISQUARE指定された近傍の外部にあるフィーチャには、0 のウェイトが割り当てられます。 これがデフォルトです。
  • GAUSSIANすべてのフィーチャがウェイトを受け取りますが、加重はターゲット フィーチャから遠いほど、指数的に小さくなります。
String
coefficient_raster_workspace
(オプション)

係数ラスターが作成されることになるワークスペース。 ワークスペースを設けると、インターセプトとすべての説明変数についてラスターが作成されます。 このパラメーターは Desktop Advanced ライセンスでのみ利用可能です。

Workspace
scale
(オプション)

モデルをフィッティングする前に、平均が 0、標準偏差が 1 になるように説明変数と従属変数の値をスケーリングするかどうかを指定します。

  • SCALE_DATA変数の値がスケーリングされます。 結果には説明変数係数のスケーリングされたバージョンとスケーリングされていないバージョンが含まれます。
  • NO_SCALE_DATA変数の値がスケーリングされません。 元のデータ ユニットですべての係数がスケーリングされません。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
coefficient_raster_layers

出力係数ラスター。

Raster Layer

コードのサンプル

GWR の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、GWR 関数の使用方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = r"c:\data\project_data.gdb”
arcpy.stats.GWR("US_Counties", "Diabetes_Percent", "CONTINUOUS", 
     "Inactivity_Percent;Obesity_Percent", "out_features", 
     "NUMBER_OF_NEIGHBORS", "GOLDEN_SEARCH", None, None, None, 
     None, None, None, None, None, None, None, None, None, "ROBUST", 
     "BISQUARE")
GWR の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のスタンドアロン Python スクリプトは、GWR 関数の使用方法を示しています。

# Linear regression using a count model to predict the number of crimes.
# The depend variable (total number of crimes) is predicted using total
# population, the median age of housing, and average household income.
 
import arcpy

# Set the current workspace (to avoid having to specify the full path to
# the feature classes each time)

arcpy.env.workspace = r"c:\data\project_data.gdb"

arcpy.stats.GWR("crime_counts", "total crimes", "COUNT", "YRBLT;TOTPOP;AVGHINC", 
     "out_features", "NUMBER_OF_NEIGHBORS", "GOLDEN_SEARCH", 30, None, None, None, 
     None, None, None, None, None, "prediction_locations", 
     "YRBLT YRBLT;TOTPOP TOTPOP;AVGHINC AVGHINC", "predicted_counts", 
     "NON_ROBUST", "BISQUARE", r"c:\data\out_rasters")

環境

特殊なケース

出力座標系

フィーチャ ジオメトリは、分析の完了後に出力データの座標系に投影されます。