Image Analyst ライセンスで利用できます。
マルチバンド画像を用いる変化検出は、ピクセル単位で計算したスペクトル差に基づきます。
マルチバンド画像データを比較すると、通常は一定の期間で、スペクトル反応が変化した箇所を特定できます。 ArcGIS AllSource には、マルチバンド画像を比較する手法がいつくかあります。
スペクトル変化の手法は、[コンテンツ] ウィンドウでマルチバンド ラスターを選択した場合に利用できます。
変化の計算ラスター関数は、2 つのラスター レイヤーの差をその場で計算します。 表示されている範囲内のピクセルのみが処理され、入力データのソース解像度より縮小すると、処理速度を向上するためにピクセルがより大きいサイズにリサンプリングされます。 変化をすばやく視覚化して評価できるよう、このようにして変化を計算します。 この関数を他のラスター関数と組み合わせて、より複雑なワークフローにすることができます。
[ラスターの変化の計算 (Compute Change Raster)] ジオプロセシング ツールは、2 つのラスター データセットの差を計算し、変化情報を含む新しいラスター データセットを生成します。 このツールを他のツールと組み合わせて、より複雑なワークフローにすることができます。
[変化検出ウィザード] は、ツールと関数を組み合わせて、カテゴリ別の変化検出、ピクセル値の変化検出、スペクトルの変化検出、または時系列の変化検出を行うプロセスをガイドします。 2 つのラスター データセット、または多次元ラスター データセットの 2 つのスライスを比較できます。
変化の検出ウィザード
[変化検出ウィザード] は、[画像] タブの [解析] グループにある [変化の検出] ドロップダウン ボタンから開きます。 2D マップ シーンで作業していない場合、あるいは Image Analyst エクステンションがない場合、このボタンは使用できません。
構成ウィンドウ
[変化の検出ウィザード] の最初のウィンドウは、[設定] ウィンドウです。ここでは、[変化の検出方法] の値を設定します。 マルチバンド データセットを比較するには、[変化の検出方法] を [スペクトル変化] に設定します。
パラメーター | 説明 |
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From ラスター | 計算に使用される最初のラスター。 時間 1 (前) から時間 2 (後) への変化を評価するには、時間 1 のラスターを入力します。 |
To ラスター | 計算に使用される 2 番目のラスター。 時間 1 (前) から時間 2 (後) への変化を評価するには、時間 2 のラスターを入力します。 |
多次元データセットの 2 つのスライスを比較するには、[From ラスター] パラメーターとして多次元ラスターを入力します。 [構成] ウィンドウは、以下の表のパラメーターを使用して更新されます。
パラメーター | 説明 |
---|---|
変数 | 解析対象の変数。 |
ディメンション | スライスの比較に使用するディメンション フィールド。 |
From スライス | 計算に使用される 1 番目のスライス。 時間 1 (前) から時間 2 (後) への変化を評価するには、時間 1 のスライスを入力します。 |
To スライス | 計算に使用される 2 番目のスライス。 時間 1 (前) から時間 2 (後) への変化を評価するには、時間 2 のスライスを入力します。 |
処理範囲 | 出力の処理範囲。 |
X スキップ ファクター | ラスターの変化の統計情報とヒストグラムを計算するために使用する X スキップ ファクター。 |
Y スキップ ファクター | ラスターの変化の統計情報とヒストグラムを計算するために使用する Y スキップ ファクター。 |
スペクトル差ウィンドウ
[スペクトル差] ウィンドウでは、入力マルチバンド画像を比較する方法を指定し、計算する変化情報の種類も指定します。
パラメーター | 説明 |
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差分タイプ | 計算で使用される差分方法。
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セル サイズ タイプ |
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範囲タイプ |
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[プレビュー] をクリックし、指定したオプションを使用して、マップにプレビュー レイヤーを追加します。 オプションを変更して [プレビューを更新] をクリックすると、新しいオプションを使用してプレビュー レイヤーが更新されます。
注意:
プレビュー レイヤーはラスター関数を使用して生成されます。 ソース解像度より縮小すると、ラスター関数はリサンプリングされたピクセル サイズを使用してデータを処理します。 プレビューを最終結果と同じように表示するには、データのソース解像度にズームします。 プレビュー レイヤーを右クリックし、[ソース解像度にズーム] をクリックします。
差分の分類ウィンドウ
[差分の分類] ウィンドウでは、マップでピクセルのスペクトル差をリアルタイムで検索し、その情報を使用して結果を分類できます。
[差分の検索] セクションは、[差分の分類] ウィンドウの上半分にあります。 変化を視覚化するための対話的なハンドルに沿って異なる値のヒストグラムが表示されます。 このウィンドウを開くと、デフォルトで Preview_Mask レイヤーが追加されます。 ヒストグラムで、最小および最大のヒストグラム ハンドルを異なる値にドラッグすると、マップ上の Preview_Mask レイヤーに最小値と最大値の間のピクセル値が表示されます。 その他のピクセル値はすべてマスクされ、表示されません。 マップの他のレイヤーをすべてオフにした方が値が見やすい場合があります。 Preview_Mask layer レイヤーのシンボルを変更して、結果の表示を見やすくすることもできます。
分類をスキップして元のピクセル値の差を保持するには、[値の差を分類] パラメーターをオフにし、[次へ] をクリックして次のウィンドウに移動します。
対話型のヒストグラムを使用してクラスを生成
対話型のヒストグラムを使用してクラスを生成するには、次の手順に従います。
- 解析に重要な変化情報 (強い負の変化など) を識別するまで、ヒストグラムで最小および最大のハンドルをドラッグします。
- [新しいクラスの追加] ボタン をクリックします。
ウィンドウの下部にある [出力の分類] テーブルの最小および最大クラス値として、ヒストグラムで選択した最小値と最大値が追加されます。
- 出力の分類テーブルで、クラス値 (整数) を Output フィールドに追加し、クラスの名前を Class Name フィールドに追加します。
これらは必須です。
- クラスのシンボル表示に使用する色を指定します。
クラスの手動生成
対話型のヒストグラムを使用せずにクラス情報を手動で追加するには、次の手順を実行します。
- [作成] ボタン をクリックします。
- [作成] ウィンドウで、[最大値] パラメーターを生成するクラスの数に設定します。
各個別値に関連付けられているクラスのベース名を指定できます。 クラス シンボルの配色と透過表示も指定できます。
- [OK] をクリックします。
- 出力の分類テーブルで、Minimum と Maximum の差分フィールド値を入力します。
[プレビュー] をクリックし、指定したオプションを使用して、マップにプレビュー レイヤーを追加します。 オプションを変更して [プレビューを更新] をクリックすると、新しいオプションを使用してプレビュー レイヤーが更新されます。
注意:
プレビュー レイヤーはラスター関数を使用して生成されます。 ソース解像度より縮小すると、ラスター関数はリサンプリングされたピクセル サイズを使用してデータを処理します。 プレビューを最終結果と同じように表示するには、データのソース解像度にズームします。 プレビュー レイヤーを右クリックし、[ソース解像度にズーム] をクリックします。
後処理ウィンドウ
[後処理] ウィンドウでは、結果をスムージングして出力を生成します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
近傍のスムージング | 結果をスムージングするために使用するフォーカル近傍のサイズ (ピクセルの行と列)。
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統計値の穴埋め |
より滑らかな結果を得るため、ピクセル値の再計算で使用する統計方法。 |
結果の保存方法 | 生成する出力タイプを指定します。
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出力データセット | 出力データセットの名前。 このパラメーターは、[結果の保存方法] が [ラスター データセット] または [フィーチャクラス] に設定されている場合に限り、指定できます。 出力がラスター データセットの場合は、生成するラスターのファイル拡張子を、サポートされている形式で指定します。 |
スムージングの追加オプションとして、結果に対し、統計ラスター関数を使用できます。 ウィザードで、[近傍のスムージング] として [なし] を選択し、出力ラスター データセットに対し、統計ラスター関数を使用します。
[プレビュー] をクリックし、指定したオプションを使用して、マップにプレビュー レイヤーを追加します。 オプションを変更して [プレビューを更新] をクリックすると、新しいオプションを使用してプレビュー レイヤーが更新されます。
注意:
プレビュー レイヤーはラスター関数を使用して生成されます。 ソース解像度より縮小すると、ラスター関数はリサンプリングされたピクセル サイズを使用してデータを処理します。 プレビューを最終結果と同じように表示するには、データのソース解像度にズームします。 プレビュー レイヤーを右クリックし、[ソース解像度にズーム] をクリックします。
スペクトル角度差の計算
次の例では、2 つの Landsat 8 画像のスペクトル角度差を計算します。
- 2 つの Landsat 8 画像をマップに追加します。
- [コンテンツ] ウィンドウで選択した前のイメージ レイヤーで、[画像] タブの [解析] グループから [変化の検出ウィザード] を起動します。
[構成] ウィンドウで、[変化の検出方法] を [スペクトル変化] に設定します。
- [From ラスター] パラメーターが先のラスター レイヤーに設定されています。
- [To ラスター] パラメーターが後のラスター レイヤーに設定されています。
- [次へ] をクリックします。
- [バンドの差分] ペインで、[差分タイプ] を [スペクトル角度差] に設定します。
- [セル サイズ タイプ] パラメーターを [最大] に設定し、[範囲タイプ] パラメーターを [共通の範囲] に設定します。
- [次へ] をクリックします。
- [差分の分類] ペインで、最小のヒストグラム ハンドルをドラッグし、プレビュー マスクの結果が関心領域に制限されるようにします。 最大のヒストグラム ハンドルは正の最大値のままにしておきます。 [新しいクラスの追加] をクリックします。
これで、背景や小さい角度、環境変化が結果に反映されるのが低減されます。
- 出力の分類テーブルで、Output フィールド値を 1、Class Name フィールドに適切な名前を入力し、カラー パレットを使用して赤色を選択します。
- [次へ] をクリックします。
- [後処理] ウィンドウで、[近傍のスムージング] パラメーターを [3 x 3]、[統計情報の補完方法] パラメーターを [最頻値] に設定します。
- [出力データセット] パラメーターに Spectral_angle_change.tif と入力して [実行] をクリックします。
- データセットがマップに追加されたら、[完了] をクリックして [変化の検出ウィザード] を閉じます。