統計関数

概要

統計関数は、定義されたフォーカル近傍に基づいて、画像のピクセルごとの近傍統計情報を計算します。

備考

この関数を使って解析の結果をスムージングしたり、処理前にラスター データセットをスムージングすることができます。また、ラスター データセットで欠けているデータを埋めることもできます。

この関数では計算に 7 種類の統計を使用します。地表面ラスターなどのカテゴリ ラスターのデータをスムージングしたり足りないデータを埋めるには、[最頻値][最小頻値]、または[中央値] の各統計タイプを使用します。

[近傍範囲の設定] オプションでは、近傍ディメンションとして使用する [行数][列数] の値を入力できます。行と列の数を増やしてスムージング効果を高めたり、大きなギャップを埋めます。

パラメーター

パラメーター説明

ラスター

フォーカル統計を実行する入力ラスター。

統計の種類

フォーカル統計関数には以下の 7 つの種類があります。

  • 最小値 - 近傍のピクセルの最小値を計算します。
  • 最大値 - 近傍のピクセルの最大値を計算します。
  • 平均値 - 近傍のピクセルの平均値を計算します。これがデフォルトです。
  • 標準偏差 - 近傍のピクセルの標準偏差値を計算します。
  • 中央値 - 近傍のピクセルの中央値を計算します。
  • 最頻値 - 近傍のピクセルの最頻値 (最も頻繁に発生する値) を計算します。
  • 最少頻値 - 近傍のピクセルの最小頻値 (発生数が最も少ない値) を計算します。

行数

フォーカル近傍ディメンションに使用するピクセル行の数。

列数

フォーカル近傍ディメンションに使用するピクセル列の数。

NoData ピクセルのみの塗りつぶし

出力で NoData のギャップを塗りつぶします。これは画像に欠落したラインがあるときに便利です。

欠落したラインのデータの穴埋め

統計関数を使用すると、画像内の欠落したラインを埋めることができます。欠落したラインの原因の多くは、データが収集できないセンサーの問題によるものです。これは、Landsat 7 の Enhanced Thematic Mapper Plus (ETM+) などのセンサーで発生します。この欠落したデータが原因となって、解析時および画像の表示時に問題が発生します。解析に画像を使用している場合、対策法はほとんどありません。ただし、重複する画像がある場合は、欠落したコンテンツの代わりに使用することができます。画像をビジュアライゼーションに使用している場合も、同じ方法が使用できます。ただし、欠落したコンテンツを埋めるための画像が常にあるとは限らないため、これを既存のデータから取得する必要があります。

このプロセスには、2 つの関数が必要です。まず、マスク ラスター関数を使用して、欠落したライン ピクセル値を NoData に変換します。たとえば、値が 0 の場合、マスク関数で、[NoData 値] 列の各バンドに 0 を入力します。次に、フォーカル統計関数を使用します。[平均値] 統計タイプを使用して、近傍に使用する行と列の数を定義し、[NoData ピクセルのみの塗りつぶし] をオンにします。

欠落したライン
欠落したラインが表示されます。
埋められた欠落ライン
埋められた欠落ラインが表示されます。