3D メッシュ シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Integrated Mesh Scene Layer Content) (データ管理)

サマリー

OSGB (OpenSceneGraph binary) データからシーン レイヤー コンテンツ (*.slpk または *.i3sREST) を作成します。

使用法

  • 他の 3D グラフィックス形式と同様に OSGB データ形式も本来、モデルの座標系の指定と取得に対応していません。 通常、OSGB 形式ファイルは、固定座標にデータが配置される直交座標系で出力されます。 モデルの X、Y、および Z 座標は、本質的に地理的な位置ではなく、任意の幾何学的な原点 (0, 0, 0) を基準とした位置を表します。 このようなモデルに使用される標準的な座標系の 1 つとして ENU (Easting-Northing-UP) 規約があります。この座標系では、X 軸を東距、Y 軸を北距、Z 軸を上方向と解釈することができます。 モデルを適切にジオリファレンスするには、追加のメタデータ (*.xml、*.3mx)、またはワールド ファイル (*.wld3) を、OSGB 形式ファイルを含むフォルダーの横に配置するか、[アンカー位置] パラメーターを使用して指定する必要があります。

  • モデルをジオリファレンスするファイルが存在しない場合は、*.wld3 ファイルを作成して原点を指定できます。 スペース区切りかカンマ区切りのファイルを、<From x,y,z> <space> <To x,y,z> として度 (10 進) に書式設定できます。

    モデルをジオリファレンスするワールド ファイルの例。 アンカー ポイント座標を含む必要がある座標ペアは 1 つだけです。

    0, 0, 0 -117.17222, 34.0392512, 0
  • OSGB ファイル形式が既知の座標系で作成された場合、モデルを適切にジオリファレンスするには、OSGB 形式ファイルを含むフォルダーの横に投影情報ファイル (*.prj) を置く必要があります。 たとえば、入力ファイル パスが C:\temp\data で OSGB 形式ファイルがサブフォルダー (C:\temp\data\Tile_001C:\temp\data\Tile_002) に含まれている場合、投影情報ファイルやメタデータ ファイルを C:\temp\data フォルダーに含める必要があります。

  • 次の表に、OSGB モデルの各入力座標系で使用するジオリファレンス ファイルを示します。

    入力データの座標系ジオリファレンス ファイル

    ローカル座標系 (ENU)

    *.xml、*.wld3、または *.3mx ファイル、またはポイント フィーチャクラス

    投影座標系

    投影情報ファイル (.prj)

    地理座標系

    投影情報ファイル (.prj)

  • [最大テクスチャ サイズ] パラメーターを使用して、出力シーン レイヤー パッケージの 1 ノードあたりのテクスチャ サイズを設定します。 どのプラットフォームでも 4096 を超えるテクスチャ サイズはサポートされていません。 Scene Viewer では最大 8192 のテクスチャ サイズをサポートしています。

  • OSGB 形式ファイルは Drone2Map とサードパーティ プロバイダーによって作成されます。 プロバイダーの一覧については、「3D メッシュ シーン レイヤー」をご参照ください。

  • [ターゲット クラウド コネクション] パラメーターを使用して、「クラウドに配置」されているオブジェクト ストア (Amazon S3Azure Blob ストレージ、Alibaba OSSGoogle Cloud など) にシーン レイヤー コンテンツを出力します。 このコンテンツはシーン サービスとして公開でき、選択した場所は、ArcGIS Enterprise に「ユーザー管理データ ストア」として登録されている必要があります。

  • [クラウド ストレージ コネクション ファイルの作成 (Create Cloud Storage Connection File)] ツールを使用してコネクション ファイル (.acs) を作成できます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力データセット

3D メッシュ シーン レイヤー パッケージにインポートする OSGB 形式ファイルまたは OSGB 形式ファイルを含むフォルダー。 このパラメーターでは、複数の OSGB 形式ファイルを選択するか、OSGB 形式ファイルを含む複数のフォルダーを選択することができます。

File; Folder
出力シーン レイヤー パッケージ
(オプション)

作成される 3D メッシュ シーン レイヤー パッケージ。 [ターゲット クラウド コネクション] パラメーター値が指定されていない場合、このパラメーターは必須です。

File
アンカー位置
(オプション)

OSGB モデルの中心の配置に使用されるポイント フィーチャ、*.3mx、*.xml、または *.wld3 ファイル。 フィーチャクラス内に複数のポイントが存在する場合は、最初のポイントだけがデータのジオリファレンスに使用されます。

Feature Layer; File
ファイル接尾辞
(オプション)

入力データセット用に処理されるファイルを指定します。

  • サポートされているすべてのファイルOSGB 形式かどうかを確認するために、拡張子に関係なく、すべてのバイナリ ファイルが処理されます。
  • *.osgb 拡張子付きのファイル拡張子が .osgb のファイルだけが処理されます。
String
出力座標系
(オプション)

出力シーン レイヤー パッケージの座標系。 これには、任意の投影座標系またはカスタム座標系を指定できます。 サポートされている地理座標系には WGS84 や China Geodetic Coordinate System 2000 などがあります。 WGS84 および EGM96 ジオイドは、それぞれデフォルトの水平座標系および垂直座標系です。 座標系は、次のいずれかの方法で指定できます。

  • .prj ファイルへのパスを指定する。
  • 正しい座標系を使用するデータセットを参照する。
  • arcpy.SpatialReference オブジェクトを使用する。

Spatial Reference
最大テクスチャ サイズ
(オプション)

各シーン レイヤー ノードの、ピクセル単位の最大テクスチャ サイズ。

Long
テクスチャの最適化
(オプション)

シーン レイヤー パッケージが使用するターゲット プラットフォームに従って最適化するテクスチャを指定します。

注意:

KTX2 を含む最適化では、処理に多大な時間がかかることがあります。 結果の処理を最速化するには、[デスクトップ] または [なし] オプションを使用します。

  • すべてJPEG、DXT、KTX2 を含め、すべてのテクスチャ形式が、デスクトップ、Web、およびモバイル プラットフォームで使用するために最適化されます。
  • デスクトップWindowsLinuxMac でサポートされるテクスチャ (JPEG や DXT を含む) が、Windows 上の AllSource クライアントと、WindowsLinuxMac 上の ArcGIS Runtime デスクトップ クライアントで使用するために最適化されます。 これがデフォルトです。
  • モバイルAndroid および iOS でサポートされるテクスチャ (JPEG や KTX2 を含む) が、ArcGIS Runtime モバイル アプリケーションで使用するために最適化されます。
  • なしJPEG テクスチャが、デスクトップおよび Web プラットフォームで使用するために最適化されます。
String
ターゲット クラウド コネクション
(オプション)

シーン レイヤー コンテンツ (*.i3sREST) が出力されるターゲット クラウド コネクション ファイル (*.acs)。

Folder
出力名
(オプション)

クラウド ストアへの出力時のシーン レイヤー コンテンツの出力名。 このパラメーターは、[ターゲット クラウド コネクション] パラメーター値が指定されていない場合にのみ使用できます。

String

arcpy.management.CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage(in_dataset, {out_slpk}, {anchor_point}, {file_suffix}, {out_coor_system}, {max_texture_size}, {texture_optimization}, {target_cloud_connection}, {out_name})
名前説明データ タイプ
in_dataset
[in_dataset,...]

3D メッシュ シーン レイヤー パッケージにインポートする OSGB 形式ファイルまたは OSGB 形式ファイルを含むフォルダー。 このパラメーターでは、複数の OSGB 形式ファイルを選択するか、OSGB 形式ファイルを含む複数のフォルダーを選択することができます。

File; Folder
out_slpk
(オプション)

作成される 3D メッシュ シーン レイヤー パッケージ。 [ターゲット クラウド コネクション] パラメーター値が指定されていない場合、このパラメーターは必須です。

File
anchor_point
(オプション)

OSGB モデルの中心の配置に使用されるポイント フィーチャ、*.3mx、*.xml、または *.wld3 ファイル。 フィーチャクラス内に複数のポイントが存在する場合は、最初のポイントだけがデータのジオリファレンスに使用されます。

Feature Layer; File
file_suffix
(オプション)

入力データセット用に処理されるファイルを指定します。

  • *OSGB 形式かどうかを確認するために、拡張子に関係なく、すべてのバイナリ ファイルが処理されます。
  • osgb拡張子が .osgb のファイルだけが処理されます。
String
out_coor_system
(オプション)

出力シーン レイヤー パッケージの座標系。 これには、任意の投影座標系またはカスタム座標系を指定できます。 サポートされている地理座標系には WGS84 や China Geodetic Coordinate System 2000 などがあります。 WGS84 および EGM96 ジオイドは、それぞれデフォルトの水平座標系および垂直座標系です。 座標系は、次のいずれかの方法で指定できます。

  • .prj ファイルへのパスを指定する。
  • 正しい座標系を使用するデータセットを参照する。
  • arcpy.SpatialReference オブジェクトを使用する。

Spatial Reference
max_texture_size
(オプション)

各シーン レイヤー ノードの、ピクセル単位の最大テクスチャ サイズ。

Long
texture_optimization
(オプション)

シーン レイヤー パッケージが使用するターゲット プラットフォームに従って最適化するテクスチャを指定します。

注意:

KTX2 を含む最適化では、処理に多大な時間がかかることがあります。 結果の処理を最速化するには、Desktop または None オプションを使用します。

  • AllJPEG、DXT、KTX2 を含め、すべてのテクスチャ形式が、デスクトップ、Web、およびモバイル プラットフォームで使用するために最適化されます。
  • DesktopWindowsLinuxMac でサポートされるテクスチャ (JPEG や DXT を含む) が、Windows 上の AllSource クライアントと、WindowsLinuxMac 上の ArcGIS Runtime デスクトップ クライアントで使用するために最適化されます。 これがデフォルトです。
  • MobileAndroid および iOS でサポートされるテクスチャ (JPEG や KTX2 を含む) が、ArcGIS Runtime モバイル アプリケーションで使用するために最適化されます。
  • NoneJPEG テクスチャが、デスクトップおよび Web プラットフォームで使用するために最適化されます。
String
target_cloud_connection
(オプション)

シーン レイヤー コンテンツ (*.i3sREST) が出力されるターゲット クラウド コネクション ファイル (*.acs)。

Folder
out_name
(オプション)

クラウド ストアへの出力時のシーン レイヤー コンテンツの出力名。 このパラメーターは、target_cloud_connection パラメーター値が指定されていない場合にのみ使用できます。

String

コードのサンプル

CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage の例 1 (Python ウィンドウ)

次のサンプルは、Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/temp"
arcpy.CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage_management(
    "terrain_osgb", "mesh.slpk", "anchor.wld3", "OSGB", arcpy.SpatialReference(4326))
CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage の例 2 (Python ウィンドウ)

次のサンプルは、マルチフォルダー入力を使用して Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/temp"
arcpy.CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage_management(
    ["Tile_+001_+001", "Tile_+001_+002", "Tile_+002_+001"], "mesh.slpk", 
    "anchor.shp", "OSGB", arcpy.SpatialReference(4326), 2048, "DESKTOP")
CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage の例 3 (Python ウィンドウ)

次のサンプルは、クラウド ストアへの出力を使用して Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/temp"
arcpy.CreateIntegratedMeshSceneLayerPackage_management(
    ["Tile_+001_+001", "Tile_+001_+002", "Tile_+002_+001"], "mesh.slpk", 
    "anchor.shp", "OSGB", arcpy.SpatialReference(4326), 2048, "DESKTOP",
    'AWS.acs', 'mySceneLayer.i3srest')